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2020年2月17日 (月)

未成年者を連れて別居を開始した非監護親(父)と未成年者との面会交流について、監護親の立会いを認めて実施するのが相当とされた事案

東京高裁H30.11.20    
 
<事案>
面会交流の審判申立ての事案 
X(夫)は、同居することに耐えられなくなった⇒平成28年5月18日、Yに何ら知らせることなく別居を開始⇒Yは、同年6月15日、Aの引渡し求める審判を申立て、同年11月9日、申立てを認める審判、抗告棄却で確定。
平成29年3月13日、XはYに対し、Aを任意に引き渡した。
Xは、平成29年3月18日、面会交流調停の申立て⇒平成30年4月10日に不成立⇒本件審判手続に移行。
 
<原審>
①XがAを連れて計画的に別居を開始した上、面会交流が実施されていなかった。
but
Aの引き渡しを求める前件審判事件後には、任意に引渡しがされている

現時点でXが面会交流の際にAを連れ去る具体的なおそれがあるとは認められない。

②本件調停申立て後の面会交流で不適切な関わりをしたと認めるべき事情はない。

XとAとの面会交流を認めるのが相当。 
 
<判断>
XとAとの面会交流が子の福祉に反すると認められるような事情は窺えず、具体的な面会交流の定め方を工夫することでYの懸念を解消することができる
XによるAの連れ去りのおそれがあるとするYの懸念については、Yが面会交流に立ち会うことができる旨を併せて定めるのが相当。 
 
<解説>
非監護親の面会交流権:
未成熟子に対する面接ないし交渉は、親権もしくは監護権を有しない親としての最低限の要求であり、父母の離婚という不幸な出来事によって父母が共同で親権もしくは監護権を行使することが事実上不可能なために、一方の親が親権者もしくは監護者と定められ、単独で未成熟子を監護養育することになっても、他方の親権もしくは監護権を有しない親は、未成熟子と面接ないし交渉する権利を有し、この権利は、未成熟子の福祉を害することがない限り、制限されまたは奪われることはないもの

家庭裁判所は面会交流剣行使に必要な事項についての監護に関する処分を命ずることができる

面会交流権の権利性:
A:実体法上の請求権の一種
B:手続的請求権

実務ではBの立場に立って、子の福祉を第一に考え、面会交流を命ずるための判断基準として、これまでの子の監護状況、子の心身の状況・年齢・意思、面会交流の実施による子の心身や監護状況に及ぼす影響、監護者及び非監護者の意思と意見、双方の協力の可能性・信頼関係の程度、双方の暴力性・虐待の有無その他諸般の事情を総合考慮することとする。
判例時報2427

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