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2019年7月17日 (水)

STR型によるDNA型鑑定の信用性を否定した原判決が最高裁で破棄

最高裁H30.5.10      
 
<事案>
被告人(当時27歳)が、正当な理由がないのに、他人が看守するマンションに侵入して、マンション内通路において、自己の陰茎を露出して手淫した上、射精したという、邸宅侵入、公然わいせつの事案。 
 
<争点>
被告人は、犯人性を争い、無罪を主張。
犯人性に関する証拠は、犯行現場で採取された精液様の遺留物について実施された2つのDNA型鑑定のみ。 
 
<一審>
被告人を犯人と認めて犯罪事実を二に停止、懲役1年の実刑に処した、。 
 
<原審>
本件資料に他人のDNAが混合した疑いを払拭することができず、本件鑑定の信用性には疑問があり、被告人と犯人との同一性については合理的疑いが残る。
⇒第一審判決を破棄し無罪。 
   
検察官が上告。
 
<判断>
検察官の上告趣意は、判例違反をいう点を含め、実質は事実誤認の主張であって適法な上告趣意に当たらない。
but
職権により、本件鑑定の信用性に関する原判決の判断には重大ない事実誤認がある⇒原判決を破棄し、被告人の控訴を棄却。 
 
<解説>
①捜査段階で実施された科捜研の鑑定
②第一審で実施された大学教授による本件鑑定
本件鑑定で、14座位のSTR型が一致したもおの、1座位で被告人と一致する2つのSTR型に加え、3つ目のSTR型をわずかに検出 

判例時報2403

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