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2018年9月28日 (金)

冬季の富士山登山の救助で死亡⇒国賠請求(否定)

京都地裁H29.12.7      
 
<事案>
冬季登山の救助中の市消防局のヘリコプターでの事故⇒国賠請求(否定) 
Aの妻及び子である遺族Xらが、Yし消防航空隊の救助活動には、救助器具の選択を誤ったなど5つの過失がある⇒Y市に対し、国賠法1条1項に基づき、約9169万円余の損害賠償請求を求めた。
 
<判断>
山岳遭難者の救助に際し、救助隊員らに課される義務:

適切な救助方法の選択に当たっては実際に救助に当たる救助隊員の合理的な判断に委ねられるのが相当


本件のような高高度における救助隊員の救助活動については、救助時の救助隊員及び要救助者が置かれた具体的状況に照らし、救助隊員が、救助に際して明らかに合理的と認められない方法をとった場合は、職務上の注意義務を欠いた違法なものとなるが、
そうでない場合は、救助方法の選択等は救助隊員の合理的裁量に属し、違法とはならない
と解すべき。 

争点①のY救助隊員らが救助器具としてDSVを選択したことについて、かかる選択に問題ない。
争点②のDSVの装着時、D救助員がAにした胸バンドの縛着が不十分であったかという点については、これを推認させる的確な証拠はない。

その他、Y救助隊員らが救助に際して明らかに合理的と認められない方法を採ったことは認められない。

Y救助隊員らには過失はない。
 
<解説>
北海道積丹岳の遭難死で、北海道警察の救助活動の違法性が問われた事案:
違法というためには、救助を行う際の救助隊員及び遭難者が置かれている具体的状況に照らして、明らかに合理的と認められない方法を採ったと認められることが必要

本判決とほぼ同様の判断基準。

判例時報2373

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