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2017年9月30日 (土)

学校給食の白玉団子で窒息し、脳死状態の後死亡⇒小学校職員の過失(否定)

宇都宮地裁H29.2.2      
 
<事案>
Yの設置するA小学校の給食に出された白玉汁の白玉団子を食べた小学1年生Bが、白玉団子を喉に詰まらせて窒息し、脳死状態となり、約3年後に死亡
⇒小学校職員等に白玉団子の提供方法や誤飲事故の救命措置に過失がないか否かが問題となった事案。 
 
<争点>
①大きさ直系2センチ強の白玉団子を白玉汁の形で提供したことに過失があるか
②本件事故発生後の学校の対応に過失があるか 
 
<判断>
●Bが誤嚥する具体的危険性を予見させる兆候はなかった
⇒A小学校ないし給食センターの過失はない
●教員らは、本件事故を察知してから2分ないし3分後には救急車を要請している⇒救急車の要請が遅れたとの評価はできない。

①職員らは、Bが自立できているうちは背部叩打法(=傷病者を立位又は座位にし、傷病者の上半身を前のめりにし、背後から左右の肩甲骨の真ん中辺りの背中を手掌基部で連続して叩く手法)を試み、Bがぐったりして自立できなくなってからは心臓マッサージと人工呼吸の手続を行うなどしている。
②ハイムリック法(=傷病者の後ろから両腕を回し、みぞおちの下で片手の手を握り拳にして、腹部を上方に圧迫する手法)については、15歳以下の児童の 場合、「内臓損傷、胃内容物の気管内への流入の可能性があることを念頭に入れて処置しなくてはならないとされており、職員らが当時7歳で大柄でもないBに対し、既に行っている背部叩打法のほかにハイムリック法を行うべき義務はない
⇒Yの責任を否定。
 
<解説>
学校給食は、学校に在学するすべての児童又は生徒に対し実施されるものであり、学校給食の安全性につき、安全配慮義務を学校に課している。 

責任肯定事例:
①学校給食で出されたそばを食べ、食物アレルギーで窒息死した事案
②学校給食を食べて食中毒を起こした事案

責任否定事例:
③学校給食中に食器が破損して失明した事案
④養護学校の給食時間に、摂食指導中、2度にわたり誤嚥により呼吸困難に陥り、入院を経て死亡した事案
1歳9か月の幼児がこんにゃくゼリーを食べ、喉に詰まらせて死亡した事案につき、製造販売会社の責任を否定した大阪高裁H24.5.25

判例時報2337

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