原決定の第1種少年院送致決定が著しく不当とされた事案
広島高裁R2.8.18
<事案>
自立援助ホームで生活する少年(16歳)と被害者がもみ合いになった際、少年が台所から包丁を持ち出して示凶器脅迫を行った事案。
<原決定>
少年を第1種少年院に送致
<判断>
①少年の非行性がさほど進んでいるとは言い難く、
②再非行が強く懸念されるほど要保護性が大きいともいえない
⇒少年院における矯正教育を必要とするような深刻なものとはいえない。
⇒原決定の処分は著しく不当。
社会内処分の可能性を見極めるために必要であれば、試験観察に付するなどの措置をとることも考えられた事案。
<解説>
原決定と本決定の分かれ目は
①非行事実自体の評価
②非行性(非行反復の傾向)
③保護環境等に対する評価
判例時報2509
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