« 被告人に訴訟能力欠如で回復の見込み無し⇒公訴棄却の可否(肯定) | トップページ | 自然環境保護団体等の原告適格が否定された事例 »

2018年8月 4日 (土)

心神喪失等の状態で重大な他害行為⇒医療及び観察等に関する法律と憲法違反(否定)

東京高裁H29.7.14    
 
<事案>
対象者が、神奈川県内の書店において、被害女性(当時52歳)に対し、突然体当たりしてその場に転倒させる暴行を加え、よって、同人に全治約2か月間を要する仙椎骨折の傷害を負わせた
検察官は、対象者を心神耗弱者と認め、本件対象行為について公訴を提起しない処分をするとともに、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行なった者の医療及び観察等に関する法律33条1項の申立て
 
<原審>
鑑定人作成の鑑定書及び横浜保護観察所長作成の生活環境調査報告書を含む1件記録に加え、審判期日の結果等

医療観察法42条1項1号により、対象者に対し、医療を受けさせるために入院させる旨決定。 
 
<抗告申立>
原審付添人は、
①医療観察法は、そもそも、憲法14条1項、22条1項及び31条に反するほか、
②原決定には、対象者について、医療観察法42条1項1号所定の入院をさせて同法による医療を受けさせる必要があると認めた点等において決定に影響を及ぼすべき重大な事実誤認がある。 
 
<判断>
①②を否定し、抗告棄却。 

判例時報2369

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

|

« 被告人に訴訟能力欠如で回復の見込み無し⇒公訴棄却の可否(肯定) | トップページ | 自然環境保護団体等の原告適格が否定された事例 »

判例」カテゴリの記事

刑事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 心神喪失等の状態で重大な他害行為⇒医療及び観察等に関する法律と憲法違反(否定):

« 被告人に訴訟能力欠如で回復の見込み無し⇒公訴棄却の可否(肯定) | トップページ | 自然環境保護団体等の原告適格が否定された事例 »