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2018年5月16日 (水)

市の設置管理する公園に関する使用許可申請に対する不許可決定が違法とされた事案

大阪高裁H29.7.14       
 
<事案>
中小業者の営業と生活の繁栄を図ることを目的とする団体であるXが、
Y(松原市)の設置管理する本件公園につき使用許可申請
⇒Yの市長がこれを不許可

本件不許可決定は集会の自由を定める憲法21条1項に違反し、かつ、市長の裁量権を逸脱濫用したものであり、違法であると主張し、Yに対し、国賠法1条1項に基づき、231万円余の損害賠償金の支払を求めた。 
 
<一審>
本件不許可決定は違法⇒Yに対して、90万6200円の支払を求める限度で、請求を認容。
 
<判断>
都市公園という本来独占的利用のみを前提とした施設でない公の施設であっても、集会等の催しのための独占的利用が元々の都市公園の設置目的から外れるとは解されない
Yの審査基準に定めた市の後援・協賛の許可という要件は、公園の占有利用の許可を決定する要件としては不要であり、有害にもなりかねない。
③その他の原判決の判断の通り。

Yの控訴を棄却。 
 
<規定>
地方自治法 第244条(公の施設) 
普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。

2 普通地方公共団体(次条第三項に規定する指定管理者を含む。次項において同じ。)は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない

3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。
 
<解説>
地自法244条2項⇒本件公園についての利用申請は正当な理由が無い限り拒否できない。
Yにおいては、公園の使用許可について審査基準を設けているところ、「市の協賛・後援の許可」を要件。
but
一般に、施設の利用を拒む「正当の理由」とは、
使用料を支払わない場合、利用者が施設の定員を超える場合、その者に施設を利用させると他の利用者に著しく迷惑を及ぼす危険が明白な場合等がこれに当たるとされる。

最高裁H8.3.15:
「管理上支障があると認められるとき」も「正当の理由」に当たるものとした。
but
市の協賛・後援の許可がないことは、「正当の理由」に当たらない。

判例時報2363

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