競争戦略

2014年11月21日 (金)

競争力の源泉

競争力の源泉は「違い」にある。
「(価値ある)差別化」ができるかどうか。

そこに至る道は複数ある。

ジョブズは性格は悪かった。
大学をでていない事業家もいくらでもいる。

そこに至るための具体的な必要条件があるわけではない。

言えるのは、同じ状況にある無数の人の中で、差別化(=他人と違うこと)の方法を「生み出し」、それを実行できること。

そういう意味で(抽象的には)「創造性」と「実行力」が必要となる。

その「創造力」や「実行力」は、苦しみぬく中から生まれる場合も多い。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月10日 (木)

法律関係者主導の改革が失敗する理由

今朝(平成26年4月10日)の日経新聞の「経営学はいま 不確実な事業こそ利益を生む」で京都大学の武石教授は、X線装置で先行できた富士フィルム、コンパクトな合成洗剤で先行できた花王、電池交換不要のクオーツ時計で先行できたセイコーエプソンの事例をあげ、次のように指摘される。

①事業化投資における最大の問題は投資に見合う成果が得られるかどうかが事前にわからないことにある。
②イノベーションで先行する企業は確実な見通しがない中でも投資を決断するが、そのような決断は、しばしば、多くの賛同者を得られる客観的な判断ではなく、少数による固有の判断による。
③合意を容易に得られない投資案件について、少数の関係者が固有の判断で実行するからこそ先行企業になれる。

他社との違いを不可欠の要素ととする経営判断は、少数(例えば、アップルはジョブズ1人)で決定されるのであり、常識的な役員はそのブレーキになる。事前に予想収益を証明しろなどと求める社外取締役がいたりしたら、事業化投資などできないだろう。法律関係者が主導する社外取締役を強制する方向性は、経営学の知見と整合しない点に、根本的な問題がある。

需要と供給という基本的な経済原理を理解しないでなされた司法改革(法曹増員)は、ものの見事に失敗した。

法律は「手段」なのだから、制度改革においては、法律関係者の役割は、本来「事務方」であり「裏方」。それが主導で改革するから、失敗する。

法学部人気が落ちて、偏差値序列のトップに君臨していた法学部の権威が落ちたことが、司法改革の最大の功績なのかもしれない。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年3月28日 (金)

社外取締役はフリーライダーとなるだけ

今朝(平成26年3月28日)の日経新聞の「経済学はいま(企業財務とリスク)」のコラムで、一橋大学の中野誠教授が次のような指摘をされている。

日本の上場企業について取締役会の規模がリスクテーク行動にどのような影響を及ぼすのか分析した結果、取締役が1人増えると企業価値が5.8%低下し、総資産利益率(ROA)は0.7%低下する。これは、取締役会のメンバーが増えることにより、①会議での意思決定でほかの役員の意見に軽く同調する「フリーライダー(ただ乗り)問題」や、逆に②意見調整が難航する「コーディネーション問題」が起きることも影響していると考えられている。

社外取締役の導入を強制しても、その企業の事業を熟知していないほとんどの社外取締役は、①右へ倣えでフリーライダーとなるだけであろうし、目先の株主利益にしか眼中にないモノ言う社外取締役が就任すれば、②コーディネーション問題が起きるだろう。

企業活動の適法性を確保することを使命とする監査役制度に加えて、社外取締役を導入する意味はないと思う。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年3月27日 (木)

「優れた戦略」は「多数決」とは一致しない

稲盛さんが、移動体通信事業への参入すをDDIの役員会に提案した時、1人を除いて全役員が事業への参入を反対した(「敬天愛人」から)。
ジョブズも取締役会によって追い出され、その後アップルは凋落した。

大事なのは「多数決」で決めることではなく、「優れた戦略」を行うことである。
そして、「優れた戦略」は「多数決の結果」とは一致するとは限らないし、むしろ一致しないことが多い。

優れた戦略は「他人が行かない道」を行くことであり、得てして卓越した1人が思いつく
そして(成功する前には)多くの凡才には理解されない。
むしろ「常識的で凡庸な」戦略の方が、多数決で支持される。
しかし、「差別化」を必要とする「戦略」にとって、「常識的」であることはマイナス評価でしかない。


