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2018年9月26日 (水)

離婚後再婚と養子縁組⇒事情変更ありで養育費算定

札幌高裁H30.1.30      
 
<事案>
XがYと離婚後、公正証書により両名間の子の養育費として月額4万円を支払うとの合意⇒その後再婚し、再婚相手の子らと養子縁組⇒事情変更があたっとして、養育費を月額6616円に減額することを求めた事案。 
 
<原審>
事情変更を肯定⇒養育費の額を3万3000円に減額する旨の審判。 
 
<判断>
①前記公正証書作成後、Xが再婚相手の子らに対する扶養義務を負うに至った
②当事者双方の収入が変動
⇒公正証書が作成された後の事情を考慮して未成年者の養育費を算定するのが相当。 

前記公正証書が作成された当時の双方の収入や扶養家族の状況を前提として、標準算定方式を参考に養育費を試算⇒試算額は月額1万5282円。

当事者双方は、同公正証書において、これを2万4718円加算する趣旨であったと解するのが合理的

以上を参考に、本件にあらわれた一切の事情を考慮すると、Xの負担すべき未成年者の養育費の額を月額2万円とするのが相当
 
<解説>
民法 第766条(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)
父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。
3 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前二項の規定による定めを変更し、その他子の監護について相当な処分を命ずることができる。

民法766条3項:
家庭裁判所は、離婚後の子の養育費に関する協議又は審判による定めを、必要があると認めるときは、変更することができる。

一般に、
法的安定性の要請から、前協議又は審判の際に予見されなかった事情であり、かつ、前協議又は審判を維持することが困難な程度の事情の変更が顕著であることを要する」と解されている。

養育費の算定方式:
労研方式、生活保護基準方式、標準生計費方式等

養育費の程度を決める算定基準:
一般的には、収入を按分し、同一水準の生活費を出す方法

本件:
新たな養育費の負担を定めるものではなく、合意で定められた養育費の額を変更⇒合意の意思を尊重するのが相当。
経済的には、一切の事情を考慮し、月額2万円が相当と判断

判例時報2373

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