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2021年10月19日 (火)

債権仮差押えと債務者・第三債務者間の示談

最高裁R3.1.12

<事案>
XがYに対し、Yが起こした交通事故について損害賠償を求めた事案。
X:本件事故で死亡したBの相続人らに対して債権を有しており、これを請求債権として、本件相続人らが相続により取得した被害者BのYに対する損害賠償請求権を仮に差し押さえた上、その後に差押命令及び転付命令を得て、同損害賠償請求権を取得。
Y:仮差押えを受けた後、本件相続人らとの間で、
①Yが本件相続人らに対し、本件事故による一切の損害賠償金として4063万円余りの支払義務があることを認めること、
②Yと本件相続人らとの間には、本示談で定めるほか、何ら債権債務のないjことを相互に確認すること等を内容とする示談

XがYに対して、本件示談金額を超える額の請求をすることができるか?

<原審>
本件示談が仮差押えにより禁止される債権者(X)を害する処分であるということは認められない⇒XがYに対して本件示談金額を超える額の請求をすることはできない。

<判断>
債権仮差押命令の第三債務者であるYは、仮差押債権者であるXを害する限度において、本件示談にをもってXに対抗することはできないというべきであり、原判決の指摘する事情はこの判断を左右するものではない⇒原判決には法令解釈の誤りがある。

<解説>
債権仮差押命令:
仮差押債務者に対して債権の取立てその他の処分を禁ずる効力(処分禁止効)を有しており、
債権の仮差押えによって仮差押債権者を害する一切の処分が禁止され、
仮差押えの後に仮差押債務者がした処分は、仮差押債権者を害する限度において、仮差押債権者に対抗することができない

本件示談は、Xが仮に差し押さえた損害賠償請求権の金額が本件示談金額を超えないことを確認する趣旨を含む
⇒Xが仮に差し押さえた損害賠償請求権の実際の金額が本件示談金額を上回るときであっても、XがYに対して本件示談金額を超える額の支払を請求することはできない⇒本件示談がXを害し得るものであることは明らか。

判例時報2490

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