日本では、社外取締役の導入が強制され、役員会におけるダイバーシティ(「多様性」)が提言されている。
しかし「個」に「違い」を求めると「全体」は「凡庸」になる
「同質的なパラノイア」が集まると、「全体」は「個性的」になる。


もちろん、組織の運営は「適法」になされなくてはいけない。
しかし、(例えば監査役の制度により)適法性が確保されるのであれば経営のあり方は自由であっていいし、むしろ自由であるべきであろう。
経営判断を1人の天才に委ねる組織形態があってもいいし、そのような会社にこそ投資したい投資家もいるかもしれない。

企業経営の素人の学者や法律家が「適法性」の枠を超えて、社外取締役を強制し、役員のダイバーシティ(多様化)を推進しようとする方向性は、日本企業の競争力強化にはつながらないだろう。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月19日 (土)

戦略とは何か(What Is Strategy?(1996))⑤ 競争戦略(マイケル・ポーター)(8)

●活動システムマップの作成

活動システムマップは、いかに会社の戦略的ポジションが構築された活動に含まれるかを示す。
明確な戦略的ポジションをもつ会社において、いくつかの高いレベルの戦略的テーマ(影のあるサークル)が明らかにされ、緊密に結びついた活動(白いサークル)の集合を通じて実行される。

活動システムマップは戦略的適合を検証し強化するのに有用である。

一連の基本的な質問はプロセスを導く。

第1に、全体的なポジショニング・・製品種類、奉仕されるニーズ、顧客アクセスのタイプ・・と整合する各活動。各活動に責任をもつ者に、会社内の他の活動が彼らのパフォーマンスを改善し又は減じるかを尋ねる。

第2に、活動及び一連の活動が相互に強化する方法があるかどうか。

最後に、ある活動の変化が他の活動の必要性をなくし得るか

●一般的戦略(Generic Strategies)との結びつき

「競争戦略(1985年フリー出版)」において、私は、産業における選択的な戦略的ポジションを表すために、一般的戦略・・・コストリーダーシップ区別(differentiation)及び焦点(focus)・・の概念を紹介した。
一般的戦略は、最も単純で最も広汎なレベルにおいて戦略的ポジションを特徴づけるものとして有用である。

バンガードは、例えば、コストリーダーシップ戦略の例であり、イケアは、その狭い顧客グループを有し、コストベースの焦点の例である。
ニュートロジーナは焦点を絞った区別者である。

ポジショニングのベース・・バラエティ、ニーズとアクセス・・は、これらの一般的戦略の理解をより高いレベルの特異性に運ぶ。

イケアサウスウエストは、両方ともコストベースに焦点を当てるが、イケアの焦点は顧客グループのニーズに基づき、サウスウエストの焦点は特定のサービス種類の提供に基づく。

一般的戦略のフレームワークは異なる戦略の固有の矛盾の間にとらわれることを避けるための選択の必要性を紹介する。
両立しないポジションの活動間のトレードオフは、これらの矛盾を説明する。
コンチネンタル航空は、同時に2つの方法で競争しようとして失敗した。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月15日 (火)

戦略とは何か(What Is Strategy?(1996))④ 競争戦略(マイケル・ポーター)(7)

2-2-2 戦略的ポジションの源泉

戦略的ポジションは、相互に排他的でない、しばしば部分的に重なる、3つの明確な源泉から生じる。

●第1に、ポジショニングは、ある種の産業の製品又はサービスを作り出すことに基づき得る・・・種類ベースのポジショニング(variety-based positioning)

顧客セグメントではなく製品又はサービスの種類に基づく。
特有の活動の組み合わせにより特定の製品又はサービスをより良く作り出せる場合、経済的意味を持つ。

ex.
Jiffy Lube International:
自動車オイルに特化(修理、メンテナンスサービスは行わない。)
その value chain は、より広範なラインの修理店よりも、低コストで素早いサービスを提供。
多くの顧客はその購入を分け、オイル交換は特化した競争者、Jiffy Lubeで行い、他のサービスについてライバルの店に行く。

Vanguard Group(mutual fund industry のリーダー):
成果が予測でき費用が最低の普通株、社債およびマネーマーケットファンドを提供。
特別な成果を犠牲にして継続的な相対的成果を求める投資アプローチ
そのインデックスファンドで知られている。
利率に掛けることはなく、狭い株式グループを避ける。
売買高を抑える⇒コストを抑える。
頻繁な売買はコストをあげ、償還のために資金を用意するためファンドマネジャーに取引を強いる。
⇒顧客にも頻繁な売買を抑えるようアドバイス。
distribution、顧客サービス及びマーケティングにおける一貫した低コストアプローチ
多くの投資家はポートフォリオに1又は複数のヴァンガードのファンドを含み、競争相手から積極的に特化したファンドを購入する。

