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2018年8月 9日 (木)

相続分の譲渡と特別受益(肯定)

東京高裁H29.7.6      
 
<事案>
遺留分減殺請求権の行使による不動産の移転登記手続等の請求。 
X1、X2及びYは、父Aと母Bの子。
父Aの相続に際しては、Bは、法定相続分2分の1をYに無償で譲渡し、X2も法定相続分6分の1をYに譲渡
⇒X1の相続分6分の1、Yの相続分6分の5として、遺産分割審判により、Aの遺産が分割された。
その後Bが死亡したが、B固有の遺産はなし。

Xらは、Bの遺留分算定の基礎となる財産がAの法定相続分として有していた相続分のみ⇒Yに対し、遺留分減殺請求権を行使。
 
<争点>
相続分の譲渡が特別受益の対象となる贈与に当たるか。 
 
<判断>
本件相続分の譲渡は、生計の資本としての贈与であり、特別受益に該当。
⇒Xの主張を肯定。

 
<規定>
民法 第903条(特別受益者の相続分)
共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
 
<解説>
相続分の譲渡が「贈与」(民法549条)に当たり、それが「生計の資本」(民法903条1項)としてされたのであれば、特別受益として、遺留分算定の基礎となる。
本件は、相続分の贈与が特別受益に当たり、遺留分算定の基礎となって減殺の対象となる贈与に該当することを明らかにしたもの。

判例時報2370

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