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2019年11月22日 (金)

出会い系サイトの利用料金収納業務の代行をしていた各会社の共同不法行為と代表取締役の会社法429条の責任(肯定)

福岡地裁H31.2.22    
 
<事案>
Xが、出会い系サイトWを利用したところ、本件サイトの運営に密接に関わっていたY1、Y2、Y3において、真実は女性会員との連絡先を交換させるつもりがないにもかかわらず、これを秘し、女性会員との連絡先交換のための費用等としてXから金員を詐取⇒Y会社らには対しては共同不法行為に基づき、Y会社らの代表取締役であるY4、Y5、Y6に対しては会社法429条に基づき、損害賠償請求。 
Y1・Y2:インターネットに関するホームページの作成、運営等を目的とする株式会社
Y3:集金代行業務等を目的とする株式会社
 
<規定>
会社法 第四二九条(役員等の第三者に対する損害賠償責任)
役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
 
<判断>
本サイトの運営者について:
真実は、本件サイト上でサイト利用者と女性会員との間で連絡先の交換をさせるつもりがなかったにもかかわらず、これを秘し、各種費用を支払うことでこれができるかのように装い、Xにおいて費用を支払えば女性会員と連絡先が交換できるものと誤信させ、Xに本件取引をさせ、同金員を詐取したものと認定。 

本件サイト運営者とY会社らに関連共同性があるか?
①本件サイトの運営者は、Xに対して費用の支払を求める際、その都度、本件サイトの会員番号を明示してY会社らの口座に金員を振り込むよう指示
②Xは、本件取引の際、前記指示に基づき、各金員をY会社らに振り込んだ、
③Y会社らは、各口座に振込を受けた金員について、1件を除き、即日同額の金員を引き出している
④本件サイト運営者の不法行為においてY会社らの振込先口座の存在が不可欠
⑤Y会社らのうち2社は、本件サイトの運営者の存否を確認した形跡もない

本件サイト運営者とY会社らは、Y会社らへの各振込に対応する部分において、関連共同性が認められ、不法行為が成立

Y会社らが、他のY会社らとの間で関連共同性を有するか?
本件サイト運営者及びY会社らは、入金先を短期間に変更させることにより違法行為の発覚を遅らせ、口座凍結や仮差押えのリスクを分散させていたものと推認できる⇒Y会社らは、本件取引について、本件サイト運営者や他のY会社らとの間で関連共同性を有するとして、Y会社らの共同不法行為を肯定

Y代表者ら:
前記事実認定を基に、任務懈怠があり、そのことにつき少なくとも重大な過失がある⇒会社法429条の請求を全部認容。
 
<解説>
①運営サイトを開設している者
②運営サイトからの送金先口座名義人
③運営サイトの利用代金の電子マネー決済システムを提供していた電子マネー発行会社
について、責任肯定例・否定例。 

判例時報2418

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