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2018年7月 2日 (月)

非開示決定は違法、損害賠償請求(国賠請求)認容

大阪高裁H29.9.1      
 
<事案>
Xが、大阪市情報公開条例に基づき、大阪市教育委員会に対し、ピースおおさか展示リニューアル監修委員会における配布資料等の公開請求⇒本件文書に記録されている情報が本件条例7条2号、4号、5号所定の非公開情報に該当することを理由とする非公開決定⇒Y(大阪市)に対し、国賠法1条1項に基づき、慰謝料の支払を求めた。 
 
<判断>
①本件文書は、リニューアル後に予定された公開展示の内容であり、それまでに展示リニューアル基本設計、同実施設計が公表
それ自体秘密性を有するものとはいえないし、本件条例7条所定の非公開情報に該当しない
②本件文書を公開することにより、本件センター職員が、ピースおおさかのリニューアルオープンに向けて必要な準備を行うことにつきある程度の影響が出ることは否定できないとしても、リニューアルオープンが困難となるおそれがあったとは認めがたい
③本件決定が本件センターの裁量の範囲内であって正当であるとは認められない
④本件決定には合理的根拠があった旨のYの主張は採用できず、担当公務員に過失があったことも明らか

Yの国賠責任を肯定し、5万円の支払を求める限度で、Xの請求を認容。 
 
<解説>
本件条例7条では「公にすることにより、・・・正当な利益を害するおそれがあるもの」が非公開情報とされているところ、
「利益を害するおそれ」の有無の判断に当たっては、

文書を公開することによって生じる支障、弊害のみでなく、
文書を非公開とすることによって生ずるおそれのある弊害や、公開することによって当該事務の公正かつ適切な執行に資するときにはそのような有用性、公益性をも総合考慮して決せられるべきであるとされ(最判解説)

正当な利益を害するおそれの有無ないし程度については、
行政機関の保有する情報につき原則開示との立場を採る以上、
具体的かつ客観的な利益侵害発生の可能性が要求されることになるとされている。

判例時報2366

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