VanguardやJiffy Lubeの利用者は特定の種類のサービスのための優越的バリューチェーンに応答する。
種類ベースのポジショニングは、幅広い顧客にサービスを提供するが、そのほとんどにとって、特定のセットのニーズのみを満たす。

●第2のポジショニングのベースは、特定のグループの顧客のほとんど又は全てのニーズに対応するもの・・ニーズベースのポジショニング(needs-based positioning)

顧客セグメントをターゲットとする伝統的な考えに近い。

ニーズを異にする顧客グループが存在し、あつらえられた一連の活動がそれらのニーズを最高に満たすことができる場合に生じる。

ある顧客グループは他のグループよりより価格に敏感であり、異なる製品特性を求め、異なる量の情報、サポート及びサービスを求める。

イケアは、ターゲット顧客の家具についての全て(一部でない)のニーズを満たすことを追及する。

ニーズベースのポジショニングの変形は、同じ顧客が異なる機会や異なる機会のタイプの取引のために異なるニーズをもつ場合に生じる。
ex.
同じ人でも、出張の場合と家族旅行の場合で異なるニーズを持ち得る。
缶の購入者・・例えば飲料会社・・はその主たる供給者に対するものと2番目の供給者に対するものでは、異なるニーズを持ちがち。

ほとんどのマネジャーにとって彼らが満たす顧客のニーズからその事業を認識することは直感的にわかるが、ニーズベースのポジショニングの決定的な要素は直感的にわかるものではなく、しばしば見過ごされる。
ニーズにおける違いは、それを満たす最善の活動の組合せが異ならない限り意味のあるポジションに転換しない。
そうでなければ、全ての競合者は同じニーズを満たすことができ、ポジショニングについてユニークで価値のあるものは何もない。

ex.Bassemer Trust Company:
富の蓄積による資産の維持を求める、最低500万ドルの投資資産を有する顧客をターゲット。
洗練されたアカウントオフィサーに14家族を割り当てることで、個人に対応した活動を作る。
投資マネジメントや不動産管理、石油及びガス投資の監視、競走馬や航空機のための会計等、広範囲のカスタマイズされたサービスを提供。
ほとんどのプライベートバンクの重要商品であるローンは、Bassemerの顧客にとってほとんど必要ではなく、顧客の勘定や収入にとって小さなもの。
アカウントオフィサーの高額な報酬と営業費用に占める高い人件費にかかわらず、ターゲットとなる家族についての差別化はプライベートバンキングの競争相手の中で、最も高い自己資本利益率を生み出す。

ex.Citibank:
Citibankのプライベートバンクは、25万ドルの最低資産を有する顧客・・Bassemerの顧客とは対照的に、ローンへの便利なアクセスを求める・・にサービスする。
Citibankのアカウントマネジャーは主に貸し手。
顧客が他のサービスを必要とする時、彼らのアカウントマネジャーは彼らを他のCitibankの専門家・・彼らはパッケージ商品を取りつかう・・に紹介する。
CitibankのシステムはBassemerよりカスタマイズされていないため、より低いマネジャーークライアントレイシオ(1:125)を可能にする。
半年ごとのオフィスミーティングは、最大の顧客のためにのみ提供される。
BassemerとCitibankはその活動をプライベートバンキングの異なるグループの顧客のニーズに合わせるようあつらえた。
同じ価値連鎖は双方のグループのニーズを有益に満たすことはできない

●第3:アクセスベースのポジショニング(access-based positioning)

異なる方法でアクセスできる顧客をセグメントするポジショニング。

彼らのニーズは他の顧客のニーズと同様であるが、彼らに到達する活動の最善の配置が異なる

アクセスは、顧客地理(customer geography)又は顧客割合(customer scale)、あるいは顧客に最善の方法で到達するために異なるセットの活動を要求するものの機能であり得る。

