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2018年8月13日 (月)

再審請求弁護人の死刑確定者との秘密面会の制限と国賠請求(肯定)

大阪高裁H29.12.1      
 
<事案>
死刑確定者として大阪拘置所に収容されているX1並びにその再審請求のために選任された弁護人であるX2~X5が、
大阪拘置所長に対し、X1と面会する際に、
120分の面会を認めること、職員の立会いのない面会を認めること、パソコンの使用を認めることを要請したにもかかわらず、
同拘置所長が面会時間を60分に制限したこと、職員の立会いのない面会を許さなかったこと、パソコンの使用を認めなかったことが違法であると主張し、
Y(国)に対し、国賠法1条1項に基づき、200万円の賠償金の支払を求める事案。
 
<判断>
秘密面会(拘置所職員の立会いのない面会)の利益は、死刑確定者だけでなく、再審請求弁護人にとっても重要なもの

刑事施設の長は、死刑確定者の面会に関する許否の権限を行使するにあたり、その規律及び秩序の維持等の観点からその権限を適切に行使するとともに、
死刑確定者と再審請求弁護人との秘密面会の利益をも十分尊重しなければならない。

死刑確定者又は再審請求弁護人が再審請求に関する打合せをするために秘密面会の申出をした場合に、これを許さない刑事施設の長の措置は、特段の事情のない限り違法となると解するのが相当。
but
本件においては、特段の事情があったものとは認められない。

違法

大阪拘置所長は、120分の秘密面会の申出につちえ、漫然と従前の例を踏襲して面会の時間を60分に制限

裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用してXらの秘密面会をする利益を侵害したものとして違法

Xは、秘密面会の際、パソコンの使用の許可を求めたのに対し、大阪拘置所長は、その使用により拘置所の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあるかどうかについて考慮することなく、これを認めない措置をとった。

裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして、違法となる。

Y(国)に対して103万7540円及び遅延損害金の支払を求める限度で、Xらの請求を認容。
 
<解説>
秘密面会の申出の許否に関する判断基準:
これを許さない刑事施設の長の措置は、
秘密面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認められ、又は死刑確定者の面会についての意向を踏まえその心情の安定を把握する必要が高いと認められるなど特段の事情がない限り
裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用して死刑確定者の秘密面会をする権利を侵害するだけでなく、
再審請求弁護人の固有秘密面会をする利益をも侵害するとして、
国賠法1条1項の適用上違法となる。
(最高裁H25.12.10)

判例時報2370

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