民事

2020年1月13日 (月)

財産分与審判前の夫婦共有財産(建物)の名義人による他方配偶者への明渡請求の事案

札幌地裁H30.7.26    
 
<事案>
原告(元夫)が、被告(元妻)に対し、所有権に基づく建物明渡し及び賃料相当損害金の損害賠償請求を求めた。

被告:
①被告も本件建物の共有持分権を有している、
②原告の請求は権利濫用である
などとして争った。 
 
<規定>
民法 第七六二条(夫婦間における財産の帰属)
夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。
2夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。

民法 第七六八条(財産分与)
協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。
3前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。
 
<判断・解説>
●夫婦共有財産と共有持分権 
◎ 原告の給与等を購入原資として、原告名義で得た財産⇒形式的に見る限り、原告の特有財産(民法762条1項)
but
婚姻後に取得された財産であり、被告も本件建物購入に寄与してきた離婚時の財産分与(民法768条)の対象となる実質的共有財産に当たり、近時のいわゆる2分の1ルールの下では、被告にも、2分の1の分与率が認められる

◎ 被告:
本件建物が実質的共有財産⇒本件建物について共有持分権を有している⇒共有物を単独で占有する他の共有者である被告に対し、当然にはその占有する共有物の明渡しを請求することができない(最高裁昭和41.5.19)と主張。
財産分与手続を経ることなく、共有持分権の確認請求や更正登記手続請求などを認めた裁判例もある。
but
不動産の購入資金自体が共働きの夫婦双方の収入から拠出されており、一方配偶者の単独名義で取得されているが、当初から、夫婦が共同取得した不動産であるとの事実を前提としたもの。
vs.
実質的共有財産であるからといって、財産分与手続を経ることなく、当然に他方配偶者が共有持分権を有しているということはできない。
離婚によって生ずることあるべき財産分与請求権は、1個の私権たる性格を有するものではあるが、協議あるいは審判等によって具体的内容が形成されるまでは、その範囲及び内容が不確定・不明確である」(最高裁昭和55.7.11)
 
●建物明渡請求が権利濫用に当たるか否か 
①本件口頭弁論終結時において、被告による財産分与の申立てが係属中であり、
実質的共有持分権が被告に財産分与される可能性も否定できない状態にあった

本判決:
原告の損害賠償請求を認めて、被告に対して賃料相当損害金の支払を命ずる一方、
原告の建物明渡請求を権利濫用として否定

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被告(東京電力)の従業員とその家族による原発事故に起因する損害賠償請求の事案

福島地裁いわき支部H31.2.19    
 
<事案>
Xらが、Y(東京電力)に対し、平成23年3月11日の福島第一原発事故により被案を余儀なくされた⇒原賠法3条1項に基づき、慰謝料、避難帰宅費用及びこれに対する本件事故の日から支払済みまで民法所定年5%の割合による遅延損害金の支払を求めた。 
 
<争点>
①Xらの被侵害利益(X1がYの従業員、X2らはX1の家族であり、包括的に配転命令を受け入れている点をどのようにみるか。)
②本件事故との相当因果関係が認められる期間と損害額 
 
<判断>
●被侵害利益 
本件事故時におけるXらの居住態様Xらが有する大熊町内での居住継続への期待やこれに伴う社会生活上の便益などは、住居を所有するなどして大熊町内で居住していた者と同程度と認めるのが相当であり、法的保護に値する利益というべき。

XらはYの従業員及びその家族として包括的な配転命令権の行使を許容していた旨のYの主張:
同命令権によりXらには大熊町に居住し、その意思に反して転居させられないことについての法的利益がないものと主張する趣旨
vs.
雇用契約の当事者ではないX2らに対しては、同命令権の行使により一方的に転居を命じられるものではなく
X1についても、本件事故の時点でX1が大熊町からの転居を伴う異動が予定されておらずそのような異動を命ずる業務上の必要性を基礎付ける事情も見当たらない

本件事故の時点で雇用契約に基づいてX1が大熊町からの転居を伴う異動をする可能性が現実化していたとはいえず、Yの主張は採用できない。
 
●本件事故との相当因果関係が認められる期間と損害額 
◎ 本件配置転換や埼玉県内に自宅を建築して居住を開始したといった事情は、本件事故とXらが大熊町内に居住できなかったこととの相当因果関係を否定する事情には当たらない
Xらが本件事故の発生から平成29年5月31日までの間大熊町に居住できず、前記の居住への期待、利益が侵害されたことと本件事故との間には相当因果関係が認められる

