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2018年4月16日 (月)

区分所有建物が存在する土地の競売による分割請求が権利の濫用とされた事例

東京地裁H28.10.13      
 
<事案>
兄妹間の共有に係る土地(土地上に区分所有建物が存在する)について競売による分割請求⇒分割請求が権利の濫用に当たるかが問題となった事案。 

本件土地は、共同相続、遺言を経て、現在、兄Y1、Y2、妹Xの共有(Xが2分の1、Y1、Y2が各4分の1の持分)

本件土地上には、Xらの父Aが所有していた旧建物があったが、
Aの死亡を機に取り壊した後、昭和60年9月、
Xの夫B、Y1、Y2が3階建ての区分所有建物(各階ごとに区分建物となっている)を建築したうえで、
1階部分をB、2階部分をY2、3階部分をY1がそれぞれ区分所有し、
Bが本件土地につき土地所有権を有する旨及び本件各区分建物と本件土地を分離して処分できる旨の規約を設定。
その後、Bは平成25年6月、1階部分をXに贈与。
 
<争点>
①競売、代金分割による共有物分割の場合、本件建物も併せて売却できるか
②本件分割請求が権利の濫用に当たるか
③本件分割請求につき相当な分割方法は何か 
 
<判断>
争点①について否定

争点②について:
分割による本件建物に与える影響、本件分割請求の目的・必要性、本件土地の分割によるY1らの不利益に関する事情を認定
本件分割を認めることは本件建物の存立を不安定なものにし、各区分建物の所有者に不利益を与えるものであり、分割が認められないことによるXの不利益に比して、分割を認めることによるY1らの不利益が非常に大きい
権利の濫用として本件分割請求は許されない
⇒請求を棄却。 
 
<規定>
民法 第256条(共有物の分割請求)
各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
2 前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。
 
<解説>
共有物の分割請求権については、分割の自由が原則であり、いつでも分割を請求することができ、長期の拘束を認めないのが民法256条の趣旨、内容

判例時報2359

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