アクセスによるセグメントは、他の2つのベースよりも、より一般的ではなく、より理解されていない。

ex.Carmike Cinemas:
20万人以下の都市でのみ映画館を運営。
いかにしてCarmikeは、小さいだけでなく大都市でのチケット価格をサポートしない市場で儲けるのか。それは、無駄のないコスト構造をもたらす一連の活動を通じて。
Carmikeの小都市の顧客は、大都市の劇場よりも少ないスクリーンと洗練されていない上映技術しか必要としない標準化された低コストシアターコンプレックスを通じてサービスされる。
会社が所有する情報システムとマネジメントプロセスは1人の劇場マネジャー以外に管理スタッフを必要としない。
Carmikeはまた、集権化された購入から優位さ・・(その立地故に)低い家賃と賃金コスト、最低の会社の2%の間接費(産業の平均は5%)・・を享受する。
小さな共同体での営業はまた、Carmikeをして、高度に個人化されたマーケティング(劇場マネジャーは支援者を知っており、個人的関係を通じて集客を増進する)を可能にする。
市場・・主な競争相手はしばしば高校のフットボールチーム・・での唯一の劇場ではなくても、主要であることで、フィルムを選ぶことができ、配給者とよりよい条件を交渉できる。

田舎vs都市ベースの顧客は、活動における違いを駆り立てるアクセスの例である。
巨大顧客ではなく小さい顧客、まばらに存在する顧客でなく密集した顧客は、
別個のグループの同じようなニーズに対応するための、マーケティング、注文処理、ロジスティクスそしてアフターサービス活動を行う最善の方法がしばしば異なる、他の例である。

ポジショニングはニッチを取り出すものとは限らない。
いずれかのソースから現れるポジショニングは広かったり、狭かったりする。
イケアのように焦点を絞った競争者は、一部の顧客の特別なニーズに狙いを定める、それに従って、その活動をデザインする。
焦点を絞った競争者は、より広範なターゲットを有する競争者に過剰にサービスされ(よって価格が高すぎる)、若しくは過少サービスしかされない(よって低価格となる)顧客グループで栄える。
広範囲のターゲットを有する競争者・・例えば、ヴァンガードやデルタエアライン・・は広汎な顧客にサービスし、その通常のニーズに対応するようデザインされた一連の活動を行う。
それは、無視するか、部分的にのみ特定の顧客グループの特徴的なニーズを満たす。

どれがベースであれ・・・バラエティ、ニーズ、アクセス又はそれらの3つの組み合わせ・・ポジショニングはあつらえられた活動を求める。なぜなら、それは常に、供給側の相違・・・それはつまり、活動での相違・・・の機能であるから。
しかしながら、ポジショニングは常に需要、顧客又は側の相違の機能というわけではない。
バラエティとアクセスポジショニングは、特に、顧客の相違に依拠しない。
しかし、実際には、バラエティ又はアクセスの相違は、しばしば、ニーズの相違を伴う。
Carmikeの小さな町の顧客の嗜好・・つまりニーズ・・は、例えば、よりコメディ、ウェスタン、アクションフィルム、そして家族の娯楽にむかう。
Carmikeは、NC-17指定のフィルムは上映しない。

ポジショニングを定義して、「戦略とは何か?」という質問に答え始めることができる。
戦略とは、異なるセットの活動に関係する、ユニークで価値あるポジションの創造である。
会社は単純な命令・・競争に勝ちそれを先取りしろ・・に直面する。
戦略的ポジショニングの本質は、ライバルと異なる活動を選択することである。
同じセットの活動が全ての多様性を作り出し、全てのニーズを満たし、全ての顧客にアクセスする、最善のものであれば、会社は容易にシフトでき、オペレーション効率が成果を決める。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月 6日 (日)

戦略とは何か(What Is Strategy?(1996))③ 競争戦略(マイケル・ポーター)(6)

2-2-1 新たなポジションを見つける

戦略的競争

既存のポジションから顧客を招き、②新たな顧客を市場に導く、新しいポジションを見つけるプロセス

ex.
専門店:1つの製品カテゴリーにおける深い製品を提供し、多くのカテゴリーにおいて限定的なセレクションを扱うデパートからシェアを奪う。
メールオーダーカタログ:便利さを求める顧客(存在していたが見過ごされていた顧客)を獲得する。

