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2019年11月18日 (月)

高度肥満、過体重によりペースメーカー植込み手術等のため都立病院に転院⇒歩行中倒れて心肺停止状態になり、死亡した事例

東京地裁H30.9.20      
 
<事案>
Aの両親であるXは、Yに対し、債務不履行又は不法行為に基づきそれぞれ4141万円余及び遅延損害金の請求をした。 
 
<争点>
本件病院の意思には、
①Aに致死性不整脈が発症することを予見し、AをHCUまで移動させるに当たっては、HCUを移動用ベッド等を利用し、やむを得ず歩行させる場合でも、十分な酸素登用を行い、移動用モニターを装着するなどして、容態を注意深く観察すべきであったとにこれを怠った注意義務があるか。
②遅くとも、HCUへの移動中にAが息切れをし何度も苦しいと申告した時点で、歩行による移動を直ちに中止して、Aに酸素を投与し、移動用モニターを装着して、Aに酸素を投与し、移動用モニターを装着して、容態を注意深く観察しながら、HCUのベッド等で移動させるべきであったのにこれを怠った注意義務違反ないし過失があるか。
 
<判断>
(転院前の)B医療センター作成の診療情報提供書の記載内容を検討し、
Aが重篤な心不全であると診断していることや重篤な心不全の患者であることを前提に、歩行等の運動を禁止して治療をしていたとの趣旨をその文面自体から読み取ることはできない

争点①について:
①前記診療情報提供書等の記載内容
②Aの救急搬送中及び本件病院到着後のバイタルサイン、本件病院到着後、本件病院の意らの診察(聴診)において得られた心音や呼吸音、胸部X線検査や問診等の結果、心不全に陥っていることを示す所見も確認されなかったこと等

本件病院の医師らにはAを歩行させたことに注意義務違反はない

争点②について:
①Aが歩行によって致死性不整脈を発症することを予見できる状況になかった
②診療等を行った処置室からHCUまでは約70ないし80メートルであるところ、Aのペースに合わせて途中休憩を挟みながら歩行をさせるなどAに強度の負荷を与えていたものとはいえないこと等

本件病院の医師らが、歩行を継続すればAが致死性不整脈に至ると予見することはできない

Aの責任を否定

判例時報2418

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