労働

2019年1月 9日 (水)

団体交渉拒否の不当労働行為に当たるとされた事案

東京地裁H30.1.29      
 
<事案>
学園側出席者は、組合側出席者に対し、団交③において、㋐組合側出席者の人数が7名以内でなければ団体交渉の議題に入ることができない旨を述べ、㋑最終的にその場から退席。
 
Z(Y(国)の補助参加人)は、東京都労働委員会に対し、X(学校法人)が労組法7条2号の規定に違反した旨の申立て⇒都労委は、Xの対応が同号に規定する不当労働行為に当たるとして、Xに対し救済命令を発した⇒Xは、Yに対し、前記救済命令を不服として再審査の申立て⇒Yは当該申立てを棄却する旨の命令
⇒Xが、前記命令の取消しを求めた事案 
 
<規定>
労組法 第7条(不当労働行為)

二 使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと。

<解説>
●労組法7条は、使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと(同条2号)を使用者による不当労働行為として禁じている。

かかる正当な理由のない団体交渉拒否については、交渉の日時、場所、時間、人数等に関する正当でない理由を主張しての交渉拒否がこれに当たり得る。(菅野)

使用者が負うべき団体交渉義務の基本的な内容として、使用者には労働者の代表者と誠実に交渉に当たる義務がある。(菅野)

団体交渉への出席者の人数に関しては、団体交渉における交渉担当者としての組合代表者を何名にするかは労使双方が協議して決めるのが望ましいが、意見の一致をみない場合には、組合自身の決定に任せるほかはない旨の指摘。

●本判決:
Xの前記㋐の対応については、
Xが組合側出席者の人数を7名以内とするように求めることが相当であると認められるものであるといった特段の事情がない限り、Zがこれを応諾しなかったことを理由に団体交渉の議題に入らないとの態度をとることは許されない。
そのような特段の事情があるとは認められない本件においては、Xは、前記誠実交渉義務の内容として、Zから前記条件を付す理由等について尋ねられた場合にはこれに誠実に回答すべき義務を負っていたとした上、
X、Z双方の対応の合理性等を検討し、
Xに誠実交渉義務違反があったと認めた。

Xの前記㋑の対応について、
団交③におけるZ側の言動にも一定の非があったことを認めた上で、
前記言動がされるに至った経緯、理由や前記言動の程度、態様を検討し、この中で、前記言動がXの合理性のない態度への抗議として行われたものであることや、Xの態度が改善されれば前記言動も改善されたであろう可能性を考慮し、
これらを踏まえ、
Xの団交③における対応を全体としてみれば、Xが正当な理由なく団体交渉を拒否したものと判断したものと理解される。

判例時報2385

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2018年12月30日 (日)

元厚労省の一部局であった国立研究開発法人と独立行政法人間の人事異動命令の違法性が争われた事案

大阪地裁H30.3.7      
 
<事案>
被告は厚労省の一部局が独立行政法人化され、その後に国立研究開発法人となった法人であり、
訴外A機構は、同じく厚労省の一部局が独立行政法人化されて設立された法人。
本件当時、被告もA機構も非公務員型の国立研究開発法人ないしは独立行政法人。

原告は、国家公務員として採用され、厚生事務官として、A機構の前身にあたる組織で働いていたが、A機構の独立行政法人化に伴ってA機構の職員となり、その後、被告で就労。
被告での就労はA機構kの指示によるものであったが、原告が被告で就労するに際しては、A機構では退職手続が、被告では採用手続がそれぞれ取られている。

被告は、原告に対し、A機構への人事異動命令に応じず、被告は、人事異動命令違反を理由として、原告を懲戒解雇⇒雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認やそれを前提とした賃金と賞与の支払を請求
 
<争点>
①被告からA機構への人事異動には、原告の同意が必要か
②被告からA機構への人事異動命令は、人事に関する権利を濫用したものといえるか
③本件の人事異動命令の拒否を理由とする懲戒解雇が懲戒処分として重きに失するといえるか 
 
<主張>
被告からA機構への人事異動はいわゆる転籍出向にあたる⇒原告の同意が必要原告が同意せず、人事異動に応じなかったことは懲戒事由にはあたらない
②仮に原告の同意が不要であるとしても、人事権の濫用として許されない
③仮に人事権の濫用にあたらないとしても、懲戒解雇は懲戒処分として重きに失し無効
 
