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2021年12月29日 (水)

「航海の用に供する船舶」とは、社会通念上海上とされる水域を航行する船舶をいうとされた事例

福岡高裁R3.2.4

<事案>
平成30年台風21号の暴風により、関西空港連絡橋に衝突する事故を起こしたタンカーの所有会社が、当該事故によって生じた物の損害に関する債権について、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(「責任制限法」)に基づく責任制限手続開始決定を受けた
⇒ 債権者が即時抗告

<解説等>
●責任制限法の沿革・趣旨
責任制限制度は、船舶所有者等の責任の程度を緩和する反面、債権者の権利を制限するもの。
but
憲法29条1項及び2項に違反しない(最高裁)。

最高裁昭和48.2.16:
昭和50年改正前の商法690条について、
船長その他の船員の職務の特殊性に鑑み、民法715条に対する特則を定めたものであって、船舶所有者の責任の範囲について有限責任を規定する反面で、その帰責事由については船舶所有者の過失の有無を問わないこととしたものと解すべき。

●「航海の用に供する船舶」の意義
海商法(商法第3編)が適用される船舶について、商法684条は商行為をする目的で「航海の用に供する船舶」と定義
責任制限法2条1項1号にも同様の定義規定

「航海のように供する船舶」に該当するか否かが、海商法及び責任制限法の適用の可否を画するメルクマール。

●本決定:
①平成30年改正を受けて、商法684条及び責任制限法2条1項1号の「航海の用に供する船舶」の意義について、平成30年改正前の通説とは異なり、平成30年改正の趣旨を踏まえて近時再評価されるに至った見解に沿った解釈を採用して適用
②昭和50年改正後の商法690条、民法715条及び責任制限法の位置づけを整理し
③責任制限法3条3項の責任阻却事由についての一般的な解釈に沿ってこれを適用した事例。

判例時報2498

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