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2017年11月24日 (金)

死刑確定者の「懸賞応募券」の郵送願い・差し入れされた写真ネガフィルムの送付者への返送・領置願いの不許可の違法性(違法)

名古屋高裁H29.4.13      
 
<事案>
名古屋拘置所に収容中の死刑確定者Xは、
①自分で購入した食品などの包装ビニール袋に付いていた「懸賞応募券」を親族に対して郵送することを願い出た⇒拘置所長がこれを不許可とした
知人が差し入れした「写真のネガフィルム」について、知人に引き取りを求めたうえ、Xが同フィルムを領置するよう願い出たのに対して拘置所長が不許可とした

Y(国)への国賠請求
 
<Yの主張>
①「懸賞応募券」は、いわゆる「自弁物品」には該当しない⇒この応募券の郵送願いを不許可にしたことは適法
②「ネガフィルム」は「釈放の際に必要と認められる物品」に該当しないし、被収容者が閲覧することができる書籍等に該当しない⇒送付者に引き取りを求め、領置願いを不許可にしたことは適法 
 
<規定>
刑事収容法 第48条(保管私物等)
刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、保管私物(被収容者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び被収容者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。

刑事収容法 第50条(保管私物又は領置金品の交付)
刑事施設の長は、被収容者が、保管私物又は領置されている金品(第百三十三条(第百三十六条、第百三十八条、第百四十一条、第百四十二条及び第百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(当該刑事施設に収容されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。
一 交付(その相手方が親族であるものを除く。次号において同じ。)により、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。
二 被収容者が受刑者である場合において、交付により、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。
三 被収容者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。

刑事収容法 第69条(自弁の書籍等の閲覧)
被収容者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節及び第十二節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。
 
<判断>
「懸賞応募券」は、刑事収容法48条1項及び50条にいう「保管私物」に該当⇒この郵送願いを不許可にする事由が認められない⇒拘置所長のした不許可処分は違法
②「ネガフィルム」は、法69条所定の「書籍等」に該当拘置所長をその領置願を不許可とし、送付者に返送したことは違法

慰謝料として2万2500円の支払を求める限度で、Xの請求を認容。

判例時報2345

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