<判断>
争点①について原告の主張を認めた。
念のためとして、争点②③についても判断し、いずれも原告の主張を認め、請求を認容。
 
<解説> 
●争点①について:
いわゆる転籍出向は、労働者の個別の同意が必要。(通説) 

●争点②について:
労契法 第14条(出向) 
使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。

判例:
配転命令について、配転命令権を有する使用者が、業務上の必要性に基づいて発した配転命令でも、労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるなど特段の事情がある場合は、当該配転命令は、権利の濫用として無効。(最高裁昭和61.7.14)

出向命令が権利の濫用として無効となるかどうかという点についても、同様の観点で判断されよう。

本件:
①原告の配偶者が、重篤な精神疾患を有し、主治医もわずかな環境変化でも症状の悪化に寄与しやすいので、転勤や部署異動も極力避けることが望ましい旨の判断
②原告が不当な理由でA機構への異動を拒んでいるとは認められない
③A機構への異動は、ジョブローテンションの一環であって、高度な必要性があるとまでは言い難い

本件人事異動は人事権の濫用にあたる。

本件では、A機構の方が通勤に便利であり、異動は、客観的にみれば原告の通勤負担を軽減させる側面があった。
本件は、人事異動という環境変化そのものを労働者の不利益と捉えたもので、やや特殊な事例。
 
●争点③について:
労契法 第15条(懲戒)
使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

仮に、本件の人事異動が人事権を濫用したものといえなかったとしても、
①原告には、配偶者の精神疾患という人事異動に応じ難い理由があった
②原告が人事異動に応じることができな理由を再三にわたって説明している
③被告やA機構において、において、原告が人事異動に応じなければ著しい支障があるとまでは認め難い

人事異動に応じなかったことを理由とする懲戒解雇は、懲戒処分として重きに失するから無効。

判例時報2384

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2018年12月29日 (土)

私立大学准教授による他人の論文の盗用⇒懲戒解任(有効)

東京地裁H30.1.16      
 
<事案>
Xは、平成12年4月に学校法人Yと雇用契約を締結してその設置する私立大学であるY大学の選任講師に就任。 その後A論文で助教授(准教授)に昇任、その後B論文を発表。

平成26年に外部から告発⇒C学部内で設置された調査委員会で調査で盗用を判断⇒①調査委員会の調査報告、②本件学術院の臨時教授会により設置された査問委員会による査問報告、③教授会の決議⇒平成26年11月21日、Xを懲戒解任。

Xは、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、判決確定日の翌日以降の将来分を含めた雇用契約に基づく賃金及び賞与の支払を求めて本件訴訟を提起。
 
<判断>
①Xが、未刊行の原著論文及びそれらに基づいて公刊された論文の著者に了承等を得ることのないまま、原著論文を実際に書き写すという態様でもってこれに依拠し、
②内容及び形式のいずれにおいても同じく原著論文に依拠した公刊論文を再製したものというべき論文(A論文、B論文)を作成したにもかかわらず、
③それら原著論文に関する言及を一切しない、あるいは複数ある参照文献の1つとして紹介するにとどめるのみで、自身の論文が原著論文の紹介を目的とした論文であることを示すこともなく
かえってX自身の研究成果であることを示唆するなどした
⇒A論文及びB論文はいずれも海外の研究者の著作に係る原著論文をXが故意に盗用して執筆したもの。 

①研究活動の本質、研究者として保持すべき最低限の資質、学校教育法上の大学の目的等に言及した上で、
②Xが行った論文盗用行為は、他者の研究成果を踏みにじるとともに、自らの研究業績をねつ造するものであって、研究者としての基本的姿勢にもとる行為に当たり、研究者としての資質に疑問を抱かせるもので悪質性は顕著
③Xによる論文盗用行為については、研究者としてのX個人のみならず、Xが所属するY大学や本件学術院に対する社会的な信頼も毀損されたことは明らか

