« 個人再生における養育費の取扱い | トップページ | 小規模個人再生における再生計画の認可 »

2008年10月11日 (土)

過払金返還請求権の消滅時効

民法166①
消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。

民法167②
債権は、10年間行使しないときは、消滅する。

時効期間:
10年(最高裁昭和55.1.24)

消滅時効の起算点:
「権利を行使することができる時」との解釈について「単にその権利の行使につき法律上の障害がないというだけではなく、さらに権利の性質上、その権利行使が現実に期待のできるものであることも必要と解するのが相当である」(最高裁昭和45.7.15、H8.3.5)

権利の客観的な性質からして、その権利行使が現実に期待できない場合である必要。
最高裁の事例は、①受領拒絶を原因とする弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効が問題となった事例(昭和45年判決)と②債権者不確知を原因とする弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効が問題となった事例(平成13年判決)で、いずれも、供託における免責の効果を受ける必要がある間は、その供託者が供託金取戻請求権を行使することが、供託という行為の性質上およそ期待できないと解される事例。

過払金返還請求権の消滅時効の起算点:

A:各過払金の発生時
過払いが発生した時点で、その後の各弁済日時が消滅時効の起算点。
「過払金返還請求訴訟における不当利得返還請求権は、借主である消費者の返済ごとにその金額が確定していくものであり、法律上その権利行使は過払金発生時から可能である。だからこそ、過払金について発生時から利息の発生が認められるのであって、取引終了日を消滅時効の起算点とすることは理論的に難しい。」(判例タイムズNo.1250p20)

B:最終貸付日
A説を前提に、過払金発生後の貸付けが過払金返還債務の「承認」であるから、その時点で消滅時効が中断して最終貸付日を消滅時効の起算点とする。(名古屋地裁一宮支部H16.10.7)

C:取引終了日
貸金業者から借主への貸付が一体であることを前提に、一旦発生した過払金は、その後の新たな貸付に充当されていったん消滅し、その後の弁済により再度新たな過払金が発生するということを繰り返すから、不当利得返還請求権は、借主間の取引終了時に確定的に発生し、その時点から時効の進行を開始する。(京都地裁H16.10.5)

①「1個の連続した貸付取引においては、各貸付けに係る金銭消費貸借契約は発生した過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意を含んでいる」と解しており、過払金は新たな借入金に合意に基づき充当される結果、取引終了時点で初めて確定する。
②権利の性質上、取引終了時まではその権利を現実に行使することを期待できない。
③借主の利益をできるだけ保護する必要がある。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪・弁護士・シンプラル法律事務所)

|

« 個人再生における養育費の取扱い | トップページ | 小規模個人再生における再生計画の認可 »

過払い請求」カテゴリの記事