過払い請求

2014年1月 3日 (金)

過払金が発生した時点での新たな借入れと利息制限法上の「元本」

最高裁H25.7.18(その1)

継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約に基づいて金銭の借入れと弁済が繰り返され、同契約に基づく債務の弁済がその借入金全体に対して行われる場合において、過払金が発生している時点で新たな借入れをしたときにおける利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項にいう「元本」の額

<規定>
利息制限法 第1条(利息の制限) 
金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一 元本の額が十万円未満の場合 年二割
二 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分

<判断>
継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約に基づいて金銭の借入れと弁済が繰り返され、同契約に基づく債務の弁済がその借入金全体に対して行われる場合において、過払金が発生している時点で新たな借入れをしたときには、利息制限法1条1項にいう「元本」の額は、新たな借入金に上記過払金を充当した後の額をいうものと解するのが相当である。

<解説>
基本契約に基づいて借入れと弁済が繰り返される取引における「元本」の額につき、最高裁H22.4.20:
「過払金が発生していない時点」で新たな借入をした場合、「元本」とは従前の借入金残元本(制限利率に基づき計算した額)と新たな借入金との合計額をいう。

基本契約に基づいて借入れと弁済が繰り返される取引において過払金が生ずる場合、当事者間に充当に関する特約が存在するなど特段の事情がない限り、当該過払金は弁済当時存在する他の借入金債務に充当される(最高裁H15.7.18)。

基本契約に基づく債務の弁済がその借入金全体に対して行われる場合には、弁済により生じた過払金は、当時は他の借入金債務が存在しなくとも、その後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意が存在し、その合意に従った充当がされる(最高裁H19.6.7)。


利息制限法1条1項が「元本」の額によって制限利率に差を設けた趣旨:
貸付金額が多い場合には、借主の弁済すべき金額が大きく、その負担が重くなる
立法政策上、利率を小さくすることにより、その負担を軽減することにある。
⇒借入金の負担の軽重は、名目上の借入額ではなく、実際の(制限利率に基づき計算した)借入額によって定まる。


平成22年判決:
基本契約に基づく債務の弁済がその借入金全体に対して行われる場合において、ある借入れの時点で、従前の借入金元本と新たな借入金との合計額が利息制限法1条1項所定の各区分における下限額を下回るに至ったとしても、制限利率は変更されない
(←借入れのたびに消費貸借が成立していると解することは取引の実態に即していない(調査官解説))

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