懲戒事由該当性を肯定

同行為から本件懲戒解任まで相当長期間(11条及び13条)が経過していることが当然にその非違行為としての評価に大きな影響を及ぼすものとはいえない。

平等原則違反や手続違背があったとはいえない。

本件懲戒解任は懲戒処分ついての相当性を欠くとは認められない
 
<解説>
懲戒解雇については、①就業規則に懲戒規定があるかどうか、②懲戒事由に該当するか、③懲戒権の濫用に当たらないかが問題。 

使用者による懲戒権行使の時期につき、我が国の法制上において特段の期間制限は存在しない⇒懲戒事由発生後相当長期間が経過した後に行われた懲戒解雇の効力については、懲戒権行使に係る濫用の法理の枠組みの中で検討

従業員が職場で上司に対する暴行事件を起こしたことなどが就業規則所定の懲戒解雇に該当するとして暴行事件から7年以上経過した後にされた諭旨退職処分が権利の濫用として無効とされた事例(最高裁H18.10.6)。

判例時報2384

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2018年12月18日 (火)

有期契約労働者についての労働契約法20条違反が問題となった事案

松山地裁H30.4.24      
 
<事案>
各被告(グループ会社)と有期労働契約を締結し、同一施設内の工場においてトラクター等の農業機械の製造に係るライン業務を担っている各原告らが、同じ製造ラインに配属された無期契約労働者との労働条件の相違が労契法20条に違反すると主張

無期契約労働者に関する就業規則等の規定が適用される労働契約上の地位にあることの確認を求めたほか、
労働契約に基づく賃金請求(主位的請求)及び
不法行為に基づく損害賠償請求(予備的請求。ただし、厳密には、平成27年5月以降支給分については、不法行為に基づく損害賠償のみ請求している。)
をした。 
 
<規定>
労働契約法 第20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)
有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない
 
<判断> 
●労契法20条は、考慮要素として、 「労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情」を挙げているところ、

「職務の内容」については、各原告らと比較対象となる無期契約労働者との業務の内容に大きな相違があるとはいえず、

業務に伴う責任の程度
「相違していると認めることはできない」(①事件)
「一定程度相違している」(②事件)
とした。

「職務の内容及び配置の変更の範囲」については、
各被告では、無期契約労働者のみ「組長」(現場で部屋の始期をしながら自らも作業に携わる者)に就くことができ、無期契約労働者は、将来、被告における重要な役割を担うことが期待されて、教育訓練と勤務経験を積みながら育成されている
⇒人材活用の仕組みに基づく相違がある。

「その他の事情」
については、
中途採用制度により、無期契約労働者と有期契約労働者の地位が、
「ある程度流動的である」(①事件)又は
「必ずしも固定的でない」(②事件)
ことを挙げた。
 
●両事件とも、賞与については、
各原告らに賞与と同様の性質を有する「寸志」(無期契約労働者の賞与よろりも低額なもの)が支給されている

各原告らの無期契約労働者の相違が不合理なものであるとまでは認められない。

後記各手当を支給しないこと労契法20条に違反し、各原告らに対する不法行為を構成する
当該各手当相当額の不法行為に基づく損害賠償請求を認容した。

①①事件では、物価手当について、労働者の職務内容等とは無関係に、労働者の年齢に応じて支給されているものの、年齢上昇に応じた生活費の増大は有期契約労働者であっても無機契約労働者であっても変わりはない。
②②事件では、家族手当について、生活補助的な性質を有しており、労働者の職務内容等とは無関係に、扶養家族の有無、属性及び人数に着目して支給されているが、配偶者及び扶養家族がいることにより生活費が増加することは有期契約労働者であっても変わりがない。
住宅手当においては、住宅費用の負担の度合いに応じて対象者を類型化してその者の費用負担を補助する趣旨であるが、有期契約労働者であっても、住宅費用を負担する場合があることに変わりはない。
精勤手当には、少なくとも、月給者に比べて月給日給者の方が欠勤日数の影響で基本給が変動して収入が不安定であるため、かかる状態を軽減する趣旨が含まれる。
but有期契約労働者は、時給制であり、欠勤等の時間については、一時間当たりの賃金額に欠勤等の合計時間数を乗じた額を差し引くものとされ、欠勤日数の影響で基本給が変動し収入が不安定となる点は月給日給者と変わりはない。
 
<解説> 
労基法20条の解釈については、最高裁H30.6.1の①ハマキョウレックス事件と②長澤運輸事件。 
同条に挙げられた考慮要素のうち「その他の事情」については、最高裁②事件において、「職務の内容」や「職務の内容」に関連する事情に限定されるものではないと判断されているところ、大阪地裁H30.2.21においても、本件と同様に、正社員登用制度が存在し、正社員と期間雇用社員の地位が必ずしも固定的なものでないことが「その他の事情」として挙げられている。
 
