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2017年8月16日 (水)

義援金の不正疑惑についての署名活動と署名を求める文書が、正当な意見・論評であり名誉毀損とならないとされた事例

仙台高裁H28.12.7      
 
<事案>
東日本大震災にかかる義援金の不正疑惑について、警察による捜査を求める署名活動と署名を求める文書(「本件文書」)が、名誉毀損となるかが争われた事案。

原告:町議会議員
被告:(同じ)町議会の議員と市民オンブズマンの代表者
⇒不正疑惑の追及の名を借りた政敵への攻撃と見る余地
 
<原審>
事実摘示型の名誉毀損とし
被告は、不正疑惑の存在を摘示したのではなく、真実不正が存在するとして摘示したもので、
摘示事実について真実と信じた相当な理由があるとは言えない。
 
<判断> 
被告の署名活動と本件文書につき、
事実摘示型の名誉毀損ではなく、義援金にかかる不正疑惑があるという事実を前提として、捜査機関に疑惑の解明を求める、意見・論評であると判断。 

①本件文書に、雑誌やブログによる記事の引用がある
②原告による義援金の不正利用により町民が受給するべき義援金が減額されたのではないかという疑惑があるとの記載がある
被告の行為は、事実を摘示したもの
but
本件文書は、
これらの事実を前提とした町民の怒りの感情や、捜査機関に対して、原告が受領した義援金の総額や使途を明らかにすること、不正使用の疑惑を解明するよう求める部分を含んでおりこれらの部分は、客観的証拠等をもってその存否を決することのできないもの

一定の事実を前提とした意見ないし論評であると判断。

事実の摘示から構成される原告に対する名誉毀損か、あるいは、
疑惑解明を求める意見・論評(感情・要望)
という問いについて、後者であると判断。

判例時報2333

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
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