« 幼稚園の日照について配慮すべき義務を怠った⇒マンション建築についての損害賠償請求が肯定された事例 | トップページ | 出生届未了の子が母(フィリピン国籍)の元夫である相手方(日本国籍)に対して申立て嫡出否認の調停⇒合意に相当する審判の事例。 »

2022年8月 2日 (火)

道路の対面信号の設置・管理の瑕疵(肯定事例)

神戸地裁R3.6.25

<事案>
K字型変形交差点で発生したX2運転の自動車(原告所有)とY2所有、Y3運転の自動車(被告車)との間の事故に関し、X2及びその妻のX3が、本件交差点に接続する2つの道路の対面信号機が共に一定時間青色表示となるように設定されていた⇒本件信号機の設置・管理に瑕疵がある⇒Y1(兵庫県)に対し、国賠法2条に基づき、損害賠償を請求すると共に、
Y3について民法709条、Y2について自賠法3条に基づいて、損害賠償を請求。
(なお、X2に療養補償給付を支給した地方公務員災害補償基金であるX1の代位取得した損害賠償請求権に基づく、損害賠償請求訴訟が併合されている。)

<判断・解説>
●本件信号機の設置・管理の瑕疵
◎ 地方公共団体であるY1に属する県公安委員会が設置・管理する信号機については、公の営造物に該当。
営造物の設置又は管理の瑕疵営造物が通常有すべき安全性を欠いていること
その存否については、当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して個別具体的に判断すべき。
(最高裁)

◎ 判断:
道路、特に交差点において信号機が設置されている意義:道路交通の安全と円滑を図るため
信号機が通常有すべき安全性の存否:通常人の一般的な感覚に沿う形で判断するのが相当

本件交差点に設置された本件信号機における、左折可青矢印表示と青色表示が同時に生ずる状態(青々状態)、本件信号機の規制に従った自動車の走行経路が交差する事態を招くことの危険性⇒通常有すべき安全性を欠いている。

Y1の主張:信号機の設置・管理については考案委員会に一定の裁量権があり、これを前提とし、本件交差点の形状等を考慮すれば、本件信号機には、許容されないほどの安全性の欠如(瑕疵)はない。

●X2の後遺障害
X2の右下肢についての複合性局所疼痛症候群(CRPS)の発症の有無:
明白な骨萎縮が認められない⇒CRPSの発症を否定
but
CRPSとする医師の診断も踏まえ、X2の右下肢には関節拘縮や、皮膚の変化などの他覚的所見が存する⇒局部に頑固な神経症状を残すものとして、後遺障害等級12級13号に該当。
争いのない左下肢の後遺障害(7条4号)と併合し、併合6級と判断。

判例時報2518

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP

|

« 幼稚園の日照について配慮すべき義務を怠った⇒マンション建築についての損害賠償請求が肯定された事例 | トップページ | 出生届未了の子が母(フィリピン国籍)の元夫である相手方(日本国籍)に対して申立て嫡出否認の調停⇒合意に相当する審判の事例。 »

判例」カテゴリの記事

民事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 幼稚園の日照について配慮すべき義務を怠った⇒マンション建築についての損害賠償請求が肯定された事例 | トップページ | 出生届未了の子が母(フィリピン国籍)の元夫である相手方(日本国籍)に対して申立て嫡出否認の調停⇒合意に相当する審判の事例。 »