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2022年4月24日 (日)

弁護士職務基本規程57条に違反する訴訟行為について、相手方が排除を求めることができるか(否定)

最高裁R3.4.14

<事案>
Xらが、C弁護士は 基本規程27条1号により本件訴訟につき職務を行い得ない⇒C弁護士と同じ法律事務所に所属するA弁護士らが本件訴訟においてYの訴訟代理人として訴訟行為をすることは基本規程57条に違反⇒A弁護士らの各訴訟行為の排除を求めた。
基本規程27条1号は弁護士法25条1号に相当するが、基本規程57条は弁護士法その他法律に相当する規定は見当たらない。

<判断>
基本規程57条に違反する訴訟行為について、相手方である当事者は、同条違反を理由として、これに異議を述べ、裁判所に対しその行為の排除を求めることはできない。

<解説>
弁護士の訴訟行為の排除については、弁護士の利益相反を規律する規定である弁護士法25条違反の訴訟行為の効力として議論。
A:有効説
B:絶対的無効説
C:異議説

最高裁昭和38.10.30:
同条1号に違反する訴訟行為について、相手方である当事者は、これに異議を述べ、裁判所に対しその行為の排除を求めることができるものとして、Cの異議説を採用

弁護士法25条1号について弁護士の品位の保持と当事者の保護とを目的とするものであり、
その違反を懲戒の原因とするに止め、その訴訟行為の効力には何らの影響を及ぼさず、完全に有効なものとすることは、同条立法の目的の1である相手方たる一方の当事者の保護に欠ける

共同事務所に所属する弁護士の利益相反を規律する規定である基本規程57条が、共同事務所の所属弁護士が、他の所属弁護士等が基本規程27条1号により職務を行い得ない事件について職務を行ってはならないとするのも前記と同様の目的にある
but
弁護士は、委任を受けた事件について、訴訟代理人として訴訟行為をすることが認められている(民訴法54条1項、55条1項、2項)⇒内部規律である基本規程を根拠に、その行為の排除という訴訟上の重大な効力を決すべきではない。

尚、最高裁R3.6.2は、他の所属弁護士が基本規程27条4号により職務を行い得ないとして基本規程57条違反が主張されている事案において、本決定を引用の上、訴訟行為の排除を求めることはできないとした。

判例時報2509

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