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2020年1月 3日 (金)

テーマパークでの標章の使用が非商標的使用とされた事案

大阪地裁H30.11.5    
 
<争点>
被告各商品における被告各標章の非商標的使用該当性 
 
<規定>
商標法 第二六条(商標権の効力が及ばない範囲)
商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となつているものを含む。)には、及ばない。
六 前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる態様により使用されていない商標
 
<判断>
●被告各商品に接した需要者が、被告各標章を『需要者が何人かの業務に係る商品・・・であることを認識することができる態様により使用されていない商標』 (法26条1項6号)と認識するか否かは、
ミニオンの図柄や被告各標章が服飾品のデザインとしての性質を有することを前提にしつつ、更に被告各標章の使用態様や取引の実情等を総合考慮して検討する必要がある。
①ミニオンが登場する映画が大ヒットとなっていること、
②被告のアンケート調査によるものであるがミニオンが高い周知性を有するキャラクターであることが認められ、需要者は被告各商品がミニオンのキャラクターグッズである点に着目し購入するものと考えられること、
③USJパーク内の看板等で、ミニオンのキャラクターに関連して「BELLO!」との表示がされており、需要者は被告各標章や「BELLO!」が、ミニオンのキャラクターと何かしらの関連性を有する語ないしフレーズであると認識すると考えられること等

被告各商品の出所については、それがUSJ(被告)の直営店舗で販売されるミニオンのキャラクターの公式グッズであることや、被告各商品にも一般に商品の出所が表示される部位である商品のタグやパッケージに本件被告ロゴが表示されていることによって識別すると認めるのが相当。

●本件各商標が周知なものであれば、需要者は被告各標章を出所表示として認識することになると考えられる。
but
本件各商標が被告各商品の需要者の間で周知性を有するとは認められない

その既知性に基づいて被告各商品の需要者が被告各標章を出所表示として認識するとはいえない。 

①USJのオンラインストアでの被告各商品の販売においても、トップページに本件被告ロゴが表示される
②USJオンラインストア以外のオンラインストアにおいて、その出所がUSJであるミニオンのキャラクターグッズであることが明記されている。
被告各標章をミニオンの図柄と関連がないものとして、また被告各商品の出所として、識別をすることが考え難い

証拠により示されたこれまでの取引の実情に基づく限り、被告各商品が販売されているいずれの局面においても、被告各標章が出所表示として機能していない⇒非商標的使用(商標法26条1項6号)に該当。

将来の被告各標章の使用についても、
取引きの実情の変化の有無やその態様が明らかでない⇒将来における取引の実情の変化を前提とする判断をすることはできない。
 
<解説>
本判決:
被告各標章が服飾品のデザインつぃての性質を有することを前提にしつつも、
本件で対象になった商品に限らず、被告各標章が使用されている具体的状況、一緒に表示されているキャラクター及び本件各商標それぞれの周知性、被告各商品が販売されている際にどのような表示がされているか等、
具体的な取引の実情等から、被告各標章が出所表示として需要者に認識されてないと判断。
判例時報2422

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