司法制度

2013年4月30日 (火)

司法改革の勘違い

企業にとって間接部門は不可欠である。
しかし、間接部門は、利益を生む部門ではない。

間接部門が肥大化した企業は、日本航空のように倒産する。
スリムな間接部門で効率的に管理していくことが好ましい。

これは「企業」だけでなく「社会」にも妥当する。

弁護士があふれる米国に比較して、日本の弁護士は少なかった。
それで不都合があっただろうか?

米国に比較して日本で訴訟が少ないのは、「泣き寝入り」しているというより、訴訟より合理的な「紛争予防」「問題解決方法」が機能していたからである。
企業間でも、がちがちの契約で縛る関係ではなく、長期的関係を前提とする「柔軟な規律」が機能していた。
「今回は損をさせても次回で埋め合わせをする」という、長期的な関係を前提とした解決方法が機能していた。
個人間でも「お互い様」の文化があった。
弁護士が少なくても、特に不都合はなかったのである。

スリムな間接部門で機能する企業が優位性をもつように、スリムな間接部門でワークしていた社会は日本の「優位性」であった。
その「優位性」を「未熟さ」と勘違いしたのが、そもそも誤りだった。

少子化の中、日本は、「司法」という付加価値を生み出さない「社会の間接部門」を肥大化させるのではなく、それをスリムにした上で、優秀な若者を付加価値を生み出す分野に向けるべきなのである。

そもそも「需要」は「供給」で決まらない。
需要が供給で決まるなら、失業など発生しないことになる。

現実に需要があるところに適正な人数を供給するというのがまともな考えである。
それが、増やせばなんとかなるという考えで、需要がないところに供給を増大させた。
それが司法改革による法曹増員だった。

まともな訴訟が増えない中(弁護士の宣伝で交通事故や離婚事件は増えているかもしれないが、それがいいことだとは限らない)、あふれた弁護士の活躍の場を「企業」に求める世間知らずの司法改革関係者の声は大きいが、企業の間接部門の肥大化がバカげたことだということは、肝心の企業の方が理解している。

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2010年7月27日 (火)

司法制度改革の結果

「新米弁護士 就活の日々」「法曹の卵たち漂流」「合格3割に低迷 志願者減る」
7月19日の朝日新聞に、司法試験合格者増員による現状が載っている。

この現状についてコメントするときりがないので、数点だけ。
「低い合格率に嫌気がさして法曹になろうとする学生や社会人が減る悪循環が続いている」と書かれているが、ちょっと違う。

合格者が500人で最難関の試験と言われていた頃、数パーセントの狭き門に、多く学生がその狭き門に挑戦した。
合格者が少なく最難関だからこそ、優秀な学生が必死に勉強して挑戦した。

それが合格者が増え難関でもなくなることで、優秀な人間にとって魅力のない試験になってしまったわけだ。

弁護士が少ない時代、日本経済はそれで回っていた。
企業では、弁護士資格はなくとも、社内で教育された法務部門が機能してきたし、世界で活躍してきた。
リーガル費用はコストであり、少ない弁護士(=リーガルコスト)で機能してきた日本の制度は、日本の強みであったはずだ。
それが米国へならえとばかりに、弁護士があふれる社会を生み出した。
そのような改革が、日本経済にとってプラスになるとは思えない。

訴訟社会の米国はリーガルリスクが高いといえるが、その一因は弁護士が多いから。
弁護士増員は、リーガルリスクを抑えるのではなく、社会のリーガルリスクを高めることになる。

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