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2018年7月13日 (金)

業務内容・問題対応・上司との関係⇒強い精神的負荷⇒うつ病⇒自殺で、公務起因性を肯定

名古屋高裁H29.7.6      
 
<事案>
Aが平成29年11月26日に自殺したことについて、処分行政庁に対し、公務災害の認定請求⇒本件災害を公務外災害と認定する旨の処分⇒不服審査請求も棄却⇒前記処分の取消しを求めた。 
 
<原審>
●公務起因性の判断基準について:
最高裁昭和51.11.12を引用し、
地方公務員災害補償法31条の「職員が公務上死亡した」とは、
公務に基づく疾病に起因して死亡した場合をいい、
その疾病と公務との間に相当因果関係が必要であり、
最高裁H8.3.5等を引用し、
前記の相当因果関係があるといえるためには、
その疾病が当該公務に内在又は随伴する危険が現実化したものであると認められることが必要

と判示。 

相当因果関係の判断に当たっては、
職場における地位や年齢、経験などが類似する者で、
通常の職務に就くことが期待されている平均的な職員を基準とすべきであり、
平均的な職員には、一定の素因や脆弱性を抱えながらも勤務の経験を要せず通常の公務に就き得る者を含む
 
●公園整備室は・・・もともと事務職の室長は、かなりの精神的負荷を受ける。
Aが執務に就任した当時の事情として






Aは、これらによって強い精神的負荷を受け、同年10月下旬から11月初めの時期に、周囲の者から見ても異常を感じさせる抑うつ状態

①Aがそのような抑うつ状態で、P1部長に対し、同年11月初めころ、降格覚悟で年度途中の異動を希望したが、年度途中の異動は難しいと言われ動揺し、
そのころ公園内で発生した事故の記者発表、市議会の対応に追われ、
同年11月26日に公園内で新たな人身事故が発生した旨の報告
業務の精神的負荷に耐えられなくなり本件災害に至った

②Aはうつ病に親和性の強い性格傾向であったが、勤務の軽減を要せず通常の公務についていた
本件災害について公務起因性を認め、Xの請求を認容。 
 
<本判決> 
原審判決を肯定。 
 
<解説>
疾病と公務の間に相当因果関係が必要であり、その疾病が当該公務に内在又は随伴する危険が現実化したものであると認められることが必要。

その判断に際しては、
精神障害は環境由来の心理的負荷の程度固体側の脆弱性の双方により発症するとの理解(「ストレスー脆弱性」理論)を前提として
一定の素因や脆弱性を抱えながらも勤務の軽減を要せず通常の公務に就き得る者を含む平均的な職員を基準とする。

Aの自殺の原因となった精神疾患について、
口頭弁論終結時における医学的知見に基づき、
本件災害後の新認定基準である「精神疾患等の公務災害の認定について」(平成24年地基補第61号)及びその運用指針(同第62号)に基づいて検討し、
Aが強度の精神的負荷を与える事象を伴う公務に従事していたと認め、
公務起因性を肯定


本件災害前のAの時間外労働時間は月50時間前後であって、それほど長時間であるとはいえない。

判例時報2367

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