刑事

2020年3月26日 (木)

東電福島第一原発業務上過失致死傷事件第1審判決

東京地裁R1.9.19    
 
<事案>
検察審査会の起訴議決⇒指定弁護士から起訴された 
 
<争点>
本件発電所に一定以上の高さの津波が襲来することについての予見可能性があったと認められるか否か
その前提として、どのような津波を予見すべきであったのか津波が襲来する可能性について、どの程度の信頼性、具体性のある根拠を伴っていれば予見可能性を肯認していいかが争点に。 
 
<判断・解説>
●予見の対象 
◎  予見すべき津波:
行為者の立場に相当する一般人を行為当時の状況に置いたときに、行為者の認識した事情を前提に、人の死傷の結果及びその結果に至る因果の経過の基本部分について予見可能性があたっと認められることが必要。
1号機から4号機までの主要建屋が設置された、小名浜港晃史基準面から10mの高さの敷地を超える津波が襲来して同敷地上のタービン建屋等へ浸入したことが本件事故の発生に大きく寄与⇒10m盤を超える津波の襲来が人の死傷の結果に至る因果の経過の根幹部分をなしている。

そのような津波が襲来することの予見可能性があれば、津波が本件発電所の主要建屋に浸入し、非常用電源設備等が被水し、電源が失われて炉心を「冷やす機能」を喪失し、その結果として人の死傷を生じさせ得るという因果の流れの基本的部分についても十分に予見可能

10m盤を超える津波が襲来することの予見可能性は必要であるが、
現に発生した10m盤を大きく超える津波が襲来することの予見可能性までは不要

◎ 予見の対象としての因果経過:
最高裁:
現実の結果発生の至る因果の経過を逐一具体的に予見することまでは必要ではなく、ある程度抽象化された因果経過が予見可能であれば、過失犯の要件としての予見可能性が認められる

下級審の裁判例の大勢:
概ね具体的予見可能性説に立った上、結果発生に至る経過の基本的部分について予見が可能であれば、予見可能性が認められる
 
●予見の程度 
◎ 津波襲来の可能性があるとする根拠の信頼性、具体性の程度について、
個々の具体的な事実関係に応じ、問われている結果回避義務との関係で相対的に、言い換えれば、問題となっている結果回避措置を刑罰をもって法的に義務付けるのに相応しい予見可能性として、どのようなものを必要と考えるべきかという観点から判断するのが相当。 

本件結果を回避するためには、
❶津波が敷地に遡上するのを未然に防止する対策
❷津波の遡上があったとしても、建屋内への侵入を防止する対策
❸建屋内に津波が浸入しても、重要機器が設定されている部屋への浸入を防ぐ対策
❹原子炉への注水や冷却のための代替機器を津波による浸水のおそれがない高台に準備する対策、
以上の全ての措置を予め講じておく必要があり、
❺これら全ての措置を講じるまでは運転停止措置を講じる必要があった。
と主張。
vs.
仮に被告人らが津波襲来の可能性に関する情報に接した時期から❶~❹までの全ての措置を講じることに着手していたとしても、本件事故発生前までにこれら全ての措置を完了することができたとは認められず、現に指定弁護士もそれが可能であったとの主張はしていない
本件で問われている結果回避義務は、平成23年3月初旬までに本件発電所の運転停止措置を講じることに尽きている

①本件で問われている結果回避義務が原発事故による重大な結果の発生を回避するためのものであることを考慮しつつ、
②平成23年3月初旬の時点において、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の定める原子力施設の自然災害に対する安全性は、最新の科学的、専門的知見を踏まえて、合理的に予測される自然災害を想定した安全性であって、そのような安全性の確保が求められていたものであり、実際上の運用としても同様であった
③本件発電所の運転停止という結果回避措置それ自体に伴う手続的又は技術的な負担、困難性

本件発電所に10m盤を超える津波が襲来する可能性については、当時得られていた知見を踏まえて合理的に予測される程度に信頼性、具体性のある根拠を伴うものであることが必要
 
◎ 最高裁H29.6.12(JR福知山線脱線事故強制起訴事件)の小貫裁判官の補足意見:
このような注意義務ないし結果回避義務があるというためには、被告人らにその注意義務を課すに足りる程度の認識ないし予見可能性がなければならない
どの程度の予見可能性があれば過失が認められるかは、個々の具体的な事実関係に応じ、問われている注意義務ないし結果回避義務との関係で相対的に判断されるべきもの