賞与について「有為な人材の獲得のため」といった理由のみで賞与の支給における相違が是認されているわけではない。 

最高裁①事件では、契約社員については就業場所の変更が予定されていないのに対し、正社員については、転居を伴う配転が予定されているため、契約社員と比較して住宅に要する費用が多額ななり得るとして、契約社員に住宅手当を支給しないことが不合理であると評価することはできないとされている。

判例時報2383

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2018年12月17日 (月)

放送受信契約の取次等の行う日本放送協会からの受託者の労組法上の労働者性(肯定)

東京高裁H30.1.25      
 
<事案>
X(日本放送協会)が、Xとの業務委託契約に基づいて放送受信者との放送受信契約の取次等の業務を行う地域スタッフにより結成された団体Z(Y補助参加人)から団体交渉(団交)を申し入れらられたものの、その労働組合性を否定してそれに応じなかった⇒Zの申立てを受けた大阪府労働委員会から団交拒否は不当労働行為に当たるとされ、中央労働委員会に対する再審査申立ても棄却同委員会の属するY(国)に対し再審査棄却命令の取消しを求めた。 
 
<争点>
地域スタッフが労組法上の労働者に当たるか
団交拒否の正当理由の有無 
 
<判断>
労組法上の労働者は、労働契約によって労務を提供する者のみならず、これに準じて使用者との交渉上の対等性を確保するための労組上の保護を及ぼすことが必要かつ適切と認められる者も含む

スタッフは、
①Xの事業収入の大部分を占める受信料の取次等への貢献度が高く、事業組織に組み込まれ、その契約条件はXにおいて一方的に決定しており、
②報酬は基本給的な部分や歩合給的なものがあって一定の労務対価性を有し
③個別労務の提供についての具体的な拘束はないものの、Xにおいて営業職員に対するものと類似するある程度強い指揮監督を行っており、
再委託や兼業が現実には難しいことなど顕著な事業者性は認められない

Xとの交渉上の対等性を確保するために、労組法の保護を及ぼすことが必要かつ適切
団交拒否の正当理由も認められない。
 
<解説> 
労働者性の概念について、労契法や労基法と、失業者等も当然にその対象に含む労組法とではその範囲が異なり、後者の方がより広いものと解するのが通説。 

その具体的な判断に当たっては、業務実態に即し、
①その者が当該企業の事業遂行に不可欠な労働者として企業組織に組み込まれているか、
契約内容が一方的に決定されているか
報酬が労務の対価としての性質を有するか
④業務の発注に対し諾否の自由がないか
業務遂行の日時、場所、方法などにつき指揮監督等を受けるかどうか
などの積極的要素と、

⑥その者に顕著な事業者性が認められるかの消極的要素を総合考慮するとするものが多い。

本件地域スタッフの業務は、担当区域内の受信者を訪問して放送受信契約の取次等を行うものであって、
稼働日・稼働時間・訪問場所・順序等は地域スタッフに委ねられているなど、業務遂行上の具体的指示はなく、時間的・場所的拘束が緩やかな場合(④⑤の要素)。

判例時報2383

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2018年11月28日 (水)

過重労働の立証の事例

大阪地裁H30.3.1      
 
<事案>
Xの息子であるAは、Y1において調理師として勤務
Y1のc店で平成20年5月から同年8月まで店長として勤務し、同月にb店へ異動した後、同年9月にうつ病を発症して同年12月に休職し、平成21年4月に自殺。 
Xは、Yらが、Aを長時間労働等に従事させたことはAに対する安全配慮義務等に違反し、Aをうつ病にり患させて自殺に至らしめた
⇒Y1及び出向先であるY2に対しては雇用契約上の安全配慮義務違反に基づき、Y3、Y4及びY5に対してはY1又はY2の代表取締役又は取締役としての善管注意義務違反に基づき、損害賠償金の支払を求めた。
 
