民法

2013年4月 6日 (土)

刑務所での安全配慮義務違反と消滅時効の起算点

大阪高裁H24.10.25
   
受刑者に使用した革手錠の使用につき、安全配慮義務違反が認められるが、当該行為による損害賠償請求権は時効によって消滅しており、消滅時効の援用が権利の濫用あるいは信義則違反にあたるとはいえないとされた事例 

<事案>
名古屋刑務所に収容されていたXが、刑務官からの革手錠で締め上げられるなどの暴行を受けて骨盤骨折等の傷害を負い、数か月間の病舎での入院等を余儀なくされたとして、Y(国)に対し、安全配慮義務違反に基づき、550万円の損害賠償を請求した事案。 

<規定>
民法 第166条(消滅時効の進行等) 
消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。.

民法 第167条(債権等の消滅時効)
債権は、十年間行使しないときは、消滅する。

<一審>
損害賠償請求権の消滅時効の起算点は、Xが名古屋刑務所を出所した日である平成12年7月30日⇒消滅時効完成せず。

<判断>
損害賠償請求権の消滅時効の起算点は、革手錠が使用された平成10年4月17日か急性腎不全と診断された同月24日。
⇒時効期間経過している。

Yの消滅時効の援用が権利の濫用あるいは信義則違反と解することはできない。

<解説>
安全配慮義務の不履行に基づく損害賠償請求権の消滅時効期間は10年(民法167条1項)と解され、消滅時効は右請求権を行使し得るときから進行。

時効の成立が考えられる事案について、権利の濫用が主張される事例は少なくなく、これを認めた事例もあるが、時効援用が違法・不当と評価されるためには、かなり明白に特殊異常な要件を充たす場合に限定されるべきとされている。

http://www.simpral.com/hanreijihou2013zenhan.html

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