予見可能性の結果回避義務関連性を指摘。 
 
●予見可能性の有無 
①予見可能性の前提となる事実関係を詳細に認定し、かつ、
②平成14年7月に文科省時地震調査研究推進本部が公表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」(長期評価)の見解が、平成23年3月初旬の時点において客観的に信頼性、具体性のあったものとは認められない
③被告人ら3名は、条件設定次第では本件発電所に10m盤を超える津波が襲来するとの数値解析結果が出る又はそのような津波襲来の可能性を指摘する意見があるということは認識していたものの、それぞれが認識していた事情は、当時得られていた知見を踏まえ10m盤を超える津波の襲来を合理的に予測させる程度に信頼性、具体性のある根拠を伴うものであったとは認められない

被告人ら3名において、本件発電所に10m盤を超える津波が襲来することについて、本件発電所の運転停止措置を講じるべき結果回避義務を課すに相応しい予見可能性があったとは認められない
 
●情報収集義務(情報補充義務) 
指定弁護士:被告人らが一定の情報収集義務(情報補充義務)を尽くしていれば、10m盤を超える津波の襲来は予見可能
vs.
前記数値解析の基礎となった「長期評価」の見解が平成23年3月初旬までの時点においては客観的にみてその信頼性に疑義があったことや関係する学会の真偽状況等⇒更なる情報の収集又は補充を行っていたとしても、本件発電所に10m盤を超える津波が襲来する可能性につき、信頼性、具体性のある根拠があるとの認識を有するに至るような情報を得ることができたとは認められない
⇒予見可能性に関する前記判断は動かない。

業務分掌制の採られている東京電力において、一時的には担当部署に所轄事項の検討、対応が委ねられていたこと等

担当部署が情報収集や検討等を怠り、あるいは収集した情報や検討結果等を被告人らに秘匿していたというような特殊な事情も窺われない
被告人ら3名は、基本的には担当部署から上がってくる情報や検討結果等に基づいて判断をすればよい状況にあったのであって、被告人らに情報収集又は情報補充の懈怠が問題となるような事情は窺われない

判例時報2431

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

 

| | コメント (0)

2020年3月24日 (火)

録音・録画記録媒体の実質証拠としての証拠能力

東京地裁R1.7.4      
 
<事案>
検察官:
平成29年11月14日午後3時42分頃から同日午後6時23分頃までの間の検察官による取調べにおける被告人の供述を録音・録画した記録媒体の複本を「介護士としての稼働状況、犯行にいたる経緯、犯行状況及び供述状況等」を立証趣旨として、証拠請求。 

弁護人:
本件取調べにおける被告人の供述は任意性を欠いており、本件記録媒体に証拠能力は認められない。
本件記録媒体は、証拠調べの必要性がなく却下すべきとの意見。

本決定:
前記証拠請求に対する決定。
裁判所は、公判前整理手続において証拠調べを行い、結論として、録音・録画記録媒体の一部につき、録画映像を除いた部分を証拠として採用
 
<判断>
●被告人の供述の任意性 
◎ 弁護人:
①本件取調べに先立つ11月13日午後0時49分頃から午後11時50分頃までに行われた警察官による被告人の取調べは長時間にわたるものであり、
被告人は、警察官から厳しく責められ「こうだったんだろう」と誘導されながら、それを認める供述をさせられている
②本件取調べはこのような警察官による取調べの影響を遮断することなくその影響下で行われている
⇒任意性なし。

◎ 判断:
本件取調べにおいて、暴行、脅迫その他の手段による供述の強要など被告人の供述の任意性に疑いを生じさせるような検察官の言動等は認められない。
警察官の取調べは、長時間にわたっている。
but
被告人の供述状況や供述態度、本件事案の重大性等
⇒取調べの時間の長さだけを捉えて当該取調べが任意捜査として許容される限度を逸脱していたと認めることはできない
but
当該取調べにおいて、被告人を威圧するような警察官の言動等

被告人に対して相当程度の精神的心理的圧迫を与え、警察官に迎合的な供述を引き出すおそれのある取調べ方法であった。
but
①前記の警察官の取調べの直後頃、本件記録媒体に関わる取調べを行った検察官が自分は警察とは別の組織、立場にあること等を説明した上、事件当日の出来事を大まかに確認する任意の取調べを短時間行っており、
その際、被告人が自分の記憶では被害者を浴槽に入れたまま目を離して放置したと覚えていると、一旦は警察官に話した供述を変遷させている。
②本件取調べは、その後の逮捕に伴う諸手続などを経た約15時間後に、東京地方検察庁の取調室において行われ、その取調べにおいて被告人が前日の自白内容にとらわれているような言動は見られず、警察官に対する自白を反復しているのではなかとの疑いは認められない。

本件取調べにおける被告人の不利益事実の承認又は自白には任意性を疑わせるような事情は認められない
 
●証拠調べの必要性・相当性 
◎ 弁護人:
記録媒体を実質証拠として使用することは、
①公判中心主義や直接手技に反する、
②供述の信用性判断において、被告人の供述態度に目を奪われて客観的な視点から分析が軽視される危険がある
③争点の拡散、審理の肥大化のおそれがある 
 
