« 違法な仮差押命令の申立てと逸失利益との間の相当因果関係(否定) | トップページ | 弁護士刺殺事件と国賠請求(肯定) »

2020年1月 9日 (木)

ツイッター上の投稿に関し、IPアドレスの情報につき、「権利の侵害に係る発信者情報」に当たらないとされた事例

東京高裁H31.1.23    
 
<事案>
芸能活動を行う女子高生であるXが、氏名不詳者によりされたツイッター上における特定のアカウント(「本件アカウント」)からの複数の記事の投稿により、名誉等を侵害されたと主張⇒経由プロバイダであるYに対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づき、発信者情報の開示を求めた。 
本件アカウントは、遅くとも平成29年8月17日頃に開設。
 
<判断>
本件ログインに係る情報は、法4条1項に規定する「権利の侵害に係る発信者情報」に当たらないとした。 

ログインが1つしかないなど、当該ログインを行ったユーザーがログアウトするまでの間に当該投稿をしたと認定できるような場合⇒当該ログインに係る情報を発信者情報と解することができ、法の趣旨によれば、そのようなログインにかかる情報も、法4条1項に規定する「権利の侵害に係る発信者情報」に当たり得る。
but
①本件アカウントの名称は「〇〇応援隊」という複数のユーザーにより共有されていることと矛盾しない。
②少なくとも7件の投稿が行われているが、本件各記事が投稿された前後にどのような投稿がされていたかは証拠上明らかでない
③本件アカウントには、平成29年8月17日以降、本件各記事の投稿がされるまでに11回のログインがあり、そのうち7回は、Y以外のプロバイダを経由してされている。
④③のいずれのログインについても対応するログアウトの日時は明らかではなく、ツイッターでは・・長時間投稿をせずにログイン状態が継続していることも想定される⇒本件ログインより以前になされたログインによって、本件各記事の投稿が行われた可能性も十分ある。
⑤・・・ログインと投稿の連続性を認められるほど時間的近接性がなく・・・必ずしも本件各記事の投稿が本件朗吟によりされたことを裏付ける事情になるものではない。
⑥・・・・本件各記事の投稿時点でも、本件アカウントに本件各記事を投稿したユーザーとは別のユーザーが存在した可能性を排斥することはできない。

本件ログインを行ったユーザーが、本件アカウントからログアウトするまでの間に本件各記事の投稿を行ったものであるとまで認めることはできない。

本件ログインに係る情報が「権利の侵害に係る発信者情報」ということはできない。
 
<解説>
本件も、Yにおいて、投稿がされたIPアドレスを保有していない⇒投稿時に近接するログインを行ったIPアドレスの情報の開示が請求。 

判例時報2423

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

|

« 違法な仮差押命令の申立てと逸失利益との間の相当因果関係(否定) | トップページ | 弁護士刺殺事件と国賠請求(肯定) »

判例」カテゴリの記事

民事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 違法な仮差押命令の申立てと逸失利益との間の相当因果関係(否定) | トップページ | 弁護士刺殺事件と国賠請求(肯定) »