Xらが主張する慰謝料は、本件事故の発生によって住み慣れた地から避難することを余儀なくされ、日常生活が著しく阻害されたことによる精神的損害を原因とするものであり、
かかる精神的損害は、実際の避難の有無や避難終了時期を問わず、本件事故発生時に一定の内容として生じると解される。

①Xらは、大熊町を生活の本拠としていた者と同様の生活を営むに至っていたところ、本件事故によって住み慣れた地から避難を余儀なくされるなど日常生活阻害の程度は重大
中間指針における帰還困難区域に居住していた者に対する精神的損害の金銭評価

本件事故によってXらに生じた精神的損害の額は、1人当たり1450万円を下らないと認めるのが相当。 
 
<解説>
福島地裁H27.9.15:
Yの従業員であり、本件事故当時、大熊町に居住していた者が本件事故のため避難を余儀なくされるなどしたと主張して、Yに対し原賠法に基づく損害賠償請求をした事案について、
被告の業務命令に基づき勤務地を変更することも予定されており、上記のとおり東京都内や茨城県内に勤務したこともあった
⇒原告が、福島第一原発での勤務を継続し、長期間にわたって大熊町に居住し続けることを期待していたとしても、それ自体は事実上の期待であったといえる。

被告は、福島第一原発を設置、運転していた原子力事業者であり、本件事故発生を受けて、その収束のため、従業員の勤務内容や勤務地を大幅に変更することはやむを得ないことといえる
⇒被告の従業員であった原告に対する勤務地変更の業務命令も、やむを得ないものであったといえ、原告の上記の期待そのものが直ちに法的に保護されるものとはいえない。

避難慰謝料について前記の中間指針等より大幅に低い金額しか認めていない。 
判例時報2423

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2020年1月11日 (土)

交通規制中に交通事故で死亡した警備員を雇用していた警備会社による営業損害の賠償請求

京都地裁H31.3.26    
 
<請求>
本件事故現場での警備業務の提供等が不可能になり、得られるはずの利益を失ったと主張⇒
大型貨物自動車の運転手(被告運転手)に対しては不法行為責任に基づき、
同運転手を雇用している会社に対しては使用者責任に基づき、
営業損害の賠償を求めた。 
 
<判断>
● 本件は、企業が請負業務の履行中に、雇用していた従業員と保有していた車両に対して、それらを進路前方に認識しながら制動措置を講じられなかった自動車が衝突してきたという事案⇒被告らが主張する企業損害と事例とは事案と異にする。 
● 従業員と保有車両を侵害されることで請負契約の履行自体に関しても侵害を受けた企業が、加害者に対して、当該請負業務の停止に伴う事業損害を請求⇒当該請負業務の停止に伴う原告の2か月間の営業損害については、被告らには損害賠償義務がある。

被告運転者は、高速道路の規制がされていることを認識し、その作業車両に対し、大型のトラックをもって時速約90ないし100キロメートルの高速で衝突
原告の作業車両に乗るなどしてた作業員5名が死傷し、原告の作業車両が損傷するとの結果は十分に予測可能であり、その結果、本件事故現場での工事ないし高速道路警備業務が2か月内にわたって中断されることは予見可能であった。

中断期間における高速道路警備業者の利益喪失は、本件事故と相当因果関係のある損害であり、その額は500万円。
2か月を超える期間の本件事故現場での利益喪失や、本件事故との間で相当因果関係は認められない
 
<解説>  
従業員が交通事故で業務に従事できなくなり、企業に事実上の損害が生じたとしても、そのような損害は交通事故の加害者にとって一般に予見可能ではなく、間接損害としての企業損害は認められない(最高裁昭和54.12.13)。 

例外的に、間接被害者であっても損害賠償請求が認められる事例として、
会社がいわゆる個人会社であり代表者に会社の機関としての代替性がなく両者が経済的に一体をなす関係がある場合において、交通事故により会社代表者を負傷させた加害者が会社に対し損害を賠償する責任がある(最高裁昭和43.11.15)。

現在の交通事故損害賠償実務においては、個人営業の会社とはいえない一定の規模以上の会社において、積極損害、消極損害を問わず、原則として企業の間接損害が認められることはないと捉えられている。
 
● 他方で、営業中の企業の店舗に車両が衝突し、店舗が営業休止に追い込まれた場合の休止期間の営業補償などは、営業休止に相当因果関係があるのであれば、これは損害賠償の対象になる。 

判例時報2423

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2020年1月 9日 (木)