◎ 判断:
本件は、被害者の溺死に対する被告人の関与について争いがあり、検察官は本件の具体的な殺害方法につき被告人の捜査段階の自白以外によっては立証が困難であるとして、本件録音・録画記録媒体を請求。
本件取調べにおいて被告人の供述調書は作成されておらず、当該自白の立証には、その供述状況を録音・録画した本件記録媒体に代わるべき証拠は他に存在しない
その必要性が認められる。

①本件記録媒体には犯行状況についての自白を超える供述を含んでいる
②当該自白は信用性も争われる見込みであり、これを録画映像から認められる供述者である被告人の表情や態度などから判断することは、容易でないばかりか、直感的で主観的な判断に陥る危険性は高い、
③裁判員裁判

記録媒体の録画映像部分を公判廷で取り調べることは相当ではない。
 
●結論
・・・・前記時間帯の録画映像を除いた部分の限度において証拠として採用するのが相当。
 
<解説>
● 取調べの可視化⇒取調べを適正化を図るとともに、そこで作成された供述調書を任意性判断に活用⇒録音・録画記録媒体を、任意性立証に用いることは当然
but
犯罪事実等を証明する実質証拠として使用することについては、規定がなく、十分な検討もされてこなかった⇒議論。 
 
●任意性について 
同意なし⇒刑訴法322条1項に準じて証拠能力の有無が検討。
不利益事実の承認または自白に関しては「任意性」が要求され、この記録媒体自体の任意性が立証される必要。
 
●必要性・相当性について 
主な論点:
映像の持つインパクト(カメラ・パースペクティブ・バイアスなど)によって、冷静かつ客観的な判断が歪められる危険性にどのように対処するか
本来法廷で行われるべき事柄が取調室での捜査官主導の取調べ手続に移行してしまい直接主義、公判中心主義に逆行しているのではないか?

実質証拠とすることは基本的に慎重であるべきであるが、一律に判断するのではなく、記録媒体を証拠とすべき必要性とこの危険性等とを勘案して、必要性・相当性(広義の必要性と表現することもある。)を具体的事例に即して定めて行こうとの裁判所を中心とした実務の流れ。
判例時報2430

| | コメント (0)

2020年3月23日 (月)

違法収集証拠として尿の鑑定書等の証拠能力が否定された事案

大阪高裁H30.8.30      
 
<主張>
弁護人は、尿鑑定書等の証拠能力を否定すべき警察官の捜査の違法として
❶K1らが所持品の返還を拒否したこと、
❷K2らが多数で本件建物まで被告人に追随し、被告人の名誉を害した
❸K2らが、管理人の許可なく本件建物に大勢で立ち入り、被告人の居室を確認した後も留まり続けた
❹K2らが、物理的有形力を行使し、被告人の意思を制圧してドアを閉めることを断念させたこと
を主張。 
 
<原審> 

❶は職務質問に附随する措置として、
❷は任意捜査として
適法。 
❸は、管理者の承諾を得ることなく共用部分に立ち入った⇒違法
❹は、約10分間、有形力を行使しつつ被告人と押し問答をしたことにより、被告人らの住人の住居の平穏を害した⇒③の違法の程度を強める。
● but
①覚せい剤使用の相応にj高度が嫌疑があり、既に請求手続に入っていた強制採尿令状の執行のために、本件建物内に立ち入って被告人の居室や所在を把握しておく必要性が高かった
②警察官らに令状主義潜脱の意図は見られない、
③警察官らは、被告人と共に無施錠のドアから共用部分に入ったにとどまり、管理人不在時の立入禁止を明確に認識していたとは認められない

違法の重大性を否定して尿鑑定書等の証拠能力を認めた。
 
<判断>

❶❷について原判断を是認。
❸❹については、違法な強制処分に当たり、その違法は重大
違法捜査抑制の見地からも、尿鑑定書等の証拠能力を否定すべき。⇒ 
 

❸の本件建物への立入り:
共用部分は住人の居住スペースの延長で、住居に準ずる私的領域の性質を有する空間⇒管理人不在の間に共用部分に立ち入る行為は、現判決が認めた管理権侵害にとどまらず、被告人ら住人のプライバシーを侵害するもの。
警察官らは、被告人や住人らに断りもなく、大勢で本件建物に立ち入っており、建造物侵入に問われかねない行為。 

