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2018年4月15日 (日)

日本舞踊の流派の名取の地位にあることの確認を求めた訴え

東京高裁H28.12.16      
 
<事案>
Xは日本舞踊の流派の名取として活動していた者。
Y1は同流派の家元、Y2は家元及び名取等で構成される流派団体。 

Xは、Y1より、名取から除名する旨の処分を受けた⇒
Xは、本件除名処分が無効であると主張し、
Y1に対し、名取の地位にあることの確認及び除名処分を不法行為として損害賠償を求め、
Y2に対しては、Y2の会員の地位にあることの確認及びY2の総会への出席を拒否したことが不法行為に該当するとして損害賠償を求めるとともに、Y2の総会の理事選任等の決議の不存在の確認を求めた。
 
<原審>
Y1に対する名取の地位にあること及び
Y2に対する会員の地位にあることの確認請求
を認容
各不法行為に基づく損害賠償請求は棄却、
各決議の不存在確認請求は却下 
 
<争点>
本件除名処分が司法審査の対象となり、無効であるか? 
 
<判断> 
控訴棄却 
名取の地位を基礎とする権利利益は、舞踊の振り付けを上演するための権利や職業活動及び事業活動の基盤であり、Y2の総会における議決権を伴う会員資格の基盤⇒法的利益と評価できる
②本件除名処分が規則に基づいて行われたものであって、その効力の有無について、裁量権の範囲の逸脱又は濫用があったか否かという観点から判断できる法令の適用により終局的に解決できる

本件除名処分は司法審査の対象になる

①本件除名処分によって、Xは日本舞踊家としての活動が極めて大きく制限され、生計の基盤が奪われるなど著しく甚大な不利益を被るのに対し
本件除名処分に際し弁明の機会が付与されておらず、後継者の候補と目されていたXを排除する意図があったことを窺わせる事情が認められる
本件除名処分は無効。
 
<解説>
本件除名処分が司法審査の対象となったとして、それが違法となるかは、
全く事実の基礎を欠くか、又は社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を超え又は裁量権を濫用してされたと認められる場合」に限られる(最高裁H18.9.14)

本件は、本件除名処分に至る経緯などを総合的に判断し、社会通念上著しく妥当性を欠いたものとして、本件除名処分は無効であるとしたもの。 

判例時報2359

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