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2017年9月13日 (水)

破産管財人の破産債権者への通知の確認・催告義務違反(否定)

大阪高裁H28.11.17      
 
<事案>
A社(破産会社)を破産者とする破産手続(本件破産手続)の破産債権者であったXが、本件破産 手続の破産管財人であったYに対し、破産管財人には破産債権者に対し破産債権届出期間及び破産債権調査期日の通知が適切にされているかを確認し、破産債権届出を催促すべき義務があったところ、Yがこれを怠った
⇒破産法85条2項に基づき、Xが得られたであろう配当額502万円余の損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案。
 
<争点>
Xが主張する確認・催告義務を破産管財人が負っているか。 
 
<判断>
知れている破産債権者に対して破産債権届出期間等の通知を行う義務を負うのは破産裁判所⇒破産管財人が破産規則7条により通知に関する補助的な事務を取り扱うとしても、通知事務そのものに関して法的義務を負っていない
②破産管財人が、破産債権者に対して、自らは直接担当しない破産債権者に対する通知を破産裁判所が適切に行ったか否か確認すべき義務があることを根拠付ける規定等は見当たらない
③京都地裁と京都弁護士会が協議の上で作成したマニュアルには、未届出破産債権者に対し、破産債権届出を催促がすることが定められているが、本件マニュアルは運用を定めたものであり、それと異なる運用をした場合に、直ちに破産管財人の善管注意義務違反を問われる法的性格のものとはいえない
④本件破産手続において、破産裁判所が破産管財人Yに対し、債権届出をしていない未届出破産債権者に対して債権届出を催促することを求めた事実はなく、本件マニュアルの記載が破産手続において一般的な扱いであたっとはいえない

破産管財人の義務を否定。 
 
<解説>
破産管財人の職務執行は広範な裁量にゆだねられている
善管注意義務に違反するかどうかは、破産管財人の具体的な行為の態様に加え、事案の規模や特殊性、早期処理の要請の程度に照らして個別に判断される。

最高裁H18.12.21の調査官解説で、谷口調査官は、破産管財人の善管注意義務の内容について、破産管財人が、「法令に明確に定めがある事項や、明らかに解釈が固まっている事項について、独自の見解に基づいて職務を遂行して利害関係人に訴なぎを与えた場合等には免責されないが、その処理につき学生・判例が固まっていない分野について破産管財人の措置が結果的に違法な職務行為であると判断されたとしても、直ちに善管注意義務に違反するものと評価することはできない」としてる。

判例時報2336

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