ツイッター上の投稿に関し、IPアドレスの情報につき、「権利の侵害に係る発信者情報」に当たらないとされた事例

東京高裁H31.1.23    
 
<事案>
芸能活動を行う女子高生であるXが、氏名不詳者によりされたツイッター上における特定のアカウント(「本件アカウント」)からの複数の記事の投稿により、名誉等を侵害されたと主張⇒経由プロバイダであるYに対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、発信者情報の開示を求めた。 
本件アカウントは、遅くとも平成29年8月17日頃に開設。
 
<判断>
本件ログインに係る情報は、法4条1項に規定する「権利の侵害に係る発信者情報」に当たらないとした。 

ログインが1つしかないなど、当該ログインを行ったユーザーがログアウトするまでの間に当該投稿をしたと認定できるような場合⇒当該ログインに係る情報を発信者情報と解することができ、法の趣旨によれば、そのようなログインにかかる情報も、法4条1項に規定する「権利の侵害に係る発信者情報」に当たり得る。
but
①本件アカウントの名称は「〇〇応援隊」という複数のユーザーにより共有されていることと矛盾しない。
②少なくとも7件の投稿が行われているが、本件各記事が投稿された前後にどのような投稿がされていたかは証拠上明らかでない
③本件アカウントには、平成29年8月17日以降、本件各記事の投稿がされるまでに11回のログインがあり、そのうち7回は、Y以外のプロバイダを経由してされている。
④③のいずれのログインについても対応するログアウトの日時は明らかではなく、ツイッターでは・・長時間投稿をせずにログイン状態が継続していることも想定される⇒本件ログインより以前になされたログインによって、本件各記事の投稿が行われた可能性も十分ある。
⑤・・・ログインと投稿の連続性を認められるほど時間的近接性がなく・・・必ずしも本件各記事の投稿が本件朗吟によりされたことを裏付ける事情になるものではない。
⑥・・・・本件各記事の投稿時点でも、本件アカウントに本件各記事を投稿したユーザーとは別のユーザーが存在した可能性を排斥することはできない。

本件ログインを行ったユーザーが、本件アカウントからログアウトするまでの間に本件各記事の投稿を行ったものであるとまで認めることはできない。

本件ログインに係る情報が「権利の侵害に係る発信者情報」ということはできない。
 
<解説>
本件も、Yにおいて、投稿がされたIPアドレスを保有していない⇒投稿時に近接するログインを行ったIPアドレスの情報の開示が請求。 

判例時報2423

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2020年1月 8日 (水)

違法な仮差押命令の申立てと逸失利益との間の相当因果関係(否定)

最高裁H31.3.7    
 
<争点>
本件仮差押申立てとY主張の逸失利益の損害との間に相当因果関係が認められるか否か。 
 
<原審>
本件仮差押申立ては、当初からその保全の必要性が存在しないため違法であり、Yに対する不法行為に当たる。 
①本件仮差押命令の発令当時、Yと本件第三債務者との取引期間は1年4か月であり、Yにおけるその他の大手百貨店との取引状況等をも併せ考慮すると、Yは、本件仮差押申立てがされなければ、本件第三債務者との取引によって少なくとも3年分の利益を取得することができた。
②本件仮差押命令の送達を受けた本件第三債務者が、Yの信用状況に疑問を抱くなどしてYとの間で新たな取引を行なわないとの判断をすることは、十分に考えられ、Xはこのことについて予見可能であった。

本件仮差押申立てと本件逸失利益の損害との間には相当因果関係がある。
 
<判断> 
債権の仮差押命令の申立てが債務者に対する不法行為となる場合において、前記仮差押命令の申立ての後に債務者と第三債務者との間で新たな取引が行われなくなったとしても、次の①②など判示の事情の下においては、前記不法行為と債務者がその後に債務者と第三債務者との間で新たな取引が行われなくなったことにより喪失したと主張する得べかりし利益の損害との間に相当因果関係があるといういことはできない
①債務者は、1年4か月間に7回にわたり第三債務者との間で商品の売買取引を行ったが、両者の間で商品の売買取引を継続的に行う旨の合意があったとはうかがわれず、債務者において両者間の商品の売買取引が将来にわたって反復継続して行われるものと期待できるだけの事情があったとはいえない
前記仮差押命令の執行は、前記仮差押命令が第三債務者に送達された日の5日後に取り消され、その頃、第三債務者に対してその旨の通知がされており、第三債務者が債務者に新たな商品の発注を行わない理由として前記仮差押命令の執行を特に挙げていたという事情もうかがわれない。 
 
