◆上限価格規制
需要曲線と供給曲線⇒統制のない市場での均衡点Eでは、200万戸のアパートが付き1000ドルで賃貸。
政府が家賃を800ドルでの上限価格規制
800ドル⇒
供給は自由な市場に比べて20万戸少ない180万戸。
需要は自由な市場に比べて20万戸多い220万戸。
⇒持続的な賃貸アパートの不足。
■上限価格規制による非効率
市場経済は、ほうっておけば通常は効率的(=他の人々の状態を悪化させることなく誰かの状態を良くすることができない状況)に働く。
価格統制が引き起こす他のすべての供給不足と同様、非効率性をもたらし深刻な害悪となり得る。
失われた機会があるとき、つまり他の人々の状態を悪化させることなくある人の状態を良くできるとき、市場あるいは経済は非効率。
家賃統制⇒3つの非効率(①借家人への非効率なアパートの配分、②アパート探しに要する時間の浪費、③家主がアパートを非効率的に低い質や状態にしておく)
●消費者への非効率的な配分:
アパートの効率的な配分⇒本当にアパートを欲している人(=より高い価格を支払っても良いと思っている)がアパートを得て、そうでない人は見つけることができない。
but
家賃統制⇒人々は通常偶然や個人的コネのおかげでアパートを得る⇒数少ない利用可能なアパートの消費者への非効率的な配分。
上限価格規制はしばしば消費者への非効率な配分という非効率性をもたらす。これは、その財を非常に欲していて高い価格を支払う意欲のある人がそれを得られず、その財に比較的低い関心しかなく、低い価格を支払う意欲しかない人がそれを得る、というもの。
●資源の浪費:
家賃統制⇒リー一家は何か月もの間をすべてアパート探しのために使う⇒失われた機会を作り出す。
アパートの市場が自由に機能⇒均衡家賃1000ドルですぐにアパートを見つけることができる。
一般的に、上限価格規制は資源の浪費という非効率性をもたらす。これは、上限規制で生じる供給不足に対処するため、お金と労力が費やされるというもの。
●非効率に低い品質:
上限価格規制が非効率に低い品質という非効率性をもたらすことがよくある。
これは、たとえ買い手が高価格で高品質の財を好んだとしても、売り手は低価格で低品質の財を提供する。
●ブラック・マーケット:
ブラック・マーケットは、財やサービスが非合法に売買される市場。
その財を売ること自体が非合法な場合もあるし、付けられた価格が上限価格規制で法的に禁じられている場合もある。
この場合、違法な行為が、正直たらんとしている人の立場をより悪くしてしまう。
■価格統制がニューヨークで続いている理由。
①一部の人には便益をもたらす(=ごく少数の借家人は統制のない市場で同じ住居を得るときの価格に比べるとはるかに安く住居の提供を受けている。)
②買い手は統制がない場合に何が起きるかがわからない。
③政府の役人が供給と需要の分析を理解しないことが多い。
◆下限価格規制
ex.最低賃金。
最低賃金が均衡賃金率の上にあるとき、働きたいと思う人々、すなわち売り手である労働者のなかに、買い手すなわち彼らに仕事を与えたいと思う雇用を見つけることができない人が出る。
■下限価格規制による非効率
●売り手間での販売機会の非効率的な配分:
下限価格規制は売り手間での販売機会の非効率な配分をもたらす。
つまり、最も低い価格で財を売ろうとしている人が、実際にそれを売る人になるとは限らない。
●資源の浪費:
最低賃金の下で長期間にわたり職を探したり、職を得るための行列に並んだりする人々は、上限価格規制の下でアパートを探す不運な家族と同じような役割を演じている。
●非効率に高い品質:
下限価格規制が、非効率的に高い品質という非効率性をもたらすことがよくある。
たとえ買い手が低価格で低品質の財を好んだとしても、売り手は高価格で高品質の財を提供。
大西洋路線の航空運賃が国際協定により人為的に高く設定⇒航空会社は乗客に低い価格を提供して競争することを禁止された⇒ほとんど食べ残される無駄な機内食といった豪華なサービスを提供。
1970年代のアメリカ航空会社の規制緩和⇒小さな座席と低い食事といった機内サービスの質の低下を伴う航空券価格の大幅な下落⇒航空会社の利用者数は規制緩和以来、数百パーセントに増加。
●非合法活動:
高い最低賃金⇒就業に絶望的な労働者は、雇用主との間で帳簿外の労働に同意するか、政府の検査官に賄賂を送る。
■なぜ下限価格規制があるのか
下限価格規制を課す理由:
役人がモデルを理解していない。
上限価格規制が影響力を持つ一部の買い手に便益をもたらすという理由で課されるように、下限価格規制はしばしば影響力を持つ一部の売り手に便益をもたらすという理由で課される
南ヨーロッパの「やみ市場」:
ヨーロッパの下限価格規制⇒高い失業率。
スペインでは、国が報告する失業者の約3分の1はやみ労働市場にいると推計。
イタリアの労働規制は、15人以上の労働者を抱える企業のみに適用される⇒高い賃金と各種の給付の支払い義務を避けるため、小企業のままとどまっている⇒イタリアのいくつかの産業では、零細企業が驚くほど急激に増加。
イタリアで最も成功している産業の1つである毛織物の加工業はプラント地区に集中しているが、その地区の平均的な織物企業は4人しか労働者を雇っていない。
大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))
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