Y:Aが過重な労働に従事した事実はなく、Aの自殺の原因はアルコール依存による脆弱性や失恋であるなどとして争った。 

Xは、本件に関し、国に対し労災認定を求める訴訟を提起
同訴訟は大阪地裁及び大阪高裁において請求を棄却する旨の判決
 
<判断> 
●Aの勤務時間等についてタイムカード等の客観的記録なし。
Aが受診していた医師の診療録に、Aが3か月間休みなく働いた旨の記載
Y3、Y4及びY5が、Aの親族によるAが3か月間休みなく働いた旨の発言を否定しなかった
Aの同僚であるBらが、Aから3か月間休みがない旨聞いていた旨発言
Aのc店での同僚Cが、Aが3か月間休んでいなかった旨発言

その内容が一致することや利害関係がない医師や虚偽を述べる動機がない者の発言

これらの信用性を否定し、又はこれらと矛盾する有力な証拠がない限り、Aが3か月間休みなく働いた旨の事実を認めるに足りる証拠。

Yらが提出した勤務シフト表や勤務時間表
ほとんどの部分で客観的な裏付けがなく、信用することができない
⇒その一部を除いて退けた。

Aが休みを取っていた旨のB及びCを含む同僚らの労基署に対する証言

Aが休みを取っていいなかった旨発言していたB及びCが証言を変遷させた理由について合理的説明がない
口裏合わせがあった可能性が否定できない
⇒排斥。
Aが82日間にわたり連続して勤務したと認定
 
●Aの勤務時間について、
Aと交代で業務に就くことになっていたCの勤務開始時間等を基に認定。
休憩時間については 口裏合わせをした可能性のある同僚の証言は信用できない
⇒Cの④の際での発言や、Yらに有利な証言をしていない同僚の発言を基に認定。
 
●労災の業務起因性の基準を参考に、
①Aが、82日間の連続勤務をしたこと
②3か月間連続で100時間以上の時間外労働の従事したこと

他にうつ病を発症する原因がうかがわれなければ、過重労働によりうつ病を発症し、自殺するに至ったと認められる。 

Yらが自殺の原因として主張する失恋やアルコール依存による脆弱性は認めるに足りる証拠がないとして排斥。
⇒Aのc店における業務と自殺との間の相当因果関係を肯定。


Aを雇用していたY1並びにその役員であるY3及びY5は、Aが健康を損なうことのないように労働時間の管理等を行う安全配慮義務に違反
⇒Aの自殺についての責任を認め、Xの請求の一部を認容。 
   
<解説>
労働時価についてタイムカード等の客観的な記録による管理がされていなかった場合、労働時間を管理する義務を負う使用者労働時間についての積極否認や反証を行うことが求められる
but
立証責任は一般に労働者側に課せられる
⇒労働者側は厳しい状況に置かれることになる。

本件は、Aが受診した医師、Aの同僚及び役員の発言等を踏まえ、Aの休日の有無、勤務時間及び休憩時間を認定し、使用者側であるYらの提出した証拠の信用性を排斥

判例時報2382

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2018年11月13日 (火)

出産のため休業中の女性労働者が、退職扱いされた事案。

東京地裁H29.12.22      
 
<事案>
出産のための休業中であった女性労働者Xが、使用者Yから退職扱いされて育児休業の取得を妨げられた
労働契約又は不法行為に基づき労働契約上の権利を有する地位の確認及び毎月の賃金(一部の機関につき予備的に雇用保険法61条の4所定の育児休業給付金相当額の損害賠償)慰謝料等の支払を求めた事案。 
退職扱いされる直前の賞与不支給についても、賞与又はこれに代わる慰謝料が請求。
 
<争点>
①XからYに対する退職の意思表示の有無
②毎月の賃金又は損害賠償の請求が認容される範囲
③賞与又はこれに代わる慰謝料請求の可否 
 
<規定>
雇用機会均等法 第9条(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)
3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
 
<判断・解説>
●争点①(退職の意思表示)
退職の意思表示は、その重要性に鑑みて、その認定に慎重を期すべきことが指摘されている。

本判決:
詳細な事実認定⇒Xからの退職の意思表示の事実を否定

雇用均等法9条3項等によって、妊娠、出産、これらに伴う休業等を理由とする不利益な扱いが禁止されており、この「不利益な取扱い」には、労働者の真意に基づかない勧奨退職を含む退職の強要も含まれている
⇒退職の意思表示及びそれが労働者の真意(自由な意思)に基づくことの認定に慎重を期すべき
ことも指摘。

