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2022年8月 5日 (金)

高体連の主宰する講習会の講師としての業務中の災害と公務遂行性(肯定事例)

宇都宮地裁R3.3.31

<事案>
Xは、本件災害は、地方公務員災害補償法1条所定の「公務上の災害」に当たる⇒同法に基づく公務災害認定請求⇒公務外認定処分⇒審査請求を経由した上、その取消しを求めた。

<主張>
Y(地方公務員災害補償基金):高体連が主宰する業務は公務でないことを前提に、公務追行中の災害ではない。

<判断>
● 地方公務員の「負傷、疾病、傷害又は死亡」が地方公務員災害補償法に基づく公務災害に関する補償の対象となるためには、それが「公務上」のものであることを要し
そのための要件の1つとして、当該地方公務員が任命権者の支配管理下にある状態において当該災害で発生したこと(公務遂行性)が必要。
⇒本件においてXが関与した高体連関連業務は、XをA高等学校登山部顧問に任命したA高等学校長によって、「特に勤務することを命じられた」業務に当たるかが問題

● ・・・あくまで登山部顧問への就任を命じるものにとどまり、高体連関連業務への従事ないし関与を「特に勤務」として命じたものとは解されない。
Xが行った高体連関連業務は・・・明示的に「特に勤務」を命ずることによって行われたものであるとはいえないが、このことは黙示的な職務命令によって非公務である高体連関連業務が行われる場合があることを排除するものとは解されない


①本件講習会を主宰、主管する高体連の登山専門部の役員は、高体連の加盟校の学校長及び当該山岳部の顧問が努めており、本件講習会当時、A高等学校長及びXは役員であった
②本件講習会に生徒を引率した教員は、行使をすることが予定され、経験豊富な教員が、経験の少ない教員が引率する他行の生徒の指導に当たることで、全体として安全を確保する指導体制がとられており、他校の生徒だけを指導することも予定されていた
③4月及び5月に登山を予定している高体連加盟校は3月に開催される春山安全登山講習会を受講することが慣例化していた
④A高等学校長は前記慣例に従って、自校の生徒を本件講習会に参加させるために、顧問であるXに対して前記旅行命令を発出したこと

本件講習会は、公務としての部活動ではないものの、A高等学校の登山部の部活動の一環ないし延長線上の活動として実施されたもの。

Xは、職務命令権者であるA高等学校長から前記旅行命令を受けたのを機に、単にA高等学校と全部の生徒を引率するだけでなく、公務としてのA高等学校登山部の部活動に密接に関連する本件講習会に講師として参加し、他校の生徒に対しても当然に指導を行うことにつき、黙示的な職務命令を受けていたものと認めるのが相当。
公務遂行性及び公務起因性の要件を満たし、公務外認定処分は違法であるとして、本件請求を認容

判例時報2518

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP

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