現職も起業家も新たな戦略的ポジションを見つける挑戦をするが、新規参入者はしばしば有利である。

戦略的ポジショニングはしばしば明らかでなく、それを見つけるには、創造性と洞察が必要となる。
新規参入者はしばしば、利用できるが既存の競争相手に見過ごされている過ぎない、ユニークなポジションを見つける。

例えばイケアは、無視され又は不十分にしかサービスされていなかった顧客グループを見つけた。

サーキットシティーの中古車への参入(カーマックス):
徹底的に再び磨く、製品保証、価格交渉しない、洗練された顧客ファイナンス・・・長い間既存業者に開かれてきた新たな活動に基づく。

他産業からの参入者は、その他産業から引き継いた特徴的な活動故に新たなポジションを創造できる。

カーマックスは、サーキットシティーの消費者電子機器の小売りにおける消費者在庫管理、クレジットその他の活動における熟練を借りてきた。

より一般的には、しかしながら、新たなポジションは変化により利用できるようになる。
新たな顧客グループ購入機会の発生、②社会の発展により新たなニーズの出現、③新たな流通チャンネルの出現、④新たな技術の開発、⑤新たな機械若しくは情報システムの利用可能。
かかる変化が起こると、新規参入者は、しばしば、長い歴史に邪魔されることなく、より簡単に新たな方法での競争の潜在力をつかむことができる。
現職者と違い、新規参入者は、既存の活動とのトレードオフに直面しないため、柔軟である。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月 5日 (土)

戦略とは何か(What Is Strategy?(1996))② 競争戦略(マイケル・ポーター)(5)

2-2 戦略はユニークな活動に基づく
競争戦略(competitive strategy)は違い(being different)に関係する。

●サウスウエストエアラインの例

①短距離、②低コストでの、③中規模都市の空港及び大都市における2番手の空港間の④2地点間のサービス。

①価格に敏感な顧客(対バス・車)と②便利さに敏感な客(対フルサービスエアライン)(ビジネス客、家族、学生を含む)。

ほとんどのマネジャーは戦略的ポジショニングをその顧客との関係で論じるが、戦略のエッセンスは活動(①異なっての活動、②異なる活動)にある。

フルサービスエアライン:
全てのポイントから全てのポイントへ⇒主要空港を中心とするハブ&スポークシステム
ファーストクラスとビジネスクラス
飛行機を乗り継ぐ顧客のためのスケジュールと荷物の移動
食事の提供

サウスウエスト:
全ての活動は①特定のタイプのルートにおける②低コストでの③便利なサービスを提供するために設計される。

短い待機時間⇒少ない飛行機での①長いフライト時間と②頻繁な発着
食事なし、指定席なし、路線をまたがる荷物移動なし、プレミアクラスサービスなし
ゲートでの自動発券システム
⇒顧客は旅行会社を回避⇒彼らへのコミッションなし
737のみの使用⇒メンテナンスの効率化

設計された活動のセットに基づくユニークかつ価値ある戦略的ポジション
⇒サウスウエストが提供するルートでは、フルサービスエアラインは①より便利や②より低コストではあり得ない。

●イケア(スウェーデンのグローバル家具小売業者)の例:
~明確な戦略的ポジショニングを有する。

①低価格で②スタイルを求める若い購入者をターゲット。

このマーケティングコンセプトを戦略的ポジショニングに転換するのが構築された一連の活動。

サウスウエストと同じく、イケアはそのライバルとは活動を違って行うことを選んだ。

典型的家具店:
商品サンプルの展示。
あるエリアは25のソファが展示され、他では5つの食卓が展示される。
これらのアイテムは顧客が選べるものの一部にすぎない。
織物の布や木のサンプルの何ダースののカタログや選択的なスタイルが顧客に、何千もの製品選択を提供する。
販売員は顧客を店内エスコートし、質問に答え、その選択をナビゲートする。
顧客が選択すると、注文が他の製造会社に送られる。
幸運なら、家具は顧客の家に、6~8週間内に配達される。
これは、カスタマイズとサービスを最大化するバリューチェインであるが、高価格となる。

イケア:
サービスとコストをトレードオフしようとする顧客に尽くす。

クリアなストア内のディスプレイに基づき、セルフサービスモデルを用いる。
他の製造会社に依拠するのではなく、そのポジショニングに合致するよう、独自のローコストのモジュール式の組立てできる家具をデザインする。
広大なストアに、部屋のように全ての製品を展示し、顧客はイメージすることができる。
ショールームの横には箱に入った製品を積んだ倉庫があり、顧客は自分でそれをピックアップして自宅に運ぶ
イケアは車用の屋根上荷台も販売し、返還すればお金を返してもらえる。