<解説>
●一般に、企業間取引で多くみられる継続的契約では、「仮差押えがあったとき」などを基本契約又は個別契約の解除事由とする旨の合意がされることが多い。
but
金銭債権に対する仮差押命令およびその執行は、債務者に対しては被差押債権の処分を相対的に禁止し、第三債務者に対しては債務者への弁済を禁止する(民保法50条1項)にとどまるものであり、債務者と第三債務者との間に前記のような合意があったなどの特段の事情のない限り、第三債務者が債務者との間で新たな取引を行うことを妨げるものではない。

最高裁:
債務者が違法な仮処分によって被ったと主張する営業利益の喪失や信用失墜による無形の損害等の損害は、当該仮処分の執行によって通常生ずべき損害に当たらず、特別の事情によって生じたものと解すべきであるとした上で、その賠償席因を否定した原審の認定判断を是認したものがある。

下級審裁判例:
不当保全執行による逸失利益の有無については特に慎重な判断がされており、
取引先から取引を一時停止されたこと等を考慮しながらも、無形損害又は慰謝料として一定額の賠償を認めるにとどまるものがある一方、
無形損害又は慰謝料の賠償自体も否定したもの等もあった。
 
●民法における損害賠償の範囲に関する議論:
消極的損害の賠償責任を認めるためには、被害者がその消極的損害に係る将来の利益を取得することが確実であることを要するとされ(新版注釈民法10Ⅱ284頁以下、
富喜丸事件判決は、消極的財産損害(騰貴価格による得べかりし利益)の賠償を請求する者は、これを確実に取得したであろう事情があり、その事情が不法行為当時予見又は予見することができたことを主張立証しなければならない旨を判示しているとの指摘。 
また、相当因果関係説の下では、因果関係に争いがある場合、立証の対象となるべき要件事実として、「特定の事実が特定の結果発生を招来した関係」が高度の蓋然性をもって是認し得ることの主張が必要であるとされており、このことは不法行為によって消極的損害(被害者の所得の喪失又は減少)が発生したことについても同様である。
 
●継続的売買の解消については、学説上、
継続的売買契約が存在⇒契約上の責任を考えることになる
継続的売買契約が存在するとはいえない場合であっても、当事者は互いに信義則上の注意義務を負い、それに反した解消によって生じた損害を賠償する責任を負う場合があり、
①現実的履行の強制まで可能な継続的売買契約
②履行の強制はできないが損害賠償請求は可能な継続的売買契約
③契約の存在は認められないが信義則上の責任が認められる継続的売買
④解消者に何らの責任も認められない継続的売買
という4段階に分類して考えることが可能。

第三債務者との間で継続的売買を行っていた債務者が、第三債務者との取引によって将来の利益を取得することが確実であるというためには、
両者間に継続的売買契約の成立が認められるか、
継続的売買の解消につき第三債務者に信義則上の責任が認められるような事情、すなわち、債務者において両者間の売買取引が将来にわたって反復継続して行われるものと期待できるだけの事情が必要。 

本件:
Yにおいて両者間の商品の売買取引が将来にわたって反復継続して行われるものと期待できるだけの事情があったといえない。
 

①本件第三債務者がYとの間で新たな取引を行うか否かは本件第三債務者の自由な意思に委ねられていた
②Yが相当程度の売上高及び資産を有する会社であった
③本件仮差押命令の執行が本件仮差押命令の送達日の5日後に取り消され、本件第三債務者にその旨の通知がされた
④本件第三債務者がYに新たな商品の発注を行わない理由として本件仮差押命令の執行を特に挙げていたという事情もうかがわれない


本件第三債務者が、本件仮差押申立てによりYの信用がある程度毀損されたと考えたとしても、このことがYとの間で新たな取引を行わないとの判断を招来したことを高度の蓋然性をもって是認し得るとまではいい難い。 
判例時報2423

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2020年1月 3日 (金)

説明義務違反での自己決定権を侵害⇒慰謝料300万円の支払を認めた事例

東京地裁H30.4.26    
 
<事案>
人間ドックで強度の萎縮性胃炎が認められた場合の精密検査の実施又は勧奨義務のほか、ステージⅣの末期胃がんの患者に対して、臨床研究である減量手術を行った後に化学療法を行うべきか、又は化学療法単独の治療を行うべきかが問題となったもの。
 
X1、AとX1の子であるX2及びX3は、Y1及びY2に対し、
Y1には、
①1年目及び2年目の健康診断受診時に精密検査を実施又は勧奨しなかった過失があり、
②健康診断の目的を果たすに足る十分な読影体制を具えなかった過失があり、
Y2らには、
③Aに対して適応がない手術を行った過失があり、
④手術前に説明を尽くさなかった過失がある

