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2018年8月28日 (火)

パワーハラスメント⇒うつ病で不法行為責任と会社の使用者責任(肯定)

名古屋地裁H29.12.5      
 
<事案>
建築事業等を営む株式会社であるY1の従業員であったXが、Y1らにおけるXの上司であったY2からいわゆるパワーハラスメント行為を受けてうつ病となり、退職を余儀なくされたなどと主張

不法行為等に基づく損害賠償として慰謝料等合計750万円余の支払を求めた事案。 

Xは、平成24年10月にY1に入社し、支店の営業職として勤務。
平成25年2月以降、上司となったY2から指導、教育を受けるようになった。
Xは、平成26年6月、うつ病のため就労が困難、2か月間の仕事の休養及び自宅での療養加療が必要であると診断され出社しなくなり、同年10月末をもってY1を退職
 
<労基署>
Xが平成26年4月頃に「F32うつ病エピソード」を発症していたと推測される
⇒その発症前おおむね6カ月の間に、
「ひどい嫌がらせやいじめ、又は暴行を受けた」
「達成困難なノルマが課せられた」
全体評価として心理的強度の負荷は「強」であったと判断し、業務起因性を肯定。 
 
<判断>
Y2のパワハラとされる言動について、Xの主張とおおむね同旨の事実を認定。
これらは、Xに対するいやがらせ、いじめ、あるいは過大な要求と捉えざるを得ないものであって、強度の心理的負担をXに与えたものであり、これによりXはうつ病を発症
⇒Y2の前記言動は不法行為を構成。

Y1:
パワハラの予防、パワハラの発生後の対応について、一定の措置を講じていたとはいえる
but
①本件以前からY2には他の従業員に対する威圧的言動が時にみられたのに指導をした形跡がない
②本件におけるY2の言動が継続している期間中に、X以外の従業員が相談窓口に連絡した形跡もなく、支店への抜き打ち調査等でも前記言動は把握されないまま数か月にわたってY2の言動が継続していた

Y1は使用者としてY2の選任監督につき相当の注意をしたとはいえない
⇒使用者責任を肯定

判例時報2371

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