2008年10月25日 (土)

不可分債権

第428条(不可分債権) 
債権の目的がその性質上又は当事者の意思表示によって不可分である場合において、数人の債権者があるときは、各債権者はすべての債権者のために履行を請求し、債務者はすべての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。

第431条(可分債権又は可分債務への変更)
不可分債権が可分債権となったときは、各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ、不可分債務が可分債務となったときは、各債務者はその負担部分についてのみ履行の責任を負う。

性質上の不可分債務:
共有物の引渡し債務
共有不動産の所有権移転登記申請協力義務
共同賃借人の賃料債務(大判大正11.11.24)
←目的物は金銭で可分であるが、不可分な利用の対価であって、賃貸人が各債務者に分割された額しか請求できないのは不当。

不可分債務も、履行不能により損害賠償債務に変わるなど可分になると、分割債務となる(431条)。
but黙示の連帯の特約を広く認定して、連帯債務になるという解釈(通説)。

債権の担保的効力が弱くなり、債権者が不当に害される。

性質上の不可分債権:
共同相続財産に属する建物の、使用貸借契約の終了を理由とする明渡請求権(最高裁昭和42.8.25)。

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共同保証

複数の保証人が、それぞれ単純な保証債務を負担した場合、債務額は保証人の数に応じて分割されるのが原則。(456条)
(分別の利益)

分別の利益のない保証人間で求償が行われる場合、連帯債務者の求償に関する442条~444条が準用される。(465条1項)
他の保証人に求償が行われることは、弁済額が、自らの負担部分を超えることが必要。

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2008年10月21日 (火)

地代・借賃の増減額の手続

借地借家法11条、32条(地代・借賃増減請求権)

民事調停法24条の2(地代・借賃増減請求事件の調停の前置)

地主・家主が賃料の受領を拒絶→供託(民法494条)

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2008年10月16日 (木)

婚姻費用

第752条(同居、協力及び扶助の義務)
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

第760条(婚姻費用の分担) 
夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。
生活保持義務:夫婦間の扶養、夫の未成熟子に対する扶養であり、権利者の生活の一部として自己と同程度の水準まで扶養する義務。
生活扶助義務:その他の場合の扶養であり、権利者が生活難に陥った場合に、義務者に余力があれば権利者の健康で文化的な最低限度の生活を援助すれば足りる。

算定表は、生活保持義務を前提に作成されているが、これを修正すべき特別な事情の認定は、極めて例外的な場合(権利者の有責性が明確な場合、別居期間が非常に長期化している場合等)に限定し、一般的には生活保持義務が認められる。

始期:
過去にさかのぼって婚姻費用分担の審判をすることができる。(最高裁昭和40.6.30)

請求時説(多くの判例)
申立人が分担義務者に対して請求がなされたときから(東京高裁決定昭和60.12.26)
夫婦喧嘩の末、無収入の妻が子を連れて実家に戻った事案で、分担義務者において、申立人が婚姻費用分担に関する支払を受けるべき状態にあることを知り、または知ることをうべかりし時に生じるとして、別居時以降の婚姻費用の分担を命じた例(大阪高裁決定昭和58。5.26)

終期:
別居の解消又は離婚に至るまで

離婚判例ガイドp4~

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2008年10月 3日 (金)

建物収去土地明渡しの執行

「建物を収去して土地を明け渡せ」との債務名義に基づき、
1.建物収去執行の実施(作為義務の強制執行として①代替執行又は②間接強制)
2.地上に建物のなくなった土地の引渡し執行(物引渡義務の強制執行として①直接強制又は②間接強制)

執行債務者:収去される建物の所有者あるいは登記上の所有名義人
債務名義の執行力の拡張を受ける建物取得者等に対しては、承継執行文の付与を受けて執行できる。(法27条②)
収去すべき建物に執行債務者あるいはその家族等が居住している場合には、建物収去の前提として建物からの退去を求めることができ、退去についての格別の債務名義は必要ではない。

目的外動産の処理については、収去される建物内にある動産でも、執行官が保管・売却できる。
債権者としては、建物収去の代替執行に必要な費用の予定額をあらかじめ債権者に支払うべき旨の命令(法171④)を得るとともに、別に動産執行の申立てをしておき、建物収去の執行現場において搬出された目的外動産や建物残骸等の差し押さえをすることができる。

中野p758

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2008年10月 2日 (木)