債務不履行又は不法行為(使用者責任)に基づき、損害賠償を求めた。 
 
<判断>
①について:
人間ドックを実施する臨床医に求められる当時の医療水準⇒Aにあった強度の萎縮性胃炎があることを理由として精密検査を実施又は勧奨することをしなかったことが注意義務違反とはいえない

②について:
当時の医療水準に照らし、精密検査を実施又は勧奨すべき所見がない⇒読影体制は問題とはならない。

③について:
現在の医学的知見では、原則として適応を欠くと考えられる
but
平成16年当時では、手術後に化学療法を実施することを予定しつつ、本件手術を実施したことが適応を欠く違法なものであったとはいえない。

④について:
本件手術によっては胃がんの根治は不可能である上、本件手術が臨床研究に位置付けられる減量手術であるにもかかわらず、
㋐手術による根治は不可能であること
㋑「胃癌治療ガイドライン」上は臨床研究に該当すること
㋒本件手術を行ってから化学療法を行う場合と本件手術を行わずに化学療法のみを行う場合との生存期間延長上の効果やQOLへの影響等に関する利害得失について説明しなかった

胃がんの治療方法を選択する上での自己決定権を侵害⇒精神的苦痛に対する慰謝料300万円の支払を認めた。
 
<解説>
本判決:
説明義務違反について、
仮に、本判決が判示する説明義務を尽くしたとしても、Aにおいては、本件手術を受けないという選択をしたという蓋然性があると認めることができないとしながら、
治療方法の選択に関する自己決定権を侵害されたとして、慰謝料を認めた

判例時報2422

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2020年1月 2日 (木)

「交通事故で軽症の外傷性視神経症を発症⇒左眼失明⇒糖尿病増悪で右足膝下切断」について相当因果関係を肯定した事案

東京高裁H30.7.17    
 
<争点>
①本件事故と左眼失明との因果関係・素因減額
②本件事故との左膝下切断の傷害との因果関係・素因減額 
 
<判断>
●争点① 
①亡Aは、本件事故による左頭部又は顔面の打撲によって、左眼外傷性視神経症を発症
②その外傷性視神経症は、非典型例(軽症例)であり、それのみであれば左眼失明にまでは至らなかった
③しかし、亡Aは、本件事故前から、増殖性糖尿病網膜症、慢性腎不全、右下肢閉塞性動脈硬化症等の合併症を伴う重篤な糖尿病に罹患しており、視神経内血管にも糖尿病による障害が存在していた、
④そのため、外傷性視神経症によって視神経管内に出現した血管性浮腫の治癒が遅延し、視神経繊維に対する障害が持続した結果、進行性の視覚障害が出現し、最終的に左眼失明にまで至った

本件事故と左眼失明との間には因果関係がある

素因減額について:
①本件事故によって発症した外傷性視神経症は軽症例であり、それのみであれば左眼失明にまでは至らなかったところ、
②亡Aが重篤な糖尿病(既往症)に罹患しており、視神経内血管に糖尿病による障害が存在していたために、最終的に左眼失明にまで至った

既往症が左眼失明に寄与した割合は5割
 
●争点② 
亡Aの右足膝下切断は、本件事故後、糖尿病の合併症である右下肢閉塞性動脈硬化症の増悪によって、右足の人差し指に壊疽を発症したことによるもの。
右下肢閉塞性動脈硬化症の重症度は、本件事故当時、「壊疽」までには重症化しておらず、本件事故の約半年後においても特別に重症化していなかった
②しかし、左眼を失明したことから、単独歩行が困難になり、歩行機会を喪失したことが間接的な要因となり、また、心不全を発症して入院し、極端な運動低下に陥ったことが直接的な要因となって、閉そく性動脈硬化症の危険因子である糖尿病が増悪し、下肢血行の重症化が早められ、右足人差し指に壊疽を発症

本件事故と右足膝下切断との間には因果関係がある

素因減額について:
①右足膝下切断は、糖尿病(既往症)の合併症である閉塞性動脈硬化症の増悪を原因とする上、
②本件事故によって、外傷性視神経症を発症し、左眼を失明したために、糖尿病が増悪し、下肢血行の重症化が早められ、右足の人差し指に壊疽を発症

既往症が右足膝下切断に寄与した割合は8割とするのが相当。
 
<解説>
●因果関係 
本件は、
頭部等を打撲⇒外傷性視神経症の発症⇒左眼失明⇒歩行機会の喪失・運動低下⇒糖尿病(既往症)の増悪⇒下肢血行の重症化⇒右足膝下切断
という因果の連鎖・流れがある事案。
糖尿病増悪には心不全による入院による極端な運動低下とうい要因もあった。

