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2019年11月21日 (木)

茶のしずく石鹸と製造物責任(肯定)

福岡地裁H30.7.18     
 
<事案>
Xは、Y1(販売者)及びY2(Y1から委託を受け製造)に対しては本件石けんの欠陥の存在を、Y3(原材料の小麦グルテン加水分解物を製造)に対しては本件原材料の欠陥の存在をそれぞれ主張して、製造物責任法3条に基づき、損害賠償金の支払を求めた。
 
<争点>
本件石けんの欠陥の有無(争点①)
本件原材料の欠陥の有無(争点②)
開発危険の抗弁(法4条1号)の成否(争点③) 
 
<規定>
製造物責任法 第四条(免責事由)
前条の場合において、製造業者等は、次の各号に掲げる事項を証明したときは、同条に規定する賠償の責めに任じない。
一 当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては、当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかったこと。
二 当該製造物が他の製造物の部品又は原材料として使用された場合において、その欠陥が専ら当該他の製造物の製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じ、かつ、その欠陥が生じたことにつき過失がないこと。
 
<判断>
●各Yの製造物責任の存在を認め、各Xにつき、慰謝料250万円(一定の重篤な症状を発症した者は300万円)から既払の見舞金等を控除した額及び弁護士費用相当額の合計額の損害賠償金並びに遅延損害金の限度で請求を一部認容。 
 
●争点①について 
化粧品や医薬部外品の含有成分をアレルゲンとするアレルギー症状の発症について、当該医薬部外品等が通常有すべき安全性を欠くといえるかどうかは、アレルギー症状の発症が当該医薬部外品等によって生じ得るアレルギー被害として社会通念上許容される限度を超えるかどうかによって判断すべき。
本件石けんの欠陥の有無については、洗顔石けんとして通常有すべき安全性を飽きているかどうかによって判断すべき。
本件石けんの欠陥を肯定。
 
●争点②について 
医薬部外品等の配合成分である原材料をアレルゲンとするアレルギー症状の発症が当該原材料によって生じ得るアレルギー被害として社会通念上許容される限度を超える場合には、当該原材料は、通常有すべき安全性を欠く
本件石けんにおける本件原材料の使用は、その用途及び用法として通常想定される範囲内のものであったといえる
本件石けんの使用者との関係において本件原材料の通常有すべき安全性の内容及び態度は、洗顔石けんの原材料として通常有すべき安全性
本件原材料の欠陥を肯定。
 
●争点③について
本件石けんの販売よりも前の時点で存在した各知見を総合すれば、本件石けん中の本件原材料により、経皮的又は経粘膜的に感作が生じ、さらに、経口摂取した小麦製品との 交叉反応が起こって、本件アレルギー被害のような被害が惹起されることを認識することができた
⇒本件石けん及び本件原材料のいずれについても、開発危険の抗弁は成立しない。

判例時報2418

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