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2017年10月31日 (火)

C国籍の男性Xが、日本国内の総領事館でC国法の方式で婚姻⇒婚姻届不受理の違法性(否定)

大阪高裁H28.9.16      
 
<事案>
日本に在住するC国籍の男性Xが、C国籍の女性と、日本国内の総領事館において、C国法の方式により婚姻し、その後、C国政府作成の婚姻関係証明書を添付して、居住地のB区長に対して婚姻届出⇒不受理⇒戸籍法121条に基づいて神戸家裁に対して不服を申立て、本件婚姻届出を受理するようにB区長に命ずることを求めた。 
 
<原審>
戸籍法上本件婚姻届出は義務付けられていないものであって、市区町村長において受理しなければならないものではなく、B区長が本件婚姻届出を受理しないことが戸籍法上違法、不当であるとは言えない
⇒Xの申立てを却下 
 
<判断> 
Xの抗告を棄却 
 
<解説> 
●市町村長の処分に対する不服申立ての制度 
戸籍法121条には、戸籍事件(第124条に規定する請求に係るものを除く。)について、市町村長の処分を不当とする者は、家庭裁判所に不服の申立てをすることができると規定。

戸籍事件に関する市区町村長の処分は行政処分であり、違法な行政処分についての取消し・変更を求める場合、行政訴訟を提起するのが一般的。
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戸籍事件については、行政訴訟の方法による救済よりも、「家庭に関する事件」を管轄し、戸籍事件に常時関与している家庭裁判所において処理することが適切
不服申立ての対象となる戸籍事務から、戸籍法124条に規定する請求(戸籍謄本等の交付請求、届出書等の閲覧・記載事項証明書の請求等)に係るものが除かれている。

平成19年改正において、戸籍の公開制度の見直しに伴って除外され、市役所、区役所又は地方法務局の長に審査請求をすることができるようにされた。

①戸籍事件には、戸籍の記載に影響が及ぶ「登録」に関するものと、戸籍謄本等の交付等の「公証」に関するものがあり、後者の戸籍事件の判断については、「家庭に関する事件」を管轄する家庭裁判所の専門的知見が不可欠のものであるとは必ずしもいえない
②類似の処分である住民基本台帳法上の住民票及び戸籍の附票の写しの交付に関する処分等は、いずれも行政不服審査法上の行政不服申立手続及び行政事件訴訟法上の取消訴訟手続によることとされており、これとの平仄を考慮する必要がある。
市区町村の処分に対する不服申立ては、家事審判事項とされ(家事事件手続法39条、別表第1の125項)、家庭裁判所の審判手続において判断されることとなっている。
 
●抗告人は、本件婚姻届出を受理することを求め、その上で、婚姻の事実の証明を市区町村長に求めようとしていることがうかがわれるが、そのことに関して、本決定は、「そもそも外国人同士が日本法以外の方式によって婚姻をしたとしても、日本の行政機関である市区町村長はこれを公証すべき立場にはなく、抗告人の主張は採用できない。」と説示。 

判例時報2342

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