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2017年8月18日 (金)

青果物等の卸売業者と仲卸業者らの協同組合との間の合意内容の解釈

東京地裁H28.6.27      
 
<事案>
青果物及び青果加工品の卸売業者であるXが、仲卸業者らの協同組合であるYに対し、
①代払契約に基づく代払債務の履行請求として、又は、
②保証契約に基づく保証債務の履行請求として(①と選択的請求)、
XがYの組合員に対して売り渡した商品の代金の支払、及び、これに値する商事法廷利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めた。 
 
<事実>
東京都中央卸売市場条例85条1項は、買受人は、卸売業者又は仲卸業から買い受けた物品の引渡しを受けると同時に買い受けた物品の代金を支払わなければならないが、卸売業者又は仲卸業者があらかじめ知事の承認を受けて買受人と支払猶予の特約をしたときは、この限りでない旨規定。

XとYは、取引協約書を取り交わし、以下の規定のある、支払猶予の特約を締結。
①Yに所属する組合員のXに対する買受代金は、買い受けた日から起算して6日以内にYがXに対して「代払い」を行うこと(本件代払契約)
②Yが買受代金を①によって完納した場合、XはYに対し、完納奨励金として10000分の10を支払うこと
③Yに所属する組合員のXに対する買受代金の債務についてはは、Yが、関係法令に準拠してこれを「保証」すること(本件保証契約)

 
<争点>
①代払債務の履行請求につき、本件代払契約に係る当事者の合意内容(Yは、無制限の代払義務を負うか、Yが組合員から入金された金額の限度のみ支払えばよいか)
②保証債務の履行請求につき、本件保証契約に係る当事者の合意内容(Yは、Yが通知した金額の限度で保証債務を負うという「限度付き」保証か)
③相殺の抗弁(Yは、Xに対し、不当利得返還請求権を有するか)
 
<判断>
取引協約書の文言
青果物の取引に係る買受人組合(仲卸組合等)による代払制度や完納奨励金支払制度に係る沿革
③本件における完納奨励金支払の経緯等
について検討

当事者の合意内容は、Yが組合員から入金された金額の限度のみ支払えばよいというものではなく、Yは組合員からの入金金額にかかわらず、代払義務を負う

取引協約書の文言
前記条例85条1項の規定内容
X・Y間の取引の経緯等
について検討

X・Y間において、Yが指摘する取引も代払いや保証の対象とするという合意が成立したことが推認される。

被告の相殺の抗弁を否定。
 
<解説>
本判決は、
当事者間の合意につき、当事者間で作成された文書や、当事者間の経緯だけであなく、青果物の取引に係る買受人組合(仲卸組合等)による代払制度や完納奨励金支払制度に係る沿革等も考慮した上で、判断を行ったもの。 

判例時報2333

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
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