最高裁H26.10.23:
妊娠中の軽易業務転換を契機とする降格につき、労働者の承諾があっても、その承諾が「自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき」でなければ強行規定である雇用均等法9条3項の禁止する不利益取扱いに該当し、違法・無効
 
●争点②(毎月の賃金又は損害賠償の請求が認容される範囲) 
使用者が解雇、退職などを主張して労働者からの労務提供の受領を拒んでいても、労働者に労務提供の意思及び能力が存しないときは、債権者(使用者)の責めに帰すべき履行不能(民法536条2項本文)に当たるとはいえない。(菅野p409)

Xが退職扱いされた当時産後休業中で、引き続き育児休業取得を予定しており、訴訟係属中に新たな子を妊娠・出産

Xに労務提供の意思及び能力が存する期間を認定して、その期間につき毎月の賃金の請求を認容

他方で、Yに、Xを退職扱いし、育児休業給付金の受給を妨げた不法行為の成立を認め、育児休業取得予定であったため賃金支払請求を退けた期間につき、育児休業給付金相当額の損害賠償をj認定

精神的損害による慰藉料も認定。

慰謝料の算定において、Yの訴訟係属中の解散で判決確定後も紛争が継続し、Xが別訴の提起を強いられると見込まれることも考慮。
but
本件では、解散が損害賠償責任の原因事実と主張されているわけではなく、本判決での考慮も、不法行為の後の慰謝料算定に関する事情としての限定的なものにとどまっている。
使用者である法人の解散は、違法な目的(労働組合壊滅等)、事業承継などの事情によっては、法人格の否認や雇用の承継に加えて、損害賠償責任の原因事実ともなりえる。(菅野p715,718)
 
●争点③(賞与又はこれに代わる慰謝料請求の可否) 
賞与制度で賞与の決定が使用者の査定に委ねられているときは、査定が具体的な賞与請求権の発生要件となる(最高裁H27.3.5)。
but
正当な理由なく査定をしなかったり、査定が強行法規に違反したりするときは別途不法行為が成立する。 

本判決:
賞与請求権の発生要件具備は否定
but
さらに期待権侵害の不法行為の成否を検討し、Yの査定の違法性を認め、慰謝料等の請求を認容

Yの査定が休業による不就労分を超える不支給であると認定し、違法な不利益取扱いであると判断

年次有給休暇(年休)取得に対する不利益措置につき、
最高裁H5.6.25は、
諸般の事情を総合して公序に反するときに違法・無効になる。

最高裁H4.2.18では、使用者は年休の取得日の属する期間に対応する賞与の計算上この日を欠勤として扱うことはできない旨が判示。

本判決:Yの不支給の査定が年休取得も理由とし、公序に反する旨を判断。

判例時報2380

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2018年10月 5日 (金)

従業員の自殺について、業務起因性を認定し、勤務先会社の損害賠償責任が認められた事例

名古屋高裁H29.11.30    
 
<事案>
Aが、被控訴人Y2及びY3からいじめ等を受け、かつ、被控訴人Y1(勤務先)は、前記事態を放置した上、十分な引継をすることなくAの配置転換をして、過重な業務を担当させた結果、Aが強い心理的負荷を受けてうつ状態に陥り自殺

Aの両親である控訴人Xらが、
被控訴人Y2及び被控訴人Y3に対しては、不法行為に基づき、
被控訴人Y1に対しては、債務不履行(安全配慮義務違反)又は不法行為に基づき、
損害賠償金の支払を求めた。

労働者災害補償保険において、平成25年12月、Aの死亡について業務起因性を認定。
 
<原審>
Aは仕事上の入力ミスなどが比較的多かったが、
被控訴人Y3が、平成23年9月移行、Aに対して、仕事上のミスがあると、厳しい口調でかつ頻繁にわたり叱責し、
営業事務に配置転換となった以降も、ミスがある毎に、Aを呼び出して、被控訴人Y2と一緒に同様に叱責していたことは、
業務上の注意や指導の範囲を超えて、Aに精神的苦痛を与えるもので、
不法行為に該当
する。

被控訴人Y2は、Aの前記配置転換後の業務遂行状況を踏まえて、Aに対する適宜の支援を行うべき職責を負っていたが、これを怠ったほか、
配置転換後のAに対する叱責行為は、不法行為に該当する

