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2021年9月21日 (火)

同性婚と国賠請求

札幌地裁R3.3.17

<事案>
米国最高裁:2015年6月26日、5対4の評決で、同性のカップルの婚姻を認めない州法(州憲法を含む。)の規定は合衆国憲法のデュー・プロセス条項及び平等保護条項(いずれも修正14条)に違反すると判断。
ドイツでも、立法により、2017年10月1日から同性カップルの婚姻が認められる。
日本でも、平成27年10月以降、同性のカップルの関係を公的に認めるパートナーシップ制度を導入する自治体が次第に増加。

平成31年2月に、同性カップル13組26人が、各地裁に、同性婚を認めない民法、戸籍法は、憲法13条、14条1項、24条に違反⇒国が必要な立法措置を講じていないことは国賠法1条1項の適用上違法⇒国賠請求訴訟。

<争点>
①同性婚を認めていない民法及び戸籍法の婚姻に関する諸規定が憲法13条、14条1項、24条に違反するか否か
②同性婚を認めていない民法及び戸籍法の婚姻に関する諸規定を改廃しないことが国賠法上違法の評価を受けるか否か

<判断>
●憲法24条、13条と同性婚
憲法24条の制定経緯に加え、同条が「両性」、「夫婦」という異性同士である男女を想起させる文言を用いている⇒同条は、異性婚について定めたもので、同性婚について定めるものではない民法及び戸籍法の諸規定が同性婚を認めていないことが、憲法24条に違反すると解することはできない。

具体的な制度の構築を国会の合理的な立法措置に委ねる憲法24条2項や、包括的な人権規定である憲法13条によって、同性婚を含む同性間の婚姻及び家族に関する特定の制度を求める権利が保障されていると解するのは困難。

●憲法14条と同性婚
・・・・
⇒民法及び戸籍法の諸規定が、異性愛者に対しては婚姻という制度を利用する機会を提供しているにもかかわらず、同性愛者に対しては、婚姻によって生じる法的効果の一部ですらもこれを享受する法的手段を提供しないとしていることは、立法府の裁量権の範囲を超えたもの⇒合理的根拠を欠く差別的取扱いに当たる。

●争点②
・・・・
民法や戸籍法の諸規定が憲法14条1項に反する状態に至っていたことについて国会において直ちに認識することは容易ではない。

現在まで国会が同性婚を制約する民法及び戸籍法の諸規定を改廃していないことが国賠法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではない。

判例時報2487

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