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2019年12月 9日 (月)

沖縄県の国に対する本件水域内における岩礁破砕等行為の差止め請求等

福岡高裁那覇支部H30.12.5    
 
<事案>
本件水域に係る漁業権を管轄する行政庁である沖縄県知事が属する行政主体であるX(沖縄県)が、本件水域を含む沖縄県名護市辺野古沿岸域において普天間飛行場代替施設等の建設を進めるY(国)に対し、
本件水域は漁業権の設定されている漁場に該当⇒本件水域内において岩礁破砕等行為を行う場合には沖縄県知事の許可が必要となるにもかかわらず、Yがかかる許可を得ずに本件水域内において岩礁破砕等行為を施行するおそれがある

主位的に、沖縄県漁業調整規則(本件規則)39条1項に基づく公法上の不作為義務の履行請求として本件水域内における岩礁破砕等行為の差止めを求め(本件差止請求)
予備的に、かかる不作為義務の存在の確認(本件確認請求)
事案。
 
<原審>
本件訴えは法律上の争訟に該当せず不適法⇒Xの請求を却下。 
 
<判断>
最高裁H14.7.9(平成14年最高裁判決)に依拠し、国又は地方公共団体が提起した訴訟であって、財産権の主体として自己の財産上の権利利益の保護救済を求めるような場合には、法律上の争訟に当たるというべき。
but
国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として行政上の義務の履行を求める訴訟は、法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的とするものであって、自己の権利利益の保護救済を目的とするものということはできない

法律上の争訟として当然に裁判所の審判の対象となるものではなく、法律に特別の規定がある場合に限り、提起することが許される

①本件差止請求に係る訴えは、Xが財産権の主体として自己の財産上の件利益の保護救済を求める場合に当たらず、Xが専ら行政権の主体としてYに対して行政上の義務の履行を求める、本件規則39条1項の適用の適正ないし一般公益の保護を目的とした訴訟。
⇒法律上の争訟に当たらない。
②本件確認請求に係る訴えは、本件差止請求に係る訴えと同様、本件規則39条1項の適用の適正ないし一般公益の保護を目的として、Xが専ら行政の主体として提起⇒平成14年最高裁判決が妥当⇒法律上の争訟に当たらない。
 
<解説>
平成14年最高裁判決:
国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として相手方に対して行政上の義務の履行を求める訴訟につき、法規の適用ないし一般公益の保護を目的とするものであって、自己の権利利益の保護を目的とするものということはできない
法律上の争訟に該当しない
判例時報2420

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