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2017年6月28日 (水)

信用保証協会の主張する免責の抗弁(=「保証契約に違反したとき」)に理由がないとされた事例

東京高裁H28.5.26       
 
<上告審>
Yの動機の錯誤を認めた上で、保証契約の性質に照らしつつ、保証契約締結当時における当事者双方の合理的意思を検討し、債務者が反社会的勢力ではないことが当該保証に係る法律行為の内容となっておらず、Yの意思表示に要素の錯誤はない

控訴棄却判決を破棄した上、Yの保証債務の免責の抗弁等について更に審理を尽くさせるために、本件を東京高裁に差し戻した。 (最高裁H28.1.12)
 
<争点>
Xが「保証契約に違反したとき」に当たるか(免責の抗弁) 
 
<判断>
●中小企業者等が金融機関から貸付け等を受けるにつき、信用保証協会がその貸付金等の債務を保証する場合には、金融機関及び信用保証協会は、保証契約に関する基本契約上の付随義務として、個々の保証契約を締結して融資を実行するのに先立ち、相互に主債務者が反社会的勢力であるか否かについてその時点において一般的に行われている調査方法等に鑑みて相当と認められる調査をすべき義務を負う

Xがこの義務に違反して、その結果、反社会的勢力を主債務者とする融資について保証契約が締結された場合には、本件約定書に定められた免責条項であるXが「保証契約に違反したとき」に当たると解するのが相当である(前記上告審)。


①本件保証の締結当時において、反社会的勢力対応部署を整備して一元的な管理態勢を構築すること、
②融資に伴う審査等の通常業務の中で、主債務者及びその関係者について反社会的勢力でないかどうかを調査、確認すること、
③前記部署において反社会的勢力に関する情報を一元的に管理したデータベースを構築し、取引先の審査に活用すること
が金融機関において求められていたといえる

これらの方法を用いて反社会的勢力か否かの調査を行うことは一般的に行われている調査方法に含まれる

金融機関において、本件各保証締結当時、警察に対する反社会的勢力であるか否かの照会は可能⇒以上の調査方法により相手方が反社会的勢力であることの疑念が生じるなど、必要な場合には警察に対しても相手方が反社会的勢力か否かについて情報提供を求めることも一般的に行われている調査方法に含まれる


本件各消費貸借の際に、Xは反社会的勢力対応部署を設けていたが、主債務者の審査業務等において徴求した審査資料や訪問調査時に反社会的勢力であることをうかがわせる事情は認められず、前記部署において構築されたデータベースやその他利用可能なデータベースを用いても該当結果が出なかった

Xは、主債務者が反社会的勢力であるか否かについて、その時点において一般的に行われている調査方法等に鑑みて相当と認められる調査は行っていた

「保証契約に違反したとき」には当たらず、抗弁には理由がない

判例時報2328

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

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