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2017年7月28日 (金)

検索結果削除仮処分申立事件(肯定事案)

福岡地裁H28.10.7      
 
<事案> 
インターネット上でYが提供する検索サービスのいて、Xの氏名等の文字列を入力して検索すると、検索結果表題又は内容の抜粋に、Xについての逮捕や刑事事件の起訴がされたこと等が表示。

Xが、Yに対し、人格権(更生を妨げられない権利)等に基づく差止請求権に基づき、前記114件の検察結果を仮に削除するよう求めた事案。
 
<判断>
本件検索結果114件のうち110件について、仮に削除するよう命じた

ある者が前科を有することや逮捕又は刑事事件として起訴を受けたこと(前科等)をみだりに公表されないことは、法的保護の対象になる利益

もっとも、前科等に関わる事実は、刑事事件又は刑事裁判という社会一般の関心又は批判の対象となるべき事項に関わるもの
⇒その者が前記の公表について受忍することを要する場合もあり得る。

その場合に当たるか否かは、その者のその後の生活状況のみならず、社会一般の正当な関心の対象とんるような公的立場にあるか否か、事件についての歴史的又は社会的な意義、著作物等の目的、性格等に照らした前科等を公表する意義及び必要性をも併せ考慮し、前科等に関わる事実を公表されない法的利益が優越するか否かについて判断すべき。(最高裁H6.2.8)

本件においては、
①本件削除対象検索結果の内容は、Xの氏名や当時の住所、職業、年齢等が摘示されるなどし、Xの知人であれば、検索結果中に示される人物とXが同一人物であると判断できる
②Xは刑の終了後犯罪を行うことなく、平穏な社会生活を送っており、政治的、社会的な団体に属したり、議員その他の公的立場に就任したり、又は就任しようとしたりしておらず、Xが社会一般の正当な関心の対象となるような公的立場にあるとはいえない
③Xの前科等の内容は児童買春といった被害者として未成年者等を想定する犯罪類型ではない
④Xの前科等は、本決定時まで、判決時から13年〇〇月、刑の執行終了時から10年〇〇月が経過している

Xにおいて前科等の公表を受忍しなければならないとはいえない
 
<解説>
最高裁H29.1.31:
検索事業者が、ある者に関する条件による検索の求めに応じ、その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL等情報を検索結果の一部として提供する行為が違法となるか否かは、
当該事実の性質及び内容
②当該URL等情報が提供されるこによってその者のプライバシーに属る事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度
③その者の社会的地位や影響力
④上記記事等の目的や意義
⑤上記記事などが掲載された時の社会的状況とその後の変化
⑥上記記事等において当該事実を記載する必要性など
比較衡量して判断すべき。

判例時報2331

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