被控訴人Y2及びY3の前記各不法行為及び配置転換後の業務の負担と、
Aの自殺との相当因果関係:
①Aがうつ病を発症していたとは認められず、
②前記配置転換後の業務負担がAの心身の健康の喪失に繋がるようなものでなく、業務外の原因が影響した可能性もある
⇒否定

Aの損害について、165万円の限度で認容。
 
<判断>
Y3の責任については、原審と同様。

Y2の責任について、
Aに対する叱責行為は原審判決と同様に不法行為になる。
Aに対する適宜の支援を行うべき義務を怠った点については、
従業員の業務分配の決定権は、上司であるB(取締役)にある
⇒この点はBの注意義務違反。

Aは、被控訴Y2及びY3から厳しい叱責を受け、かつ、Bが叱責を制止せず、本件配置転換後のAの業務内容や業務分配の見直しが必要であったのはこれを検討しなかったことにより、Aが受けた心理的負荷の程度は、全体として強いものであったと認められ、客観的に見てうつ病を発症させる程度のものと評価することができる

Aは遅くとも平成24年6月中旬には、うつ病を発症していたと認められ、これらの不法行為とAの自殺との間には、相当因果関係がある

Y2及びY3の各不法行為については、それのみでうつ病を発症させる程度のものと評価することはできず、Aの自殺との間の相当因果関係は認めなかった

Aの損害については、
被控訴人Y1(勤務先)の不法行為について、控訴人Xら固有の損害を含めて約5574万円を認め
被控訴人Y2及びY3の不法行為については、限定的な範囲で認めた
 
<解説>
使用者は、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないように注意する義務を負う。’(最高裁H12.3.24) 

●不法行為とAの自殺との相当因果関係の判断
原審判決:
①配置転換直前からの時間外労働時間が月約50時間から67時間程度であってそれほど長時間とはいえない
②周囲の従業員らでAが精神障害に関連する症状を発症していると感じた者がいなかった
③家庭生活においても明らかな異常は見られず、精神障害に関連する受診歴がなく
④配置転換後も趣味に関するツイートがある
⑤異性との交際問題が自殺に影響した可能性もある

Aがうつ病を発症したとは認めなかった

本判決:
時間外労働時間が配置転換前と比較して明らかに増加傾向にある
身なりにかまわなくなったこと、③食慾が減退し、趣味に関するツイート数が大幅に減少し、被控訴人Y2及びY3から叱責されて落ち込んでいた

Aが受けた心理的負荷の程度は、全体として強いものであったと認められ、中等症うつ病エピソードの患者と診断できる状態にある

自殺との相当因果関係を肯定。

判例時報2374

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2018年9月30日 (日)

東日本大震災直後の被災地支援で派遣⇒くも膜下出血で搬送、死亡⇒公務上の死亡(肯定)

大阪高裁H29.12.26      
 
<事案>
大阪府職員の被災地派遣先における死亡が、地方公務員災害補償法(地公災法)所定の公務災害にあたるかどうかが争われた事案。
 
<原審>
2回にわたる派遣の経緯等を認定。
地公災法31条にいう公務上の死亡(同法施行規則別表第1第8号にいう「相当の期間にわたって継続的に行う長時間の業務その他血管病変等を著しく増悪させる業務に従事したために生じた」もの)には当たらない
⇒Xの請求を棄却。
 
<判断>
東日本大震災の被害の甚大さ、
宿泊先ホテルの状況、
被災地における自動車運転の困難性
発症当日午前の頭痛(前駆症状)と服薬
被災地において公務に従事する職員のトラウマティックストレス(惨事ストレス)に関する知見等
を新たに認定。 

本件被災地派遣における運転業務は軽度のものとはいえず、強い精神的緊張を強いられるもの
前記のような体調不良があっても休めるような状況にはなかった
③本件疾病はX(職員の妻)主張の脳出血(脳内出血)ではなくY(地方公務員災害補償基金)主張のくも膜下出血であった

前記業務はくも膜下出血の発症要因となり得る程度の高度の負荷であったというべき
前駆症状が生じた後も前記業務を継続せざるを得なかったこと等によって早期の治療機会を喪失したといえる

本件疾病による死亡は公務上の死亡に当たる

地公災法にいう公務上の災害とは、職員が公務に起因して負傷又は疾病を発症した場合をいい、
公務と疾病等との間に条件関係が存在することのみならず、社会通念上、その疾病等が公務に内在又は随伴する危険が現実化したと認められる関係、すなわち、相当因果関係があることを要する