❹の被告人に自室ドアを閉めさせなかった行為:
①被告人が明確かつ強固に説得を拒んだ後も、約10分間押し問答を続け、ドアを手足で押さえる有形力を行使し、預かっている所持品の状態を終始確認してもらうなどと詭弁を繰り返して、ドアを開けさせることに固執⇒許容される説得の域を超えている。
②被告人が傘をドアに差し入れたのも、そのような状況に追い込まれたから⇒承諾があったとは到底いえず、警察官らの行為は被告人の意思を制圧するもの。
③ドアを閉めさせないようにしておく必要性・緊急性もない
❹の行為は、何らの必要性・緊急性もないのに、被告人の意思を制圧して、住居についてのプライバシーを侵害したものであり、住居そのものへの侵入と比肩するほどの違法性がある。

❸❹の行為は、令状なくしては許されない強制処分に当たり、違法。

①警察官らは、被告人から立ち入りに疑義を呈されながら、何ら再考の姿勢を示すことなく違法行為を継続し、単に令状の執行を容易にするため、被告人の意思を制圧して自室のドアを閉めさせず、令状発付までの約1時間半、本件建物内に留まって被告人の居室内の様子をうかがい、被告人の住居についてのプライバシーを大きく侵害している。
②住居についてのプライバシーの重要性や、警察官らの無配慮な態度等⇒その違法は重大。
③被告人の尿はこの違法行為を直接利用して得られたものであり、同行為は尿の押収を目的としたものであって、このような違法な手続により押収された尿の鑑定書等の証拠能力を肯定することは、その違法が警察官らの確信的な侵害行為によってもたらされた⇒違法捜査抑制の見地からも相当ではない。
 
<解説>

❸について:
本件建物は管理人が不在の夜間・早朝は外部者の立入りが禁止されていた
⇒共用部分であっても、管理者の承諾なく立ち入ることは管理権者の管理権を侵害
⇒憲法35条、刑訴法197条1項ただし書により、令状その他特別の法的根拠がなければ許されない強制処分の典型。 

本判決:
本件建物の共用部分は住人の住居に準ずる私的領域⇒❸の立入りは被告人を含む住人のプライバシーをも侵害したもの⇒原判決よりも違法性を重く評価。

GPS捜査に関する最高裁H29.3.15:
この規定(憲法35条)の保障対象には、「住居、書類及び所持品」に限らずこれらに準ずる私的領域に「侵入」されることのない権利が含まれる
GPS捜査が秘かにプライバシーを侵害することを可能にする強制処分であると判示

❹について:
強制処分の意義を「個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為」とした最高裁に従い、
自室のドアを閉めさせないかった行為等は、被告人の意思を制圧して、住居についてのプライバシーを侵害した強制処分に当たると認めた。 
❹の違法判断の中で、行為の必要性・緊急性がなかったことに言及。
but
ある捜査方法が、相手の意思を制圧して重要な法益を侵害するものである限り、必要性や緊急性があっても、それはあくまで強制処分であって、無令状で行なえば違法
必要性・緊急性の点は違法の重大性の問題
判例時報2430

| | コメント (0)

2020年3月22日 (日)

鑑定の評価について、原審の手続きに審理不尽があるとされた事案

東京高裁H29.11.2    
 
<判断>
●原審としては、A鑑定(Aが作成した鑑定の経緯と結果を記載した書面は、原審においては、A証言により部分的に引用されたにすぎないが、控訴審においては、書面全体が証拠採用されたものと思われる。)が採用した異同識別法の科学的原理やその理論的正当性を更に解明するとともに、A鑑定の証拠価値やA証言の信用性を判断することが可能となるよう、A鑑定の正確性やこれを裏付ける事情等を明らかにするため、検察官に対してこれらの点に関して釈明を求めたり、必要な証拠調べを実施したりするなど相応の措置を取るべきであった
but
それらの措置をとらずにA証言を採証した原審の手続には、審理不尽の違法がある
⇒原判決を破棄して原裁判所に差し戻すのが相当。

●原判決の認定判断におけるA鑑定及びA証言の位置づけ:
A鑑定及びA証言は、原判決において、防犯カメラに映った人物の同一性を裏付ける証拠として採用されているほか、
原判決も自認する・・・とおり、被告人と犯人の同一性の認定に当たり、最も重要な証拠であると評価されている。 
A鑑定及びA証言にそのような証拠価値を認めるについては、A鑑定の科学的原理やその理論的正当性を解明するとともに、A鑑定の証拠価値やA証言の信用性を判断することが可能となるよう、A鑑定の正確性や、これを裏付ける事情等を明らかにすることが必要不可欠

