« 少年の窃盗保護事件における、立件されていない大麻使用に関する事情の考慮が許容される限度を超えたものとして、違法とされた事例 | トップページ | 共同被告の1人について弁論を分離して終結・判決⇒訴訟手続に法律違反又これに準ずる不当な取扱いありとされた事案 »

2020年11月 1日 (日)

ゲーム依存状態の少年緒住居侵入保護事件で、児童自立支援施設送致の原決定が取り消された事案

広島高裁R1.8.28

<経緯>
原決定:少年を児童自立支援施設に送致。
判断:原決定の処分が著しく不当⇒原決定を取り消して本件を原裁判所に差戻し。
差戻審:3か月余りに及ぶ在宅試験観察の後、高校受験を待たずに少年を一次短期保護観察に付する。

<解説>
● 本決定:
原決定の処分が著しく不当であることの理由:
社会内処遇の可能性を十分に調査・考慮することなく、収容処遇である児童自立支援施設装置を選択 した点

取消決定:
①他の処分相当型
②審理不尽型
で②に属する。

● 処遇選択に当たり、収容処遇によって少年が受ける不利益の程度を考慮する必要があることは、いわゆる「収容処遇の謙抑性」という観点で、実務上、1つの共通認識といえる。
少年の資質、学力、進学への意欲等から、高校進学が1年遅れる、という点は、少年の健全育成の観点からは負の要因ともなりかねない本件では、収容処遇には、それを正当化するに足りる程度の要保護性があるかどうかを慎重に見定める必要があるとした。

● 原決定:
少年がゲーム依存状態にあり、これまでえゲーム関係品の窃盗や、家出のための邸宅侵入等の触法事件を繰り返し、診療クリニックへの入院や児童相談所における指導等の介入措置を経ても非行性が解消されずに本件に至っている。
⇒少年の非行性は大。

本決定:
学校生活等において特段の問題行動はなく、不良親和性も不良交友もない少年の生活状況等
少年の非行性はゲームに関連した限局的なものにとどまり、深刻化しているとまでは言い難い。

原決定が重視する介入措置の点⇒家裁における措置とは異なる。

● 本決定:
付添人が原決定後に提出した資料を明示的に判断資料に加えている。

保護処分決定に対する抗告審は事後審とされ、原決定後の資料を判断資料とすることの可否、当否については争いがあるが、積極説が有力

処遇選択においては、
収容処遇の謙抑性や段階処遇の合理性が指摘される一方、
時機を逃さぬ姿勢も重要。

判例時報2452

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

|

« 少年の窃盗保護事件における、立件されていない大麻使用に関する事情の考慮が許容される限度を超えたものとして、違法とされた事例 | トップページ | 共同被告の1人について弁論を分離して終結・判決⇒訴訟手続に法律違反又これに準ずる不当な取扱いありとされた事案 »

判例」カテゴリの記事

刑事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 少年の窃盗保護事件における、立件されていない大麻使用に関する事情の考慮が許容される限度を超えたものとして、違法とされた事例 | トップページ | 共同被告の1人について弁論を分離して終結・判決⇒訴訟手続に法律違反又これに準ずる不当な取扱いありとされた事案 »