ローコストポジションの多くは顧客に自分で行わせることに依拠するが、イケアは競争相手が提供しないサービスも提供する。
店舗内でのチャイルドケア、延長開店時間。
これらのサービスは、若く、金持ちではなく、子供がおり(ベビーシッターはいない)、働いているために特別な時間しか買い物がでいない、顧客のニーズに沿っている。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

| | コメント (0) | トラックバック (0)

戦略とは何か(What Is Strategy?(1996))① 競争戦略(マイケル・ポーター)(4)

2-1 オペレーション効率は戦略ではない
全ての面での改善⇒実行可能な競争ポジションからの離脱。

2-1-1 オペレーション効率は必要であるが十分ではない
オペレーション効率戦略は、優れたパフォーマンスに不可欠であり、全企業の主たる目標であるが、異なる方法で作用する。

優れた利益を実現する場合:
① 顧客により大きな価値を提供(差異)
② 価値をより低いコストで実現(コスト優位)

①価値と②費用における差異は無数の活動から生じる

差異:活動の選択とその実行方法により生じる。
コスト優位:活動の効率性により生じる。

競争優位の基本単位は活動であり、総合的優位性は全活動の結果

オペレーション効率(operational effectiveness)

類似の活動をライバルよりうまく行うこと。
インプットを効率的に利用する全ての実践を意味する。
ex.欠陥の削減、より良い製品のより早い開発

戦略的ポジショニング(strategic positioning)

異なる活動を行い、又は②類似の活動を異なる方法で行うこと。

新しい技術やマネジメントの開発、新しいインプットの利用→生産性のフロンティアは外側にシフトする。

アウトソーシング、仮想企業(virtual corporation)
←全ての活動を専門家と同じ生産性で行うことは困難であるとの認識。

オペレーション効率の改善だけでは十分ではない

①ベストプラクティスの模倣→同一性の罠にはまる。
業界全体の改善→①競合者に対する相対的優位をもたらさず、②利益は顧客や供給者に吸い取られる(業界内に残らない。)。

戦略が無ければ、ライバルを買収する(=ライバルをなくす)しかない。

2-1-2 日本企業の戦略の欠如
①相互に模倣
②全ての製品、サービス、特性を提供する
オペレーション効率の優位性を失うにつれ、利益が縮小した。

日本企業の文化的バリア
①個人間の差異を強めず中和させる。
顧客の全てのニーズを満たそうとする
異なったポジショニングを失わせる

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年10月 1日 (火)

いかに競争要因が戦略を形成するか③ 競争戦略(マイケル・ポーター)(3)

1-2 戦略の形成 (Formulation of Strategy)

産業における競争要因を判断することで、会社の強みと弱みを認識することができる。
戦略的視点における重大な強みと弱みは、各要因の基本原因に相対する会社の姿勢。

次のような行動計画を立てることができる。
(1) その能力が競争要因に対して最も防御できるポジションに会社をおく。
(2) 戦略的動きを通じて要因のバランスに影響を与え、会社のポジションを改善する。
(3) (相手が認識する前に)新しい競争バランスに適合する戦略を選択することにより変化を利用するため、要因の基礎を成す要素のシフトを予想して対応する。

1-2-1 会社のポジショニング (Positioning the Company)

第1のアプローチは、あるがままの産業構造に会社の強みと弱みを合わせる
戦略は、競争要因に対する防御を構築し、産業において最も要因(forces)が弱いポジションを探すもの。

①会社の能力と②競争要因の原因を理解することで、会社が競争すべき又は競争を回避すべき分野が明らかになる。

健全な産業分析を伴う企業の強みの理解が卓越した戦略を生み出す例・・ソフトドリンクでのドクターペッパーの成功。
コカコーラとペプシコーラが支配する産業。

最大販売飲料セグメントを避け(競争回避)、
狭いフレーバーラインを維持し(製品差別化)、
自前のボトラーネットワーク開拓をせず
激しいマーケティングを行った。
規模が小さいことを利用し、最も競争要因にさらされないポジションを選択した。