執行方法

①直接強制:執行機関がその権力作用により(債務者の積極的協力をまたないで)直接に執行の目的たる利益状態を実現する方法。

為す債務の場合直接強制はとれない。

②代替執行:代替的作為債務(建築物の取壊しなど)等につき、債権者が自らまたは第三者により作為内容を実現できる旨の授権およびその費用を債務者から取り立てうる旨の授権を執行機関たる裁判所より受けて、これに基づき債権者または第三者が権利内容を実現し、要した費用を債務者から取り立てるという方法。(執行法171、民法414②③)
裁判所の授権を媒介として債務名義上の債務内容たる作為を金銭支払に切り替えて執行する、一種の代償的執行。

③間接強制:債務者に対してその不履行に一定の不利益(金銭の支払)を賦課して意思を圧迫し、あくまで債務者による履行を強いる方法。(法172、173、167の15⑥)

従来:間接強制の補充性
(直接強制のできる債務については代替執行・間接強制を許さず、直接強制・代替執行ともに機能しえない債務についてのみ間接強制が認められる。)
but
権利実現の実効性確保を図る観点から間接強制の補充性に伴う執行の非効率性を指摘→
物の引渡債務や代替的作為債務・不作為債務については、債権者の申立てがあるときは、間接強制の方法によることも可能とされた。(法173条)

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2008年9月19日 (金)

仮登記の申請(不動産登記法)

申請情報を記載した書面や委任状への記名押印についての印鑑証明は作成後3月以内のものである必要。(不動産登記令16③、18③)

仮登記の登記義務者の承諾があるときは、登記権利者が単独で申請できる。(法107条)
承諾書の作成者による記名押印が必要。(不動産登記令19①)
記名押印した者の印鑑に関する証明書を添付する必要。(不動産投機令19②)
but
「3月以内」の規定なし→古い印鑑証明書でOK。

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2008年9月18日 (木)

家事調停(家事審判法)

第17条〔調停事件の範囲〕
家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他一般に家庭に関する事件について調停を行う。但し、第九条第一項甲類に規定する審判事件については、この限りでない。

第18条〔調停前置主義〕
前条の規定により調停を行うことができる事件について訴を提起しようとする者は、まず家庭裁判所に調停の申立をしなければならない。
②前項の事件について調停の申立をすることなく訴を提起した場合には、裁判所は、その事件を家庭裁判所の調停に付しなければならない。但し、裁判所が事件を調停に付することを適当でないと認めるときは、この限りでない。

民事調停:その対象である財産関係が健全なる経済生活を維持するためにあるから、それを規律する法規は細部にわたって厳格に規定され、画一的な解決がなされる。

家事調停:調停の対象となる身分関係はそれ自体非合理的な人間関係であるため、紛争の原因も一様ではなく、それを法規によって画一的に規律し処理することはできない→裁量による具体的、妥当な解決を図ることになる。

家庭で発生するあらゆる事件を取り扱うから、訴訟で解決すべき事件でも家庭に原因する紛争であれば、身分上、財産上を問わずすべての紛争について、まず家庭裁判所に調停の申立てをしなければならない。(法18①)

①一般調停事件:家庭に関する身分上、財産上の事件はすべてこの対象となり、親子、兄弟、親族間の紛争や、夫婦の離婚、養親子の離縁、その他家庭に関する紛争を民事訴訟手続きや人事訴訟手続によらないで平和裡に妥当な解決を図ろうとするもの。

②乙類調停事件:乙類審判事件を調停手続によって処理しているもの。(法11条)

③特殊調整事件:本来人事訴訟事件となるもののうち、個人の自由処分を許さない事件(婚姻の無効・取消、協議離婚無効、養子縁組無効、親子関係不存在確認、嫡出子否認など)を対象とし、調停手続を利用することによって処理する特殊な制度。

管轄:相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所(家審規則129①)。

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2008年9月17日 (水)

調停に代わる決定と労働審判

A:調停に代わる決定(民事調停法17条)
B:労働審判手続

A:裁判所が必要と認めた場合にのみ行われる。
B:調停による解決に至らない場合には、原則として常に行われる。

A:申立ての趣旨の範囲内で、当事者の互助による合意の案(調停案)を決定としてだす。
B:審判手続の経過を勘案した解決案を提示。
まず、権利関係に関する判断を行い、これに基づきながら、労働審判手続の経過において明らかとなった当事者の意向を勘案した解決案を提示する。

A:当事者が異議を申し立てたら失効し、紛争はそのまま放置。
B:当事者の異議により失効するが、訴訟への自動的な移行がなされ、訴訟による紛争の解決が図られる。

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労働審判の管轄

①相手方の住所、居所、営業所もしくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所
②個別労働関係民事紛争が生じた労働者と事業者の間の労働関係に基づいて当該労働者が現に就業し、もしくは最後に就業した当該事務所を管轄する地方裁判所
③当事者が合意で定める地方裁判所
(労働審判法2条)

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