相当因果関係まで認められるか、微妙な事案。

亡Aには、外見上左頭部や顔面に明らかな外傷がなかった⇒外傷性指針軽症の発症と本件事故との因果関係も争点。
but
①亡Aが乗車していたタクシーが大破していること
②亡Aが負った障害の程度、本件事故直後の意識障害の状態など
⇒因果関係を肯定。

相当因果関係が認められた事例
①事故前から肝性脳症に罹患しており、事故により腹部打撲内出血等を負った者が53日後に肝硬変で死亡した事例
②糖尿病の罹患していた者が、事故により左大腿骨・左肋骨骨折等のストレスからくる糖尿病性視力障害となり、右視力障害と事故との相当因果関係が認められた事例
③多発性空洞性脳梗塞を患っていた者が、バス降車中に扉に挟まれ左肘打撲症から、右脚関節症を発症し、脳梗塞・右片麻痺となった事案について因果関係を認めた事例
④糖尿病の既往症がある者が、玉突き事故により頸椎捻挫等の傷害を負い神経因性膀胱を発症した事例
 
●素因減額 
当該被害者が有していた身体的特徴が損害の発生又は拡大に影響している場合には、賠償額を決定するに当たり、当該身体的特徴を考慮することができるかという素因減額の問題。

判例:
損害を公平に分担させるという損害賠償法の理念⇒民法722条2項の規定を類推適用して一定の限度で身体的特徴を考慮することができる。

素因減額が認められる身体的特徴
は、
原則として身体的特徴が「疾患」に該当する場合であり、
「疾患」に当たらない身体的特徴の場合は、当該身体的特徴が疾患に比肩すべきものであり、かつ、被害者が負傷しないように慎重な行動を求められるような特段の事情が存在するような極めて例外的な場合に限られる。

素因減額の割合について:
あくまで裁判所が具体的な事案につき公平の観念に基づき諸般の事情を考慮して、自由な裁量に基づき決定⇒具体的な基準を立てることは難しい。
but
①疾患の種類、態様、程度(当該病的状態が平均値からどれほど離れているか、その病態除去のためにどの程度の医学的処置が必要か、事故前の健康状態(通院状況等))
②事故の態様、程度及び傷害の部位、態様、程度と結果との均衡等を個別具体的に検討して、
損害の公平な分担という損害賠償法の基本理念の観点からその割合を算定

本判決:
被害者の既往症は重篤なものである一方、
本件事故によって発症した外傷性視神経症は軽症例であり、それのみであれば左眼失明にまでは至らず、ましてや右足膝下切断に至ることもなかった

素因減額が高い割合で判断された。
判例時報2422

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2020年1月 1日 (水)

所持品検査及び自宅への立ち入りについての国賠請求事案

東京高裁H30.4.26    
 
<事案>
警職法に基づきXに対して行われた千葉県警の警察官による保護、所持品検査及びX宅への立入が違法⇒Xが千葉県に対して損害賠償を求めた。
 
<原審>
所持品検査について:
①自傷他害を防止するためであればXのかばんを保護室の外に持ち出せば足りる
②警察官はレンタカーの左サイドミラーのミラー部分がなくなっていることを確認し、そのためXが事故に遭った可能性が高く、凶器を使用して殺人を犯した疑いが深まっていたとはいえない

かばんの中身を1つずつ取り出して確認することは相当性を欠き違法な行為。 

X宅の立入り:
①Xが事故に遭った可能性が高く殺人を犯した疑いが深まっていない状況にあり、
②元妻等も無事であることが確認できていた

殺人の嫌疑は相当程度軽減していたというべきで、危害が切迫していたとはいえず、違法な行為。
 
<規定>
警職法 第三条(保護)
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して次の各号のいずれかに該当することが明らかであり、かつ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、取りあえず警察署、病院、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない。
一 精神錯乱又は泥酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれのある者
二 迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(本人がこれを拒んだ場合を除く。)

警職法 第四条(避難等の措置)
警察官は、人の生命若しくは身体に危険を及ぼし、又は財産に重大な損害を及ぼす虞のある天災、事変、工作物の損壊、交通事故、危険物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出現、極端な雑踏等危険な事態がある場合においては、その場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に必要な警告を発し、及び特に急を要する場合においては、危害を受ける虞のある者に対し、その場の危害を避けしめるために必要な限度でこれを引き留め、若しくは避難させ、又はその場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に対し、危害防止のため通常必要と認められる措置をとることを命じ、又は自らその措置をとることができる。
2前項の規定により警察官がとつた処置については、順序を経て所属の公安委員会にこれを報告しなければならない。この場合において、公安委員会は他の公の機関に対し、その後の処置について必要と認める協力を求めるため適当な措置をとらなければならない。
 
