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2018年2月 5日 (月)

保険金等請求訴訟で火災事故が保険契約者の故意によるもので免責されるとされた事例

福島地裁いわき支部H28.10.27      
 
<事案>
XとY1の間の火災共済契約等並びにXとY2との間の火災保険契約の目的物である建物及びその内部の家財が火災により焼失
⇒XがYらに対し、これらの契約に基づく共済金及び保険金を請求。 
 
<争点>
各契約に係る約款のいわゆる故意免責条項が、本件火災に適用されるか? 
 
<判断>
●消防署の判定結果(仏壇から出火)と私的鑑定(仏壇に隣接する押入れ内部からの出火)を詳細に検討し
前者については火災現場の客観的状況につき誤認があるため、出火場所の判定が誤っている疑いがある
⇒後者の信用性が前者にそれに上回る
⇒通常火のない押入れ内部からの出火である可能性が高く、本件火災が放火によるものであることが強く疑われる客観的状況にある。


経済的に困窮していたXが合理的必要性のない保険契約を締結した翌日に、いずれの主張を前提としても通常は火の気のない部屋にたまたま発生した火気が原因で本件火災が生じ
Xが建物所有者でないのに建物が係る火災保険金を請求したという一連の事実経過

本件火災がXの保険金目的の放火によるものであることに対する相応に強い推認力

同時期にXが保険金取得目的で入院⇒Xの保険金の不正取得の意図を認めた。

Xが保険金詐取の目的で本件火災を故意に惹起したことが強く推認できるとして、消極方向の間接事実を排斥して、故意免責を認めた。
 
<解説>
火災保険契約に基づく保険金請求事件におけるいわゆる故意免責の立証責任は、保険者が負う。 

保険者が直接証拠を入手することは困難⇒複数の間接事実を組み合わせた立証によるほかない場合が多い。
(1)火災原因が放火であることを推認させる間接事実:
①出火場所
②出火態様
③出火時刻
④失火等の原因となる他の火源の有無
⑤助燃剤の有無


(2)放火に対する保健金請求者の関与を推認させる間接事実:
①第三者の出火場所への侵入可能性
②被保険者等の動機・属性を示す事情
③被保険者等の火災発生前後の言動
④保険契約締結に関する事情等

判例時報2352

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