●A鑑定で用いられた画像について、鑑定資料としての的確性に問題とすべき点はない。
検討の対象とすべきなのは、A鑑定が、異同識別の目的で、このような客観的な画像データをどのような方法によって評価して異同識別の結論を得ているかという点
・・・鑑定資料は客観的なデータなのであるから、前記のような分析・評価において、誰が行っても同一の結果がもたらされるような客観的な分析方法(結果の正しさについて検証可能な分析方法)が採用されており、かつ、そのような方法により得られた分析結果についての評価方法が、主観的なものではなく、客観的にみて信頼できるということになれば、そこで用いられた分析方法・評価方法は、客観性・信頼性を備えていることになろう・・・
 
<解説>
画像識別鑑定の信頼性については、つとに「同一である」といった識別力の評価については慎重な検討が求められるなどを指摘されてきた。 
本判決は、「司法研修所編・科学的証拠とこれを用いた裁判の在り方7」が科学的証拠の限界において論述した部分において、中谷宇吉郎・科学の方法等を参照しつつ、科学的かどうかを考える上では「再現可能性」が本質的な要素となっていると指摘しているのと同様の立場に立った上で、A鑑定を分析したものとであるとの評価が可能。
判例時報2430

| | コメント (0)

2020年3月16日 (月)

過失運転致死で回避可能性に疑い⇒無罪の事案

神戸地裁H30.10.24    
 
<争点>
過失運転致死の関係で、被告人が前方等を注視していれば、被害者が路上に横臥していることを認識し、その上で事故回避できたか? 
 
<主張>
検察官:
視認状況に関する実況見分の結果⇒事故地点の約48.2m手前で被害者の存在を発見できた⇒時速約45kmで走行していた被告人車両の停止距離が約17.5mないし約21.4m⇒十分事故を回避できた。 
 
<判断> 
●過失運転致死
検察官が指摘する実況見分は、前方に被害者に見立てた人形があると分かった上で、静止した状態で確認したもの
but
事故時は、被害者が横臥しているとは知らず時速約45kmで走行
⇒前提条件が異なっている。

事故当時の視認状況:
①被告人車両の前照灯の照射距離実験の結果、
➁現場付近の街頭の設置状況、
③事故直前に現場を通過した自動車のドライブレコーダーの映像、
④その自動車の運転手の証言等

被告人車両の前照灯の照射距離内に被害者が入らない限り、その存在を確認することはできなかった

前照灯の照射距離:
対象物の存在を分かった上で静止した状態で確認したもの⇒実際の走行時とは条件が異なる。
⇒被告人車両の照射距離と停止距離との間に十分な余裕があることを要求。

被告人が前方を注視していたとしても、事故を回避できなかった疑いが残るとして、無罪
 
●道交法違反 
検察官:
①事故時に相当の衝撃があったこと、
➁被告人が事故時に急制動等の回避行動をとっていること等

被告人が人を轢過した可能性があると認識していたと推認できる。
vs.
事故現場の状況や被告人車両に装備されたABSフリーズデータ記録の解析等
被告人が、事故時に人を轢過した可能性を認識していたと推認するに足りる事情はない
判例時報2429

| | コメント (0)

2020年3月15日 (日)

営利の目的、麻薬取締官への捜査協力の評価

東京高裁H30.10.18      
<原判決>
被告人について、覚せい剤営利目的輸入及び関税法違反3件並びに覚せい剤営利目的所持1件の成立を認めた。 
 
<主張>
麻薬取締官に対して捜査協力を行い、その見返りとして被告人が関係する覚せい剤の取引の検挙を見逃してもらうなどの関係を築いてきた。
栃木事件について、金銭的メリットがないことを理解した上で、荷受人を麻薬取締り間に検挙させるなどの目的で加担⇒営利の目的を有さず、共同正犯性もない。
量刑主張。
 
<判断>
●栃木事件について:
麻薬取締官の顔を立て、その要求に応えて共犯者からの加担依頼を引き受けておくことで、その後も継続的に麻薬取締官の監視下で覚せい剤の密売を行って利益を得る目的を有していたと推認することができ、被告人にはこの意味における営利の目的があった⇒共同正犯を肯定。
 
●量刑について 
麻薬取締官が被告人に対して求めた捜査協力は、その適法性や相当性に大きな疑問が存するものであることを前提に、
自己保身や密輸等による利益のためという協力の動機

捜査協力の事実を被告人に有利に考慮する余地はない

麻薬取締官からの被告人に対する助長は、被告人からすれば麻薬取締官から保護の言質を採るやり取りであり、
このように自己保身を図りながら覚せい剤輸入の各犯行への加担を決めた意思決定は狡猾で、
麻薬取締官の助長の存在により、非難の程度が原判決の量刑を左右するほど減弱するとはいえないし、被告人の罪の意識が減じていたとも認められない
 
<解説>
覚せい剤法における「営利の目的」:
犯人がみずから財産上の利益を得、又は第三者に得させることを動機・目的とする場合をいうと解すべき(判例)

