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2017年9月16日 (土)

市庁舎前広場の使用許可申請に対する不許可処分の適法性(適法)

名古屋高裁金沢支部H29.1.25      
 
<事案>
金沢市庁舎前広場における開催が計画されていた「軍事パレードの中止を求める集会」の参加予定者であったXらが、金沢市長による本件集会開催の許可申請に対する平成26年5月14日付け不許可処分は違憲・違法な処分であり、他の集会場所を用意するための費用の支出を余儀なくされた
⇒Y(金沢市)に対して、国賠法1条1項に基づき損害賠償を請求。 
 
<原審>
本件不許可処分は違憲・違法とはいえない⇒Xらの請求を棄却 
 
<判断>
①本件広場とは別に金沢市庁舎建物への出入用通路が存在することが認められるが、これらは独立した構造を持つものではなく、むしろ本件広場と出入用通路が一体となって金沢市庁舎建物への来庁者の通行に利用されることが予定されたと認められる
②Yは、一貫して市庁舎と本件広場を一体として管理してきた
③本件集会は、自衛隊市中パレードという特定の具体的な行動に対し、これに反対して中止を求める旨の集会⇒本件広場で本件集会が開かれた場合にはYの事業に支障が生じないものと認めることはできない
それ以外は原審と同じ。

控訴棄却
 
<解説>
本件広場は地方自治法244条にいう公の施設に当たる
⇒管理者は、正当な理由がない限り、その利用を拒んではならず(同条2項)、また、その利用について不当な差別的扱いをしてはならない(同条3項)とされている。

前記の「正当な理由」とは、使用料を支払わない場合、利用者が施設の定員を超える場合、利用者に著しく迷惑を及ぼす危険が明白な場合が、これに当たるとされている。

公の施設の利用については、地方公共団体において条例を制定し、「庁舎等の管理上支障がある場合、(地方公共団体の)事業の執行が妨げられる恐れがある場合」には許可しないとされている。

皇居外苑の使用不許可の適否が争われた最高裁昭和28.12.23:
集会の用に共される公の施設の管理権者は、当該施設の種類に応じ、また、その規模、構造、設備等を勘案し、公の施設としての使命を十分達成せしめるよう適正に管理権を行使すべきであって、管理権の行使を誤り、ために実質上表現の自由等を侵害したと認められうるに至った場合には、違憲の問題が生じうる旨判示。

判例時報2336

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