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2022年5月14日 (土)

排除措置命令に係る命令書の主文の記載と理由の記載に違法があるとされた事例

東京高裁R2.12.11

<事案>
小売業者であるXが、Y(公正取引委員会)に対し、Xに対する平成25年改正前独禁法に基づく排除措置命令審判事件及び課徴金納付命令審判事件について、YがXに対してした審決のうち、Xの審判請求を排除した部分の取消しを求めた事案。

<争点>
①Xの取引上の地位が納入業者127社のそれぞれに対して優越しているか
②Xが納入業者127社のそれぞれに対して濫用行為を行ったか
③課徴金の算定方法についての違法性の有無
④本件各命令書における主文の不特定及び理由の記載の不備による違法性の有無

<判断>
争点④について
排除措置命令の主文の内容があまりに抽象的で、名宛人が当該命令を履行するために何をすべきかが判然としな主文の記載は違法
排除措置命令書及び課徴金納付命令書において理由の付記が要求される趣旨は、Y(公正取引委員会)の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、その理由を名宛人に知らせて不服申立てに便宜を与える点にある⇒要求される付記の内容及び程度は、特段の理由がない限り、いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して当該処分がされたかを、処分の相手方においてその記載自体から了知し得るものでなければならない。

これを本件各命令書についてみると、本件排除措置命令書及びこれを引用した本件課徴金納付命令書の記載からは、Xが違反行使をした相手方である「特定納入業者」が具体的に特定されていない。
本件各命令書に同封された本件一覧表は、本件各命令の一部を構成するものではなく本件課徴金納付命令の参考資料と位置付けられており、これを本件各命令書と一体のものとは評価できないし、本件一覧表の記載に照らし、これに記載された事業者が特定納入業者であるとも評価できない。
⇒本件各命令書の記載を本件一覧表で補充することはできない。
主文の一部及び理由の記載には重大な違法があり、本件各命令は取り消されるべきである。

<解説>
理由付記の趣旨及びその程度についても、一般的な行政処分における理由付記についての判例理論に沿うもの。

判例時報2510

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