自利目的について、それが認められるのは、当該犯罪行為を手段として直接に利得しようとする動機・目的がある場合に限られない
判例時報2429

| | コメント (0)

2020年3月 5日 (木)

刑特法12条と憲法33条。刑特法12条2項に基づく緊急逮捕が違法とされた事案。

那覇地裁H31.3.19  
 
<事案>
辺野古沿岸域における基地建設に対する抗議活動を行っていたXが、
(1)一般人の立入りの制限されている区域に侵入したとして米軍に身柄を拘束されてから8時間を経過して海上保安官に身柄を引き渡されたことについて、
①海上保安官が身柄を直ちに引き受けなかったこと、
②米軍が身柄を日本の当局に直ちに引き渡さず、その間身柄の拘束理由を告知せず、弁護士への連絡の要請を拒否したこと
が違憲、違法であるとともに、
(2)Xが、引き続き日本国の米国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法12条2項に基づき緊急逮捕されたことについて、
①国会が憲法33条、31条に反する刑特法12条2項を立法し、その改廃を怠ったこと、及び
②刑特法に従ったとしても海上保安官による緊急逮捕が、
いずれも違法であると主張

Y(国)に対し、国賠法1条1項(米軍の行為につき日本国とアメリが合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う民事特別法1条、国賠法1条1項)に基づく損害賠償を求めた。
 
<争点>
①刑特法12条2項が憲法33条に反するか否か
②海上保安官にXの身柄を米軍から直ちに引き受けなかった違法が認められるか否か、
③海上保安官による刑特法12条2項に基づくXの緊急逮捕に違法が認められるか否か 
 
<規定>
憲法 第33条〔逮捕に対する保障〕
何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

刑特法 第一二条(合衆国軍隊によつて逮捕された者の受領)
検察官又は司法警察員は、合衆国軍隊から日本国の法令による罪を犯した者を引き渡す旨の通知があつた場合には、裁判官の発する逮捕状を示して被疑者の引渡を受け、又は検察事務官若しくは司法警察職員にその引渡を受けさせなければならない。
2検察官又は司法警察員は、引き渡されるべき者が日本国の法令による罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由があつて、急速を要し、あらかじめ裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げてその者の引渡を受け、又は受けさせなければならない。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちにその者を釈放し、又は釈放させなければならない。
3前二項の場合を除く外、検察官又は司法警察員は、引き渡される者を受け取つた後、直ちにその者を釈放し、又は釈放させなければならない。
 
<判断>
刑特法12条2項について、憲法33条に適合的な解釈の下、米軍に現行犯として身柄を拘束された者に適用される限りにおいて、憲法33条に反するとはいえず、明確性の要件(憲法31条)にも反しない
but
前記の憲法適合的解釈の下で、海上保安官がXの身柄を直ちに引き受けなかったこと及び刑特法12条2項に基づきXを緊急逮捕したことはいずれも国賠法上違法
Xの請求を一部認容。 
 
<解説・判断> 
●刑特法12条2項が憲法33条に反するか?
◎ 刑特法12条:
司法警察員等が米軍から被疑者の引渡しを受ける際、事前の司法審査を経た逮捕状を示すべきことを法制上の原則としつつも、刑訴法210条1項に類似した要件の下で、事前の司法審査を経ない逮捕も許容している。

刑特法12条2項に基づく緊急逮捕は、。刑訴法210条1項に基づくものに比べて、対象犯罪について何らの限定もされておらず、緊急逮捕が可能な場面がより広く解される余地もある⇒憲法33条適合性が問題。

◎ 判断:
最高裁昭和30年判決の趣旨

特に犯罪の嫌疑が強く、逮捕の必要性が高く、かつ、捜査官憲が逮捕前に司法審査を求める余裕がない場合に限定して、逮捕後直ちに司法官兼から令状が発付されることを条件として、短時間の司法審査前の逮捕を容認することは、直ちに憲法33条に反するものではない
刑特法12条2項が、その文理上、特に逮捕の必要性が高いと考えられる例外的な事情のある場合を除き現行犯逮捕すらも許容されていない軽微事犯(刑訴法217条)についてすら緊急逮捕を許容しているとも読める点には解釈上の疑義。
but
現行犯として逮捕された場合に司法官憲の事後審査に服さしめることは憲法33条の禁ずるところではない。

逮捕後直ちに司法官憲から令状が発付されるべきこととの関係でも、刑特法12条2項が適用される場合、常に米軍による身柄拘束が先行している関係にあることを踏まえ、米軍から日本の捜査官憲に直ちに身柄が引き渡されるべきことは憲法上の要請