本件のような脳血管疾患にあっては、当該職員と同程度の年齢・経験等を有し、基礎疾患を有していても通常の職務を支障なく遂行することができる程度の健康状態にある者を基準として、
公務による負荷が、医学的経験則に照らし、客観的に、脳血管疾患の発症の基礎となる病変を、自然的経過を超えて著しく増悪させ得るものと認められる場合に、
当該疾患発症は公務に内在する危険が現実化したものと評価して、
公務起因性を認める
のが相当であり、
Yが援用する認定基準等には法的に拘束されない
 
<解説>
●本判決:
原判決と異なり、認定事実を加えた上で、
公務自体の過重負荷
公務中の治療機会喪失
の両方を認めた。

分岐点は、
①従前と同じ自動車運転業務に従事しており、
②運転時間自体はそれほど長いとはいえず、
③業務終了後の休養中に倒れた
といった点を重視するか、
本件被災地派遣における自動車運転業務の特殊な状況等を重視するか。

●参考判例
支店長付きの運転手が自動車運転の業務中に発症したくも膜下出血が業務上の疾病に当たるとした最高裁H12.7.17

公務として行われたソフトボールの競技に参加した地方公務員の急性心筋こうそくによる死亡が地公災法上の公務上の災害に当たるとした最高裁H6.5.16

心臓疾患を有する地方公務員が公務として行われたバレーボールの試合に出場した際に急性心筋こうそくを発症した場合につき同人の死亡とバレーボールの試合に出場したこととの間の相当因果関係を否定した原審の判断に違法があるとした最高裁H18.3.3

地方公務員(小学校教諭)が午前中に出血を開始した特発性脳内出血により当日午後の公務(児童のポートボールの試合の審判)に従事中に意識不明となってとあれ入院後死亡した場合につき死亡の公務起因性を否定した原審の判断に違法があるとした最高裁H8.3.5

判例時報2373

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2018年9月14日 (金)

労働者の自殺の業務起因性(肯定)

大阪高裁H29.9.29      
 
<事案>
A(当時24歳の男性)は、高速道路の巡回、管制、取締等交通管理業務を行うことを主な事業内容とする本件会社に勤務し巡回等の業務に従事。
平成24年5月25日から26日にかけての本件夜勤に従事した後、同月28日自殺。 
 
<争点>
労働者Aの死亡の業務起因性
①Aが本件自殺の直前頃うつ病を発症したか
②同うつ病は業務に起因して発症したか 
 
<解説>
厚生労働省は、平成23年12月、労働基準監督署長が精神障害の業務起因性を判断するための基準として「心理的負荷による精神障害の認定基準」(「認定基準」)を策定。 
認定基準は、
対象疾病を発病していること
対象疾病の発病前おおむね6カ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
業務以外の心理的負荷及び個体側要因により対象疾病を発病したとは認められないこと
のいずれの要件も満たす対象疾病について、業務上の疾病として取り扱うこととしている。
 
<一審>
出来事②は『嫌がらせ、いじめを受けた場合』に該当するとはいえない。
出来事③、⑦~⑩の各出来事について、それぞれ、客観的にみて精神障害を発症させるに足りる程度に強度の心理的負荷があったとまでは認められない

当該業務と本件疾病(うつ病)発症との間に相当因果関係があると認めることはできない。
 
<判断>
労働者が発症した疾病等について、業務起因性を肯定するためには、業務と前記疾病等との間に相当因果関係のあることが必要であると解されている(最高裁昭和51.11.12)。

本件の事実関係を、因果関係の有無に関する、ルンバール事件等の判例法理の見地に立って総合検討
すると、Aは、本件各出来事による心理的負荷によって、本件自殺の直前頃、うつ病を発症したことを推認することができる。
 
<解説> 
本判決は、うつ病の発症につき業務起因性を判断するに当たって、
「認定基準所定の各認定要件を満たしているかどうかを判断基準として、因果関係の有無を判断する」という判断手法をとるのではなく、
ルンバール事件等の判例法理と同様、
間接事実(因果関係のの有無に関わる間接事実)の総合検討を行って、因果関係の有無の判断
を行った。 

判例時報2372

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