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2020年1月28日 (火)

商標が国際信義に反するとして、商標法4条1項7号に該当するとされた事案

知財高裁H31.2.6    
 
<事案>
原告は、「envie CHAMPAGNE GRAY」の欧文字と「アンヴィ シャンパングレイ」のカタカナを上下2段に書してなり、第9類「眼鏡」等を指定商品として設定登録された本件商標の商標権者。
  被告は、本件商標登録の無効審判を請求⇒特許庁は、本件商標が商標法4条1項7号に該当するとして、無効審決⇒原告が、本件審決には同号の判断誤りの違法があると主張し、その取消しを求めた。 
 
<規定>
商標法 第四条(商標登録を受けることができない商標)
次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
七 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標
 
<判断>
・・・・
以上のような本件商標の文字の構成、指定商品の内容、本件商標のうちの「CHAMPAGNE」、「シャンパン」の文字がフランスにおいて有する意義や重要性、日本における周知著名性等を総合的に考慮

本件商標をその指定商品に使用することは、フランスのシャンパーニュ地方におけるぶどう酒製造業者の利益を代表する被告のみならず、法令により「CHAMPAGNE(シャンパン)」の名声、信用ないし評判を保護してきたフランス国民の国民感情を害し、日本とフランスとの友好関係にも好ましくない影響を及ぼしかねないものであり、国際信義に反し、両国の公益を損なうおそれが高いといわざるをえない。
本件商標は、商標法4条1項7号に該当
 
<解説>
特許庁の商標審査基準第3六:
①その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字または図形である場合、
②当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般道徳観念に反する場合
③他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合
④特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合
⑤当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合等
についても、商標法4条1項7号に該当するものとして運用。 
本件は、特定の国の国民の国民感情を害することを理由に国際信義に反するものとして商標法4条1項7号に該当することを認めた事例。
判例時報2424

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