日本の捜査官憲が、米軍から身柄を引き渡す旨の通知を受けた後、米軍から身柄拘束の原因となった事情を聴き取り、身柄を引き受けるのに不可欠な事務上の手続に必要な時間を超えて、新たな疎明資料を収集することは、憲法33条の想定、許容する解釈とはいえない
刑特法12条2項は、以上のような解釈の下、米軍により現行犯として身柄を拘束された者に適用される限りにおいて、憲法33条に違反しない。

合憲限定解釈。
 
●海上保安官にxの身柄を米軍から直ちに引き受けなかった違法が認められるか? 
◎ 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(日本地位協定)17条10項(a)及び(b)に関する合意議事録1項中段2文は、
米軍当局により逮捕された者で米軍の裁判権に服さないすべてのものは、直ちに日本国の当局に引き渡さなければならないとしており、
日米合同委員会における刑事裁判管轄権に関する合意事項10項は、日本国の裁判権のみに服する者でアメリカ合衆国の当局によって逮捕されたものは、逮捕を行った現地憲兵司令官から直ちに日本国の当局へ引き渡されるとしている。

米軍が身柄を拘束した者について、米軍から日本国の当局へのその身柄の迅速な引渡しが要請されている。 
 
◎ 判断:
刑特法12条2項の合憲性に関する解釈
米軍から身柄を引き渡す旨の通知を受けた司法警察員等は、職務上直ちにその身柄を引き受けるべき高度の注意義務を負っている
⇒米軍による身柄拘束後引渡しまでの時間の経過の合理性は厳格に吟味する必要がある。 
Xの身柄拘束の3分後に米軍から海上保安部に対してされた電話連絡は、刑特法12条1項にいうXを引き渡す旨の通知に当たると解するのが相当。
その後に海上保安部が行っていたとYが主張する捜査等について、それらを行うことの合理性を検討し、結論として、前記電話連絡後長くても2時間を超えた海上保安官によるXの身柄の引受けの遅延について、合理的理由があると認めることはできず、違法がある。
 
●海上保安官による刑特法12条2項に基づくXの緊急逮捕に違法があったか? 
刑特法12条2項に基づく緊急逮捕が適法であるためには、それに先立つ身柄の引受けが直ちに行われていることが不可欠
本件ではXの身柄の引受けは直ちに行われたとはいえない。

その後の同項に基づく緊急逮捕は違法

海上保安官による身柄の引受けが違法に遅延した本件においては、海上保安官は刑特法12条2項に基づく緊急逮捕を行なうのではなく、Xを直ちに釈放すべきであった。
判例時報2428

| | コメント (0)

2020年2月21日 (金)

建築士の過失が否定された事例

東京高裁H28.10.13    
<事案>
店舗駐車場につながる車路スロープの構造設計を途中から引き継いだ建築士である被告人が、自らの設計内容に問題はないものの、その設計内容を設計・工事管理の総括責任者である意匠設計担当者に正確に把握できるように適切に配慮すべき注意義務に違反⇒有罪とされた事件の控訴審。 
 
<原審>
起訴当時の素因は、まさに、被告人自身の設計内容が、床スラブで接合しない危険な内容であると把握して、そのような構造設計をしたこと自体を過失としていた
=検察官は、被告人の客観的な設計内容を取り違えて起訴

検察官の訴因変更請求(床スラブにより接合するとの前提で構造設計をしたことを意匠設計担当者が正確に把握できるように適切に配慮しなかった過失への変更)を許可し、その変更された訴因に沿った過失を認定。 
 
<判断>
原審が認めた配慮する義務自体を原則的に否定。

被告人は、自らの設計内容を変更後構造計算書や変更後構造図を示すなどして意匠設計担当者らに伝えたことは証拠上明らかな事実であり、本来、設計担当者間の伝達はそこでまかなわれるはずのもの

お互いに資格をもったプロとして仕事をしている⇒図面等の成果物の上で設計内容が明確であれば、他の者がこれを適切に引き継ぐことを期待するのは当然(被告人の作成した構造図や構造計算書は、これを建築士が通常の注意義務を払ってみれば、床スラブにより接合するものと認識することが可能であると認定されている)。
経費削減と工期短縮を目的として、構造を変更するために被告人に依頼があった⇒当然構造変更があることは予測できた

原審が認定するような配慮義務は、被告人にはなく、設計を総括していた意匠設計担当者らにおいて、構造変更を予測して、その変更内容を確認すべき義務があった。

被告人の過失を肯定した原判決の認定・説示を論理則、経験則等に適わない、あるいは反するものとして、原判決を破棄
判例時報2427

| | コメント (0)

2020年2月11日 (火)