<判断> 
●所持品検査: 
警職法3条による保護が一時的かつ応急的な措置
被保護者の身元や引取方を確認するため、具体的状況の下で必要とされる限度において相当と認められる方法によることは、被保護者が精神錯乱の状態にあるため有効に承諾が得られない場合であっても、保護の目的にかなう限り許容される
①Xが保護されたのは、X自ら110番通報をして「人を殺した」と述べたことを契機としている
②Xは終始異常に興奮して精神錯乱の状態にあり、激しく抵抗して暴れていた

自傷他害の危険を防止するため所持品中の危険物の有無等を確認する必要がある
かばんの中を一瞥するだけでは危険物の有無を確認することは困難⇒中身を1つずつ取り出して確認する方法は相当
 
●X宅への立入り: 
警職法4条1項に規定する「危険な事態」があるか否かの判断は、警察官が現場で認めた事実のほか、その職業的な専門知識や経験に基づいて行うことができる。

この判断は客観的に合理性が認められるものでなければならない。
but
①Xのそれまでの言動やXが精神錯乱状態にあること、過去の警察相談から、重大犯罪に巻き込まれるなどした被害者等がX宅にいる可能性は否定できなかった
②X宅は施錠されておらず室内の電気が点灯して扇風機が回っていたことから、警察官は重大事件等に巻き込まれた被害者等がいる可能性があると考えた
③靴を脱いで室内に上がり、救助を要する被害者等がいないことを目視により確認して短時間で退室するなどしている

被害者等の救助という目的を達成するためにやむを得ない相当な方法で行われたもので、違法性があるとは認められない
 
<解説>
最高裁昭和53.6.20:
職務質問に伴う所持品検査について「所持品検査の必要性、緊急性、これによって害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的事情のもとで相当と認められる限度においてのみ、許容されるもの」 

警職法3条による保護に伴う所持品検査においても、前記と同様の趣旨から、被保護者を保護するに至った事情などを考慮の上、許されるであろう。
警察官は、危険な事情がある場合においては、危険防止のため通常必要と認められる措置を講ずることができるが(職質法4条1項)、「危険な事態」の判断は、客観的に合理性の認められるものでなければならない。
判例時報2422

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銀行に対する被相続人の保有個人データの開示請求

最高裁H31.3.18     
 
<事案>
Xが、銀行であるYに対し、個人情報保護法28条1項に定める保有個人データの開示請求権に基づき、Xの死亡した母が生前にYに提出していた印鑑届出書の写しの交付を求めたもの。 
 
<原審>
本件印鑑届出書について、Xの母の生前において同人の預金口座についての「個人に関する情報」(「個人情報」)であった⇒同預金の相続人等であるXの個人情報にあたる⇒Xの請求を認容。 

<判断>
相続財産についての情報が被相続人に関するものとしてその生前に個人情報保護法2条1項にいう「個人に関する情報」に当たるものであったとしても、そのことから直ちに、当該情報が当該相続財産を取得した相続人又は受遺者に関するものとして前記「個人に関する情報」に当たるということはできない
 
 
<解説>
個人情報保護法は、事業者における個人情報の適正な取扱いを確保するためには個人本人が自己の情報をチェックすることができるようにすることが重要⇒保有個人データについての開示請求権(同法28条1項)訂正請求権(同法29条1項)利用停止請求権(同法30条1項)を規定。 
個人情報保護法は、保護の対象を生存する個人に関する情報に限っており(同法2条1項)、開示請求権についても、自己に関する保有個人データのみが対象となっている⇒死者に関する情報についてその遺族が開示を求めることは本来予定されていない
but
死者に関する情報であっても、それが同時に遺族等の生存する個人の個人情報に当たる場合には、当該個人の個人情報として開示請求の対象となり得る。
ある情報がある個人の個人情報に当たるか否かは、当該個人との関係を離れて判断することはできず、当該情報の内容と当該個人との関係を個別に検討して判断すべき。

判例時報2422

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2019年12月24日 (火)

お泊り保育中に川の増水⇒園長と法人の損害賠償責任(肯定)

