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2017年11月 5日 (日)

底地譲渡に関する賃貸人と賃借人との間の合意が第三者のためにする契約に当たるとされた事例

東京地裁H28.6.9      
 
<事案>
土地所有者Aは、平成4年2月、Bとの間で、堅固建物の所有を目的とする借地契約を締結し、附則として、
賃貸人は、賃借人が将来本件土地の借地権を第三者に譲渡しようとする場合は、賃借人の借地権譲渡を承諾すると共に、賃貸人の所有する底地部分を譲渡することに同意する。この場合、賃貸人と賃借人との譲渡代金取得の割合は、賃貸人の取得分1000分の225、賃借人の取得分1000分の775とする」(本件条項)の定めあり。 

Aは、平成23年2月に死亡し、Yが相続。
Bは、平成26年6月、
①本件建物、本件土地をX株式会社(代表者はB)に譲渡すること、
②本件条項により、本件土地もXに譲渡されること等を
Yに通知し、
Bは、Xに本件建物、本件借地権を譲渡(本件売買)。

Xは、Yに対し、本件条項が第三者のためにする契約である等と主張し、本件土地の代金の支払を受けるのと引換えに所有権移転登記手続を請求
 
<規定>
民法 第537条(第三者のためにする契約)
契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。
2 前項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。
 
<争点>
①本件条項が第三者のためにする契約であるか
②本件条項の有効性
③消滅時効による消滅
④権利の濫用、信義則医違反
⑤支払うべき代金額 
 
<判断>
本件条項は、その内容に照らし、賃貸人が本件借地権の買受人に対して、予め底地を譲渡することを賃借人との間で約している
買受人が受益の意思表示をすれば、本件土地の売買契約が成立すると解されるものであり、第三者のためにする契約。 
①売買代金、その確定方法が定められていないとしても、本件条項では売買代金が確定すれば賃貸人が取得する売買代金は一義的に決せられ、売買代金額は将来決定される事項。
売買代金は将来における社会通念上相当な価格を想定しており、時価を指すものと考える。

時価を8480万円と算定し、その1000分の225である1908万円の支払との引換給付によって請求を認容。
 
<解説>
第三者のためにする契約:
第三者に直接権利を取得させる類型の契約

本判決:
賃貸人が借地権の買受人に対して、予め底地を譲渡することを賃借人との間で約しており、買受人が受益の意思表示をすれば、底地の売買契約が成立するものであると解釈し、第三者のためにする契約に当たると判断。

判例時報2342

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