手術後の準強制わいせつ被告事件が無罪とされた事案

東京地裁H31.2.20  
 
<判断>
●Aに対して麻酔薬が投与された時刻、投与された麻酔薬の種類及び量、手術終了後のAの言動等を認定し、2名の専門家の証言に基づいて
①Aに対する手術は述語せん妄の危険因子とされる乳房手術であった
②Aには通常より多量の麻酔剤が投与された
③Aは手術に起因する疼痛を感じ、かつ、Aに対する鎮痛剤の投与は通常より少量であった

Aはせん妄状態に陥りやすい状態であった

麻酔覚醒時のAの動静等
⇒Aがせん妄状態に陥り、性的幻覚を体験していた可能性が相応にある。

このような幻覚は鮮明であって、訂正しがたい確信を持っているとされている
⇒Aの証言が具体的で迫真性に富み、Aが一貫した供述をしていることをもっていしても、Aの証言の信用性に疑義を差し挟む余地が広がる。

●Pの鑑定手法:
①Pはアミラーゼ試験の陽性反応の結果やリアルタイムPCRによるDNA定量検査の結果をワークシートに手書き記載しているところ、同ワークシートには消しゴムで消して上書きした痕や消しゴムで何らかの記載を消した痕が残されている。
②実験結果の検証可能性確保や刑事裁判に向けた証拠についての紛糾を避けるためにも鉛筆での記載はふさわしくない。
③ワークシートの記載の中には、日時が前後して記載されたことがうかがわれるものがある。
④Pは、鑑定時に本件付着物からDNAを抽出した液の残余を、検察官からDNA定量検査の結果が重要であることを知らされた後に廃棄しているところ、この行為は、DNA定量検査の結果の妥当性を端的に検証する手段を失わせたもの。

検査者としてのPの誠実さには疑念がある

●Pが採用した方法はアミラーゼが微量でも含まれれば陽性反応を示す点で鋭敏度が高いとする専門家証言⇒唾液以外の体液に由来するアミラーゼにより陽性反応がもたらされる可能性も否定できない。

本件付着物から被告人1人分のみのDNA型が検出。
検察官請求の専門家証人:2名の混合DNA量の比率が100対1以上の場合⇒すべてのアレルにおいて1名分のDNA型しか顕出されない。
弁護人請求の専門家証人による実験⇒陰性コントロール対照資料である、なめられた理しなかった女性の乳首から採取した試料から女性のDNA型が検出されない場合もあった⇒本件付着物に含まれる被告人のDNA量にかかわらずA(被害者)のDNA型が検出されなかった可能性は残る。

本件付着物に含まれる被告人のDNA量が多量であるという点:
検察官請求の専門証人:
本件付着物中の唾液の量が多量であり、それは会話による唾液の飛沫の付着などでは説明できない。

弁護人請求の専門家証人:
唾液の量ではなく口腔内の細胞がどのくらい含まれているを考慮しなければならない。
口腔内細胞の塊が唾液の飛沫に含まれることはある。

口腔内細胞が含まれた唾液が会話により飛沫し、本件DNA定量検査の結果をもたらした可能性があることを排除することはできない


被告人は無罪
判例時報2426

| | コメント (0)

2020年2月 4日 (火)

間接事実を総合して被告人を犯人と認定し、死刑判決の事案

東京高裁H30.7.30    
 
<事案>
干物店の元従業員であった被告人が、その干物店内において、経営者Aと従業員Bを殺害し、現金約32万円を強取したという強盗殺人の事案。 
事件当日に再就職依頼のために干物店を訪れたことは認めた。
自白なし。

検察官が主張した情況証拠:
事件直後に被告人が所持していた金員の禁酒と金額が被害者の金種と金額に類似
防犯カメラとタクシーのドライブレコーダーによって認められる被告人所有車両の現場の駐車時間が犯行時間帯と合致
 
<原審>
有罪認定で
死刑判決
 
<判断・解説>
●犯人性等についての弁護人の主張を排斥
量刑不当の主張も排斥
「その認定・判断の中核的な部分には、論理則、経験則等に照らして概ね不合理な点はなく、当裁判所としてのその結論は是認できる」

●殺害犯人と被告人との同一性 
駐車していた車両について、控訴審で供述を変更。
(原審において被告人は弁護人にはその旨の説明をしていたが防御方針として敢えてその主張はしなかった)

●量刑不当 
「本件のような死刑選択の当否が問題となる重大事案においては、極刑からだけは逃れたいとの強い欲求から虚偽の弁解をすることは被告人の心情としてはある程度やむを得ないところであって、非難を強める事由としてこの点を重視するのは相当ではないが、結果として反省の情が認められず、犯行後の事情に何ら有利に斟酌すべき点がないという限度では、当然考慮すべき事情となるといえる
判例時報2425

| | コメント (0)

より以前の記事一覧