松山地裁西条支部H30.12.19    
 
<事案>
Y1が運営する本件幼稚園で実施された本件お泊り保育において、本件幼稚園の園長であるY2並びに本件幼稚園の教諭であるY3ないしY9が、園児らを川で遊ばせていた(本件活動) ⇒本件増水が生じ、園児らの一部が流され、そのうちAが死亡し、X11が傷害を負った(本件事故)

本件幼稚園の園児又は園児の親であるXらが、Y1ないしY9、Y1の当時の理事長であったY10を相手として、訴訟提起。
 
<主張>
Y2ないしY10に本件事故に関する注意義務違反(安全配慮義務違反)があった⇒同人らに対しては、民法709条に基づき、Y1に対しては、私立学校法29条や民法715条(使用者責任)などに基づき、損害賠償金及び遅延損害金の支払を求めた。 
 
<争点>
安全配慮義務違反(結果回避義務違反)の前提として、結果についての予見可能性の有無が争点
 
<主張>
Xら:
本件活動場所において、増水など河川の変化が生じた場合、園児らを安全に退避させることが著しく困難になることが予見可能⇒
①本件活動を計画したこと自体が注意義務違反であり、
②仮に本件活動を計画した事態は許容されるとしても、増水時の対処法についての検討、ライフジャケットなどの救命具の携行の検討など危険発生防止のための準備を怠ったことも注意義務違反 

Y:
①本件事故では、突如鉄砲水が押し寄せ、急激な増水が生じたものであるところ、結果回避義務違反が認められるためには、単なる増水ではなく、晴天時にこのような急激な増水が生じることについての具体的な予見可能性が必要
本件当時の幼稚園教育の実践における標準的な安全対策の水準によれば、Yらに前記のような予見可能性はなかった
 
<判断・解説> 
●予見可能性について
本件活動場所の地理的状況や、本件当時にインターネットなどで一般人が知り得た河川の安全に関する情報

①本件活動場所付近が晴れていても、上流域の降雨によって、本件活動場所付近においても河川の変化が生じ、ある程度の水量や流速の増加(増水等)の危険性があること、及び
②増水等が生じることにより、園児らを安全に退避させることが著しく困難な状況となり、これにより園児らの生命・身体に重大な危険が及び蓋然性が高いこと
が、Y2ないしY9と同様の立場にある一般人において予見可能であったと認めた。

本件活動の計画準備段階において、園児らのライフジャケットを準備し、本件事故の当日、これを園児らに適切に装着させる義務を結果回避義務として負っていたものと認め、
Yらの主張するような鉄砲水による急激な増水か否かは、このような結果回避義務を基礎付ける上で重要なものではなく、予見可能性の対象にはならない。

前記の結果回避義務を尽くしていても、なおも園児らの生命・身体に重大な危険が生じる蓋然性があることについて予見可能性があったものと認めることはできない。
⇒本件活動を中止すべき義務については認めなかった。

解説:

結果回避義務の前提となる予見可能性について、
具体的な予見可能性が必要であることを前提としつつも、
現実に生じた結果全てについて予見可能性を必要とするのではなく、あくまで結果回避義務を基礎付ける上で重要な部分について予見可能性を必要。

ライフジャケットの準備義務との関係では、予見可能性を認める一方
本件活動の中止義務との関係では予見可能性を認めず
いわば、結果回避義務との相関関係において、予見可能性を捉えている。 
 
●安全配慮義務の主体 
本件活動の計画準備段階において、安全配慮面でいかなる措置をとるべきかについては、Y2(園長)の責任において決定されるべきであった⇒Y2につき安全配慮義務違反を認めた

Y5(本件お泊り保育の担当):前年度までの例に倣ってスケジュールの作成等を行うことが想定されていた。
Y3(主任教諭):本件お泊り保育に関し、いかなる事務を行うべき立場にあったかは必ずしも明確ではない

いずれについても例年とは異なる安全配慮面の検討を行うべき立場にあったとは認められない⇒安全配慮義務違反を否定。

Y10(本件当時のY1の理事長):
本件幼稚園の園児らの安全確保のために、教諭らを指導・監督すべき一般的義務を負っていたとしつつも、
Y1が本件幼稚園を含めて8つの幼稚園を運営していたことも踏まえ、理事長であるY10に、本件お泊り保育等の情報を詳細に把握して、安全配慮面での措置を具体的に検討すべき義務があったとまではいえない
⇒安全配慮義務違反を否定。

解説:

一般的な指導監督義務から直ちに安全配慮義務を認めるのではなく、本件活動の計画準備段階での具体的な事実関係を踏まえ、安全配慮面での措置についての具体的な検討を誰が行うべき立場にあったのかを認定
判例時報2421

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