ソフトドリンク業界では、①ブランド同一性、②大規模なマーケティング、③ボトラーネットワークの利用における参入障壁が巨大。

・ 巨大な費用を費やして自前のボトラーネットワークを作り規模の経済を受け入れる代わりに、その違うフレーバーを利用し、全てのラインを稼動させたいコークとペプシのボトラーに相乗りした。扱いをコークやペプシとは別にする特別なサービスと努力を通じて、これらの買い手(ボトラー)の力を処理した。

・多くの小規模なソフトドリンク会社はコーラー飲料を提供し、メジャーとの直接対決に余儀なくされたが、ドクターペッパーは、普通でないフレーバーでの狭いラインの飲料を維持することで、製品差別化を最大化した。

・最後に、ドクターペッパーは、コークとペプシに対し、その唯一のフレーバーのユニークさを強調する宣伝の猛攻撃をした。このキャンペーンは、強力な独自のブランドと大きな顧客ロイヤリティを作った。この努力を助けるのは、ドクターペッパーのフォーミュラが低原料費ででき、そのメジャーな競争相手に対して絶対的なコスト優位をもたらした。

ソフトドリンクの集中生産には規模の経済は存在せず、ドクターペッパーは小さいシェア(6%)にかかわらず成功することができた。

以上のように、ドクターペッパーはマーケティングにおいて競争に立ち向かう一方、生産ラインと販売において競争を避けた
このすばらしいポジニングとその実行は、収益と株式市場においてうらやましい結果をもたらした。

1-2-2 バランスに影響を与える (Influencing the Balance)

会社は、要因の原因を変えることができる。
マーケティングにおける革新ブランド同一性を高め、製品を差別化する。
巨大設備への投資や垂直統合参入障壁に影響する。
要因のバランスは、外部要因の結果である部分もあるが、会社がコントロールできる部分もある

1-2-3 産業変化の利用 (Exploiting Industry Change)

産業発展は、競争要因に変化をもたらすから、戦略的に重要。
重要なのは、それらが競争要因に影響するかどうかである。

垂直統合(vertical integration)の場合
成熟したコンピューター産業において、製造及びソフト開発の両面において、広範な垂直統合が行われている。
この重要な傾向は、規模の経済を高め競争に要する資本量を大幅に高める。
これは、参入障壁を高め、産業成長が止まれば小規模な競争者を追い出すことになるかもしれない。

戦略的視点における最優先の傾向は、産業における最も重要な競争要因に影響するものであり、新しい要因を最前列におし出すもの

収縮エアゾル包装(contract aerosol packaging)での製品の同一化⇒①買い手の力の増大、②参入障壁の低下、③競争激化。

競争分析の枠組みは、産業の最終的な収益力の予測に用いることができる。
長期の仕事プラニングは、各競争要因を検証し、各基本要因の重要性を予測し、産業の潜在収益力の複合図を組み立てる
その結果は、既存の産業枠組みと大きく異なるかも知れない。

太陽熱ビジネス
多くの会社が参入し、従来製品の代替製品として確立しようとしのぎを削っている。
この産業の潜在力は、将来の参入障壁の形成代替製品との関係における産業ポジションの改善買い手及び供給者が得るであろう力に依拠する。

これらの特性は、ブランド同一性の確立、技術変化による形成される設備製造における規模の経済又は経験曲線、競争のための究極的資本コスト、及び生産施設におけるオーバーヘッド等の要因により影響を受ける。

産業競争を分析する枠組みは、多様化戦略に直接的な利益をもたらす。
それは、「ビジネスの潜在力」という、多角化の決断における極めて困難な問題の回答のための道路地図を提供する。
その適用において、枠組みを判断に組み合わせることにより、買収価格に反映される前に、将来性のある産業を見つけるかもしれない。

1-3 多面的競争 (Multifaceted Rivalry)

経営者は、戦略形成における重要なステップとしてそのビジネスの定義に多くの関心を払ってきた。
しかし、成長と存続に必要なのは、既存の又は将来における対抗者からの攻撃を受けにくい、そして、買い手、供給者及び代替製品からの侵食を受けにくいポジションを確立することである。
かかるポジションの確立は、多様な形式をとり得る。・・・好意的な顧客との関係を固め、製品を物理的に又はマーケティングを通じて心理的に差別化し、統合(integrating forward or backward)し、技術的リーダーシップを確立する。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

| | コメント (0) | トラックバック (0)